<US-RACING>
CARTシリーズ第6戦ミルウォーキーは、現在のシリーズ戦の中で、最も古くから 行なわれているレースだ。比較的フラットで幅広い1マイル・オーバルコースの “ミルウォーキー・マイル”で行なわれる“Miller Lite 225”はシンプルな コースレイアウトながら毎回エキサイティングなレースが展開され、見るものを 飽きさせない。
2000年シーズン開幕以来、ここまでの5戦を見ると、未だ2勝したドライバーはいない。 また、必ずしも予選順位がレース結果に反映されていないということもあり、今週末の “Miller lite 225”のウイナーを予想するのはなかなか難しい。
99年のシリーズを制したファン・モントーヤは昨年の第3戦、第4戦と連勝し、チャン ピオン街道を進んでいった。今年モントーヤは合計766周のレースの内、実に303周を リード、先週末スポット参戦したIRL戦の“インディ500”でも200周のうち167周を リードして優勝を飾っているが、CART戦ではまだ勝利を挙げていない。
過去のデータを見る限りでは、最も多くのミルウォーキー戦を制しているマイケル・ アンドレッティ(86、87、91、92、96年のウイナー)が最有力候補というとになる。 アンドレッティは、第5戦の“もてぎ”で優勝し、今シーズン1勝を挙げている。
近年で見ると、ロングビーチで1勝し、現在ポイントリーダーのポール・トレイシーが 95年と昨99年にこのミルウォーキーで優勝しており、こちらも強力な優勝候補だ。 トレイシーに次いでポイント2位のジミー・バッサーは今シーズン未勝利だが、彼も 98年のミルウォーキーで優勝経験があり、オーバルでのポイント獲得数も高い。
99年のシーズン終了後、チーム・マールボロ・ペンスキーに移籍したジル・ド・ フェランも今年のオーバル戦では安定してポイントを獲得している。ド・フェランは、 悪天候のため先週の土曜日に決勝レースが延期となった第2戦のナザレスで優勝を 飾ったばかりで、こちらも目が離せない存在だ。
そのド・フェランと並ぶ42ポイントで現在シリーズランキング4位に付けるロベルト・ モレノは、先週のナザレスで終盤2位を走行中、パンクしたタイヤのためにクラッシュ。 惜しくも入賞を逃しているが、最近行なわれたミルウォーキーでの合同テストでは トップタイムをマーク。今週末のレースでは何らかの形でトップ争いに絡んでくる 可能性が高い。
ほかにはクリスチャン・フィッティパルディ、マウリシオ・グージェルミン、 パトリック・カーパンティエらに加え、ルーキードライバーのケニー・ブレック とアレックス・タグリアーニも優勝争いに加わることが考えられる。そして開幕戦の ホームステッドでは、初めてのオーバル戦ながら8位入賞を果たした中野信治にも 期待が持てる。 “Miller Lite 225”の決勝レースは6月4日(日)、アメリカ中部時間の午後3時に スタートする。