<Honda>
■開催日 : 3月21日(土)
■開催地 : フロリダ州セブリング
■サーキット : セブリング・インターナショナル・レースウェイ
■コース全長 : 5.955km
2009年シーズンのアメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)開幕戦となる第57回セブリング12時間レースが開催され、#15 ロウズ・アキュラを駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)が総合優勝目前の素晴らしい走りで、LMP2クラスにおいて初優勝を飾った。アキュラにとって、LMP2クラス8度目の優勝となり、2007年に次ぐ、2度目のセブリングでの勝利となった。
ディアスがアキュラARX-01b LMP2でスタートを切り、序盤の3時間に大きなアドバンテージを奪う走りを見せた。その後、フェルナンデスにマシンを託し、彼もまた後続マシンとの差を守り、1周3.7マイルのサーキットを360周し、総合4位でフィニッシュした。
一方、LMP1クラスにおいて、ド・フェラン・モータースポーツとパトロン・ハイクロフト・レーシングの新型アキュラARX-02a LMP1プロトタイプマシンがデビュー戦を飾った。木曜日の予選において、#66ド・フェランXMサテライト・ラジオ・アキュラを駆る、スコット・ディクソン(ド・フェラン・モータースポーツ)がアウディとプジョーを寄せつけず、ポールポジションを獲得。12時間耐久レースのタイトル獲得を予感させるディクソンのポールポジション奪取に、セブリングの観客席は騒然となった。
21日(土)の決勝レースで、スコット・ディクソン/ジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ組はアウディとプジョーに挑んだが、フロントサスペンションのトラブルにより、8時間を経過したところでリタイヤを余儀なくされた。また、#9パトロン・ハイクロフト・アキュラを駆るデイビッド・ブラバム/ダリオ・フランキッティ/スコット・シャープ組(パトロン・ハイクロフト・レーシング)はレース開始から10時間の時点で総合5位につけていたものの、トランスミッションの不具合によりリタイヤを喫した。結果として、2台の新型アキュラARX-02a LMP1プロトタイプマシンは12時間の耐久レースで素晴らしい走りを披露したものの、早い段階で戦線離脱する結果となった。
最終的に、LMP1クラスのアラン・マクニッシュ/リナルド・カペロ/トム・クリステンセン組(アウディ)が2009年ALMSシリーズ開幕戦において総合優勝を飾った。
第2戦は、4月4日(土)にフロリダ州セント・ピーターズバーグで開催される。
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス優勝(総合4位)
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「作戦通りの素晴らしいレースだった。スタッフは完璧な仕事をしてくれ、ルイスは最高の走りだった。昨シーズンのセブリングでは体調が優れず、厳しいレースを強いられたが今年は違った。個人的にも最高のコンディションで、チームとしてレースを通じて良い走りができた。ついに表彰台を獲得でき、とても嬉しい。セブリングでの勝利まであとわずかだった。」
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「マツダのマシンとレース序盤で競り、インサイドポジションにつけリードを奪った。その後、力強い走りで一貫してペースを守った。マシンのコンディションは終始素晴らしかった。セブリングでの勝利は、チームにとってシリーズ初勝利でもあり、とても興奮している。最後まで作戦に忠実に従った。最高のシーズンスタートを切ることができた」
■ハイクロフト・レーシング:リタイヤ
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「レースをリードするための準備が十分ではなかった。混戦の多いレース序盤では思い通りのレース展開だった。我々は日々学んでおり、今日は実りある経験ができた。マシンのセットアップに関して、何をすべきかが明確になった。新型アキュラは多くの可能性を秘めていると確信している。」
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「トップ5でのフィニッシュが運命づけられていると思った。10時間が経過した時点で不具合によってリタイヤを余儀なくされたが、新型アキュラは多くの潜在能力を秘めていると確信しており、ポールポジション獲得とレースでの力強い走りを見せつけ、新型マシンの素晴らしいデビュー戦だった。次戦のセント・ピーターズバーグに照準を合わせ、勝利を目指したい。」
ダリオ・フランキッティ(Dario Franchitti)
「最初のスティント時、背中の古傷が原因で痙攣を負い、ブレーキ操作がままならなかった。冷却タイヤで対処し、衝突することはなかった。偉大な歴史を誇るこのセブリングでのレースをとても楽しみにしていた。チームスタッフは新型アキュラの調整に尽力してくれた。今後改良を重ね、更に素晴らしいマシンになるだろう」
■ド・フェラン・モータースポーツ:リタイヤ
サイモン・ペジノ(Simon Pagenaud)
「早い段階でリタイヤを喫したが、セブリングでの8時間の走りはこの新型マシンにとって良いスタートとなった。チームスタッフにとって苦心が続いた1週間だったが、素晴らしい仕事をしてくれた。ターボマシンに対して直線でのスピードにおいて不利だったが、予選でのポールポジション獲得はマシンの潜在能力を証明した。また、大きなフロントタイヤを有すマシンデザインが的を得ていることを実証した。まだ初戦を終えたばかりであり、今後のシーズンを通しての新型アキュラの向上を楽しみにしている。ドライバーにとって楽しくもあり、タフなレースだが、我々はベストを尽くした。」
ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「チェッカードフラッグを受けられなかったことはやや残念だが、今日の走りには満足している。アキュラが最もハンドリングの優れているマシンであることを証明できた。レースが進むにつれ、路面にも慣れ、予期していなかった数回のピットストップを行うまで、毎周リードラップを記録していた。サイモン、スコットと共に予選時同様、ベストを尽くし、レースを楽しんだ。セブリングでのレースを通じ、新型マシンに対してポジティブな印象を持った。更に素晴らしいマシンに改良されていくだろう。チームはマシンとレースから多くを学んだ。次戦に向けて調整していく」
スコット・ディクソン(Scott Dixon)
「トップ集団に食い下がることは至難の業だった。レースが進行するにつれ、路面の状況は改善され、レース中盤、我々はよいラップを刻んだ。よい結果を期待させるレース展開だったが、直線コースでのスピードとコーナリングの勢いでアウディやプジョーに及ばなかった。しかし、新型マシンのデビューという点では、素晴らしい走りができたと思う」