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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第4戦 ナザレス【予選】レポート

<US-RACING>
■ルーキーのジュンケイラが4戦目で初ポール獲得。モントーヤと同様の展開に

雨のために朝のプラクティスセッションが途中で中止となり、その後も降ったり止んだりしていたが徐々に路面がドライコンディションに回復。1時半スタートのクオリファイは若干遅れ、1時38分にグリーンフラッグとなった。気温は18度と、朝と同様相変わらず肌寒いコンディションが続いている。

ポイント順でスタートする今年のシングルカークオリファイ、この日1番目にタイムアタックに入ったのはザナルディで、セカンドラップに20.505秒を記録。続いてナザレスのレコードホルダーで、テキサスでの予選では2番手に入っているカーパンティエ。しかし今回は思ったようなタイムアップができずに20.549秒に終わってしまう。

次に唯一のフェニックス(イルモア)エンジンユーザーでルーキーのウィルソンがコースイン。しかし1ラップだけタイムアタックし、21.117秒を記録した時点でピットへ戻り、マシンを止めてしまう。

依然ザナルディが暫定ポールの中、コースインしたフィッティパルディが20.406秒をマーク。予選最上位の座が入れ替わった。この次に登場したタグリアーニは20.459秒で2番手に入ったかと思えば、現在唯一のチームオーナー兼ドライバーであるフェルナンデスが1stラップで20.059秒を記録し、暫定ポールの座をフィッティパルディから奪い取ることに成功する。

雨で路面のコンディションが変わったせいか、未だに20秒を切るドライバーが出ない状況の中、タイムアタックに入ったセルビアが初めて19.996秒を記録。予選はようやく19秒台への戦いへと突入する。その後、昨日から目覚しい活躍を見せているジョルダインJr.がセカンドラップに19.950秒を出してトップポジションへ。

前戦のテキサスで予選5位を獲得し、日本人の予選ポジション記録を更新した中野がタイムアタック。これまでのタイムを約0.8秒もアップする20.455秒をマークし、この時点で暫定5番手に収まった。

昨日からまったくクラッシュが無いままスケジュールが消化されてきたが、タイムアタックに入ったパピスがフロントストレート手前で大スピンを演じ、あわや激突寸前で何とか建て直す。パピスはいったんピットへと戻り、すべてのドライバーがタイムアタックを終了した後に与えられる1ラップのみのチャンスに望みを託すことになった。

2時9分にコースはグリーンとなり、クオリファイ再開。モレノが予選に挑み、暫定4番手となる20.353秒を記録。次にコースインした高木は20.414秒で暫定6番グリッドだ。テキサスでは久々のオーバルにも関わらず予選4番手を獲得しているハータは、20.064秒を出して暫定4番手。

ここで、金曜日のプラクティスのファステストドライバーである注目のジュンケイラが登場。周囲の期待を裏切らない走りを披露したジュンケイラは、19.700秒を叩き出してトップに躍進。2回目のシングルカークオリファイでも臆することなく、堂々たる走りをみせた。

チップ・ガナッシのドライバー選択は正しかったか、同じ国際F3000出身のミナシアンがチームメイトのジュンケイラに次いで出走したが、ターン2付近でコンクリートウォールに激しくクラッシュ。マシンはエンジン付近から出火しながらバックストレッチ付近でようやく止まる。ドライバーの状態が心配されるなか、幸いにもミナシアンは自力でマシンを脱出。ケガはなかったもののノータイムとなってしまった。

17分間の中断を挟んだ2時41分、整備が終わったコースは再びグリーンとなりタイムアタックが開始される。まずコースインしたのはテキサスで好調な走りを見せたカナーン。しかし晴れ間が出てきて気温が上がり始めたせいか、20秒を切ることが出来ず20.187秒で暫定6位。続くフランキッティも20.201秒と奮わない結果に終わった。

次に登場したのは朝のプラクティスでトップタイムを記録しているブレック。3回目のポールポジションが期待されたが、ジュンケイラに一歩及ばず19.738秒。現在予選暫定2位で、このままいけば4戦連続フロントロウ獲得となる。

予選も大詰めを迎え、地元ナザレスの期待を一手に背負うアンドレッティが登場。タイムアタックに入るが20.205秒と暫定9位止まり。だがアンドレッティにとって予選の順位はそれほど関係なく、決勝でどれだけ追い上げるか楽しみだ。

依然としてジュンケイラが暫定ポールをキープする中、続くバッサーは20.191秒、トレイシーは20.148秒、そしてロングビーチ戦ウイナーのカストロネベスは20.007秒と、ジュンケイラを除くトヨタ&ホンダユーザーは20秒を切ることができない状況が続く。

さらに2000年チャンプのド・フェランが20.319秒、開幕戦ウイナーでポイントリーダーのダ・マッタは20.162秒に終わり、やはり19秒台には届かず。1ラップチャンスに挑むパピスが最後にタイムアタックしたが20.297秒という結果に終わり、結局国際F3000チャンプでブラジル期待のルーキー、ジュンケイラが参戦4戦目で初ポールポジションを獲得。2位はブレックが入って4戦連続のフロントローを決めた。

期待の日本勢は最終的に高木が18番手、中野が19番手に終わる。決勝レースでの粘り強い走りを期待したいところだ。

エンジンマニュファクチャラー別ではトヨタエンジンが今シーズン初のポールポジション獲得。今回は4台がトップ10入りとなったフォードは2〜4位と7番グリッド。5〜6位と8位、10位にホンダが入り、9番手にトヨタが入る結果となった。この予選で20秒の壁を破ることが出来たのはジュンケイラのトヨタエンジン1台と、2〜4位に入ったフォードエンジン3台のみ。ホンダエンジンはカストロネベスの20.007秒が最高タイムとなっている。またシャシー別ではローラが1〜4位と予選上位を独占し、9番手も確保。レイナードは5〜8位、10番グリッドを得るなど台数の上ではイーブンとしたが、依然ローラ勢の強さが目立つ。

ここナザレスではかつてチップ・ガナッシに所属していたモントーヤがルーキーの年(1999年)にポールトゥフィニッシュを飾っており、今回のジュンケイラのポール獲得はチームにとっても非常に幸先のいい展開といえるだろう。また今シーズン初勝利の大きなチャンス到来といえるだけに、ジュンケイラには大きな期待が寄せられるところだ。225周を争うことになる決勝レースは、現地時間の午後1時にスタートする。