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CARTチャンピオンシップ・シリーズ 第6戦 ミルウォーキー【プラクティス2】レポート

<US-RACING>
ナザレスの1マイルオーバル覇者、ジル・ド・フェランが残り5分でトップ逆転

午後になって、ターン4からターン2への風が時折、強く吹くようになった。 気温は22度まで上がったが、陽が陰ると体感的には午前中より寒いくらいである。

午後2時45分、グリーンフラッグが振られ、全マシンが一斉にコースイン。 ところがゼッケン19、黒澤琢弥のマシンが走ってこない。なんと黒澤は朝のプラクティス終了後、前戦ナザレスのクラッシュの後遺症により、体調がすぐれないためにドクターストップ。ミルウォーキーのレースはあきらめ、 デトロイトで再起をかけることになった。

長時間に渡って高速コーナーが続くミルウォーキーは、ドライバーへの横Gも 相当なものである。残念な決定ではあるが、黒澤にとっては未だ不慣れな ショートオーバルで無理をするよりも、体調を整え、リードラップを記録した ロングビーチと同じ市街地コース、デトロイトで再び活躍して欲しい。 ここは次戦、デトロイトでの黒澤琢弥の激走を期待することにしよう。

さて、全23台のマシンが一緒に走る2回目のプラクティスだが、やはり強風の ためか、なかなか午前中のタイムを上回ることができない。10分経過時点では、 パトリック・カーパンティエの21秒684(午前中のトップタイムはファン・ モントーヤの21秒602)がトップである。

プラクティス開始から20分過ぎにケニー・ブレックが21秒683、50分過ぎに なってトニー・カナーンが21秒660とわずかにトップタイムを更新するが、 それでも午前中のトップタイムは上回れない。

そして1時間30分のプラクティスが残り30分となったとき、それまでバック アップカーでセッティングをつめていたマイケル・アンドレッティが、 プライマリーカーに乗り替えタイムアタック。果敢に攻めて4周目に21秒404と 今日一番のタイムをたたき出し、トップとなった。さらにポール・トレイシーも このプラクティス、自身47周目に21秒588をマークし、アンドレッティに続く。

残り15分、ショートオーバルを得意とするエリオ・カストロネベスが115周目に 21秒449までタイムを縮め、2位に飛び込む。これでアンドレッティに次いで 2人目の21.4秒台だ。

アンドレッティが暫定トップかと思われた終了間際、残り5分を切ったところで 前戦ナザレスの覇者、ジル・ド・フェランがウォールギリギリに迫る迫力の アタックを敢行。見事、21秒389と唯一21.3秒台をマークし、2回目のプラクティスの トップ、そして初日金曜日の総合トップとなった。2位はアンドレッティ、3位は ド・フェランのチームメイト、カストロネベスである。

中野信治はアンダーステアに悩まされ、なかなかタイムが縮まらない。30分過ぎに 22秒570をマークし、午前中のタイムを上回るものの、上位陣に並ぶには22秒を 切る必要がある。繰り返しピットに入って、足回り、ウイングなどセットアップして タイムアタックに出るもうまく結果につながらない。結局、このプラクティス中 5番目の最多周回となる96周も走ったが、87周目に出した22秒494がベストタイム となり、金曜日の総合で22位という結果になった。

土曜、日曜日ともに今週末は天候が不安定で、雨の可能性が高いというが、 果たしてどうなるか。明日は午前9時30分に最終プラクティスがスタートする。