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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第16戦 ラグナ・セカ【決勝】レポート

<US-RACING>
決勝レース当日は快晴で気温20度、路面温度35度というレースコンディションの中、午後12時にグリーンフラッグ。83ラップを争う今シーズン最後のロードコースレースの幕が切って落とされた。

フロントロウからスタートしたカストロネベスとド・フェランのチーム・ペンスキーのコンビは序盤から快調に飛ばし、ワン・ツーをしっかりとキープ。これに3番グリッドからスタートしたフランキッティと、ホンダ勢が予選順位のままトップ3を形勢。

その後方ではモントーヤがオープニングラップで4番グリッドからスタートしていたハータをパスして4位に浮上、序盤はこのオーダーのままレースが展開されていく。トップを走るカストロネベスは、2位のド・フェラン以下をラップごとに引き離し、一時は3秒近くのリードを奪うなど絶好調だ。

イエローコーションがないまま、各マシンが27周目あたりからこの日1回目のピットストップを開始。この時3位につけていたフランキッティが、トップグループの先陣を切って27周目にピットへ。続いてカストロネベス、ド・フェラン、モントーヤが続々とピットイン。

このピットでカストロネベスはトップを維持するものの、素早い作業を見せたチップ・ガナッシによってモントーヤが2番手へ浮上。ド・フェランは3位へ、フランキッティは4位へと順位が入れ替わり、ハータは5番手のままレースは中盤を迎えた。モントーヤとカストロネベスのバトルが始まるのか、いっきに注目が集まる。

レースも折り返し点を過ぎた47周目、モレノとタグリアーニがスピンし、コースアウトしたため、この日初めてのイエローコーションとなった。これでトップグループは2回目の給油とタイヤ交換のために続々とピットイン、各マシンが入り乱れるスリリングなピットストップバトルが展開。

このピットインでカストロネベスはトップのままピットアウト。ところがモントーヤのマシンはエアジャッキが壊れ、痛恨のタイムロス。コースに復帰したときはすでに8位までポジションを落としてしまう。ド・フェラン、フランキッティが再び2位と3位に上がり、このイエローコーションでピットを行っていなかったアンドレッティが4位へとポジションアップ。

しかし、この日2回のピットストップ作戦でレースに挑んでいたアンドレッティにとって、この7ラップににも渡る“ラグナ・セカ史上最長のイエローコーション”は、まったくの予想外の出来事だった。この日アンドレッティとチームは、ホンダ勢を中心とするトップグループはもう一度給油をすると目論んでいたのである。

この長いイエローコーションによって燃料をセーブすることができたトップグループは、フィニッシュまでピットインする必要が無くなってしまった。これでイエローの時に2回目のピットを行っていなかったランキングトップのアンドレッティは、60周目で給油のためにピットインを余儀なくされ、15位までポジションを落としてしまった。

トップを行くカストロネベスは周回遅れを巧みにかわし、快調にトップを堅持。ド・フェラン、フランキッティもこの日のカストロネベスには追いつくことができず、結局、この順位のままゴール。カストロネベスは前戦のウイナー、ポール・トレイシーに続いて2人目の今シーズン3勝目を挙げたドライバーとなった。

また、ド・フェランが2位に入った事でペンスキーコンビによる、ミド−オハイオ戦以来2度目のワンツーフィニッシュとなる。さらにフランキッティが連続表彰台を獲得し、ホンダにとって今シーズン初のワンツースリーが実現。4位はこのレースで久しぶりに復活したハータが入り、ラグナ・セカ・マイスターの本領発揮となった。日本期待の中野信治はエキゾースト・トラブルのため、早々にリタイアとなってしまう。

チャンピオンシップ争いのために何としても上位入賞したかったアンドレッティは、この日14位でフィニッシュ、ノーポイントに終わってしまう。このため今日2位でフィニッシュし、16ポイントを獲得したド・フェランが、ポイントスタンディングスでアンドレッティを抜き6ポイント差でトップ立つ。今年5人目のポイントリーダーの誕生だ。

総合ポイントで2位に後退してしまったアンドレッティの下には、4ポイント差でトレイシー(今日のレースを11位でフィニッシュ)、さらに3ポイント差でフェルナンデスがつけており、相変わらずの僅差。

さらにエンジン別に上位の結果を見ると、ホンダが表彰台を独占して4連勝。フォードが4〜5位、トヨタが6、8位、メルセデスは7位が最高位という結果に終わった。今回ホンダはポールポジションと最多リードラップでそれぞれ1点ずつの2点に、優勝の20ポイントを加えた22ポイントの最大得点を獲得。

その結果、マニュファクチャラーポイントにおいて、レース前まで9ポイント差でリードしていたフォードを抜いてホンダがトップに躍進。しかしながら2位フォードとの差はわずか1ポイントであり、オーバルとロードコースが2戦ずつとなる残り4戦でホンダはトップを維持することができるだろうか。

シーズン終盤戦に来て各タイトル争いが俄然おもしろくなってきたFedExチャンピオンシップシリーズ。次回のレースは9月17日にイリノイ州のゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイで開催される“Motorola 300”。加熱する各チーム、ドライバー、そしてエンジンマニュファクチャラーの戦いはこれからクライマックスに突入だ!

●優勝したエリオ・カストロネベスのコメント
今日のレースはものすごくノレているレースだった。スタート直後から、イエローの少ない、とても速いレースになる気がしたよ。ポートランドでの苦い経験から、とにかく燃料をセーブするように心掛けた。2度目のピットストップのあと、チームから無線で『このまま最後まで給油なしで行くぞ!』と言われた時、正直言って、そりゃ無理だ、と思ったよ。でもそのままチームの指示通り、無理をせず走行を続けた。余裕を持って走ることができたので、ライバルの動きはもちろん、観客やカメラスタッフの姿もはっきりと見えるぐらい調子がよかった。

●2位に入賞したジル・ド・フェランのコメント
絶好調のエリオには届かなかったけど、それでもすばらしい一日だったといえるだろう。最初のピットストップでジョルダインJr.に行く手を遮られてしまったため、急ブレーキをかける羽目になってしまい、順位を落としてしまった。それに2回目のストップでも、危うくダリオ(D.フランキッティ)と絡みそうになった。それでもワン・ツーフィニッシュできたし、ポイントリーダーにもなれた。文句は無いよ。あと4戦、出来れば1〜2勝はしたいね。とにかくこれからも奢ることなく、チームと共にベストを尽くすだけだ。

●3位に入賞したダリオ・フランキッティのコメント
スタート直後はハプニングもなく、ジル(G.ド・フェラン)をパスすることも出来そうだった。でも昨年グレッグ(故G.ムーア)と絡んでしまった経験から、無理をせず、様子を見たんだ。ここはオーバーテイクが難しいコースだからね。最初のピットストップではファン(J.モントーヤ)に先を超されるし、2度目は(記者会見で隣に座ったド・フェランを指して)ここにいるフレンドに前をさえぎられるしで、なかなか思うような展開にならなかった。でもホンダエンジンの燃費の良さから、表彰台に上ることも出来た。まあこの雪辱は、次回のセントルイスで晴らすことにするよ。