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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第5戦 もてぎ【予選】レポート

<US-RACING>
■カストロネベスが今季2度目のポール、ホンダ・レイナードがトップ4を独占

今シーズンのポイントランキングを基準にその出走順位が決められるシングルカー・クオリファイ。予選が近づくにつれて気温も上昇し、最初のドライバー、カーペンティエがコースインした1時32分での気温は24℃、路面温度は49℃というコンディション。平日であるにもかかわらず、2万1千人もの日本のファンがツインリンクもてぎに終結した。

そのカーペンティエ、3周のウォームアップランのあとグリーンフラッグでタイムアタックに入ったまでは良かったのだが、2周目の計測が終わると同時にエンジン・トラブルでスローダウンし、そのままマシンを止めた。タイムは26.147秒。このためコースはここで一旦イエローフラッグとなる。

木曜日のプラクティスで3番手のタイムをマークしているザナルディが2番目にアタック。1周目のトライで26.088秒のタイムを出す。このタイムは6番手に出走したジョルダインJr.が26.057秒のタイムをマークするまでトップを維持することに。

今回がもてぎ2回目となる中野信治は8番目にコースイン。グリーンフラッグ1周目に26.685秒、2周目のトライで26.280秒まで短縮。この時点で5番手につける。一方、もてぎのオーバル初トライとなる?木虎之助は26.840秒で暫定10位となった。

予選も後半へと入り、15番目に出走したナザレスのポールシッター、ジュンケイラが1周目に26.035秒でジョルダインJr.のタイムを更新し、暫定ポールに浮上。しかしその直後、16番手に出走したカナーンがジュンケイラのタイムを0.013秒短縮する26.022秒をマーク、一気にトップへ。

ここで登場したのはプラクティス総合トップのフランキッティ。好調なフランキッティは1周目のトライで26.080秒を出してまず4位につけ、その次の周回でこの予選で初めて26秒台を切る25.991秒をマーク、一躍トップへと踊り出る。ホンダの新エンジンをナザレスのレース後にテストしたフランキッティが大活躍を見せた。

続いて、昨年の覇者アンドレッティが18番目にコースインするも、オーバーステアが原因で26.215秒の暫定8位が精一杯。さらに前回のナザレスで優勝しているディクソンが19番手に出走してタイムアタックを行うが、今回も予選ではあまりタイムが伸びず、26.681秒で暫定15位につける。

その後、テキサスでポールを獲得し、ナザレスでも予選2位フロントローを得ているブレックが26.044秒で暫定4位。5連続のフロントロー獲得ならず。次はロードコースでのレースを得意とするカストロネベスが果敢にアタックし、トライ1周目に25.849秒の好タイムを叩き出して暫定トップに躍進した。

予選も終盤に近づき、ポイントランキング上位のドライバーが続々と登場するが、その多くが本領を発揮できずにタイムアタックを終える。22番手出走のバッサーは、トライ2周目の26.600秒がベストで18位に低迷。本人の弁では、「エンジンとシャシーのマッチングが今一つ上手く噛み合わない」とのこと。

ここで現時点でのトップであるカストロネベスのチームメイト、ド・フェランがコースイン。だがその際にピットレーンでスピードオーバーを喫し、ルールで最初のタイムしか採用されないという宣告を受ける。これには普段温厚な態度でしられているド・フェランも怒りを隠せない。ピットに戻ると不満を露にマシンを降り、その場を立ち去った。ちなみにタイムのほうは25.993秒で3位、セカンドローを確保している。

これで残るは最後の2台、同ポイントで並ぶトレイシーとダ・マッタだったが二人ともタイムが伸びず、トレイシー16位、ダ・マッタは12位で予選を終了。最終的にカストロネベスがロングビーチに引き続き今季2度目のポールポジションを獲得した。1999年のミルウォーキー以来2度目のオーバルでの予選トップ、通算6度目のポールポジションである。

期待の日本勢は、中野が13番グリッド7列目、そして?木が24番手12列目から地元のレースをスタートすることになった。

エンジンメーカー別に見ると、ホンダ勢が1位から4位までを独占し、その速さをアピール。5位にトヨタ、6位にフォードが入った。ホンダ勢は更に8位と9位にも入り、合計トップ10に6台が入る結果となった。レイナード・ホンダのコンビネーションが、第4回目の日本ラウンドの予選を席巻。

注目の決勝は午後12時30分、グリーンフラッグで決戦の火蓋が切って落とされる。

● 予選1位のエリオ・カストロネベスのコメント
「この週末はつねに速かった。正直言って、ほとんど調整はしていない。何も心配することはなく、すべてがスムーズだった。ホンダについて触れないわけにはいかないだろう。彼らは一丸となって頑張ってくれた。これこそチーム・スポーツというものだ。とにかく、ポールポジションを獲れてうれしい。この1ポイントは重要だ」

● 予選2位のダリオ・フランキッティのコメント
「朝のプラクティスでとても調子が良かったんだが、セッションの最後になって排気管にトラブルが発生し、直したことでバランスが悪くなってしまった。エンジンにはまったく問題なかったから、ほんとうに残念だったね」

● 予選3位のジル・ド・フェランのコメント
「それほど速いスピードでピットを走ったつもりは無かったんだけど、こんな結果になってがっかりだ。もしそれが無ければエリオと二人でフロントローからスタートできたからね。この週末はクルマもとてもいいし、レースでも期待して欲しい」

● 予選13位の中野信治のコメント
「今日は朝から調子が良く、『いけるかな』と思っていた。だが、予選が始まってピットを出た瞬間に計器盤が壊れ、シフトアップのタイミングがわからなくなってしまった。1周目はリミッターに当ててしまい失速。2周目は勘でなんとかシフトした。トラブルがなければもう少しタイムを上げられたと思うが、クルマの調子自体はいいので、明日の心配はしていない」

● 予選24位の高木虎之介のコメント
「もてぎのロードコースはフォーミュラ・ニッポンで走っているが、オーバルコースは初めて。今日の予選は、重要な第3ターンを攻めきれなかったのがつらかった。多くのファンの声援に応えるためにも、明日は頑張る」