<US-RACING>
■昨年のルーキーオブザイヤー、ケニー・ブレックが緒戦で初ポールポジションを獲得
昨日の快晴から一転して曇り空となったメキシコ・モンテレイのファンディドラ・パーク。9万人もの観客が集まったコースは、昼頃から徐々に晴れ間が見え始め、気温24度、トラック温度41度というまずまずのコンディションの中、21世紀最初の予選セッションがスタートされた。
今回の予選セッションは昨年の最後のロード/ストリートコースだったオーストラリアの上位2人と、シリーズ・ポイントの上位陣がグループ2で後半に走り、前半はそれ以外のドライバーに6人のルーキーが加わったグループ1が午後1時46分からアタックを開始。1時51分の時点でカナーンが78.409秒のタイムをマーク、これにディクソンの78.901秒、ミナシアンの79.458秒と続く。
1時56分、今シーズンからフェルナンデス・レーシングに移籍し、心機一転を図る中野が6周目にマシンをスライドさせ、バランスを失いながらタイヤバリアに突っ込んでしまう。これでコースは一時レッドフラッグとなった。中野にケガはなかったが、CARTの予選ルールによって8分間のペナルティが与えられ、予選でのポジションアップの機会を失ってしまうことに。
その後、2時4分にグリーンフラッグとなり、セッションが再開。残り10分となった2時6分の時点で暫定ポールはカナーンの76.947秒、これに今年からザクスピード/フォーサイスよりエントリーしているハータの77.137秒、ディクソンの77.430秒と続くが、2時11分にグージェルミンが77.371秒のタイムをマークして暫定3位に浮上。上位2人のポジションは依然として変わらない。
2時12分、チップ・ガナッシのルーキー、ジュンケイラがターン10と11の間でコントロールを失いコースアウト、フロントウィングにダメージを与える。シュンケイラはすぐにピットへ戻るがタイムロスは避けられず、残り少なくなったセッションでポジションアップのチャンスを失ってしまう。
そして2時16分、グループ1の予選セッションがチェッカードフラッグ。この時点での暫定ポールは今年ホンダエンジンに戻ったカナーンの76.647秒、これにタグリアーニの76.716秒、ディクソンの76.826秒(ルーキー最上位)と続く。高木は78.991秒のタイムで予選を終えた。
グループ1の予選終了から15分の間隔を置いて、グループ2のタイムアタックが開始、2時37分にグリーンとなる。
グループ2で最初にタイムアタックに入ったのはパピスだった。パピスはコースイン2ラップ目に77.647秒をマークして暫定9位に入る。さらに新チームのシグマ・レーシングからエントリーのセルビアがコースイン、78.918秒で暫定13位につけた。
ここで昨シーズンのチャンピオン、ド・フェランが2時42分にコースイン。この日最初のタイムアタックに入る。最初のタイムアタックでは78.988秒とあまりパッとしないタイムに終わったド・フェランだが、2分後にはなんと一気に3秒以上も縮める75.778秒を叩き出して、この日のファステストラップを記録。これによりド・フェランは暫定ポールの座をカナーンから奪い取った。
2時44分、今シーズンからチーム・モトローラでホンダ・パワーを手に入れたアンドレッティがタイムアタックを開始。しかしアンドレッティはターン11でスピンを喫してしまう。その2分後、今度はトレイシーがターン1でスピン。両者ともマシンにダメージはなく、すぐにコースへと復帰した。
グループ2の予選セッションが開始されて10分後の2時47分、今年から名門のニューマン/ハースに移籍したダ・マッタがド・フェランを上回る75.439秒というタイムを叩き出し、暫定ポールの座は再び入れ替わることに。
セッションも終盤に入る3時ちょうど、トレイシーはマシンのセッティングが決まっていないようで、ターン11で再びスピン。トレイシーはなかなかタイムアップを図ることが出来ずに、フラストレーションの溜まるタイムアタックとなっているようだ。
チェッカーまで残り5分、予選セッション開始から25分が経過した3時2分の時点で、暫定ポールは依然としてダ・マッタ、これにド・フェランが続いている。
ところがその直後、3時3分に昨シーズンのルーキー・オブ・ザ・イヤーであるブレックがここまでのファステストラップである75.244秒というスーパータイムをマークして、暫定ポールの座はセッション大詰めでまたもや入れ替わることになった。
結局、その後誰もブレックのタイムを破ることなく3時7分にチェッカーとなり、ブレックはCARTで初めてのポールポジションを獲得、21世紀初めてのポール・ウイナーとなった。イギリスから駆けつけたオーナー、F1のジャガー・レーシングを率いるレイホールも今週はメキシコを訪れており、大喜びしていた姿が印象的だ。
気になる日本人勢は、相変わらずセットアップがうまく決まらず、苦戦している高木が25番グリッド。予選を走るチャンスを失った中野が27番グリッドという結果に終わり、後方からのスタートとなってしまったが、決勝レースでの粘り強い走りを期待したいところ。
エンジンメーカー別に予選結果を見ると、予選トップに輝いたのはフォード、続いて2位にトヨタ、3、4、5位にホンダが入っており、決勝レースのエンジンバトルも見逃せない。またシャシー・コンストラクター別ではローラがトップ10の1、2、8位を獲得、それ以外がレイナードとなっている。今回ワンツーを獲得したローラのロードコースにおける熟成はかなり進んでいるようだ。果たして決勝はどうか?
決勝レースは現地時間の午後3時、いよいよ21世紀最初のレースがスタートする。