<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第11戦ラグナセカ
■開催日 : 10月18日(土)
■開催地 : カリフォルニア州モントレー
■サーキット : ラグナセカ
■コース全長 : 3.6km
アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)の今季最終戦が18日(土)にラグナセカで開催され、#26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を駆るトニー・カナーン/フランク・モンタニー組と#66 パナソニックELSサラウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)を駆るサイモン・ペジノ/ジル・ド・フェラン組がLMP2クラスにおいて1-2フィニッシュを飾った。
2004年のIndyCarシリーズチャンピオンで、昨年のセブリング12時間耐久レースの覇者でもあるカナーンは、112周目に総合トップのポジションにつけ、145周目にチェッカーフラッグが振られるまで数度ペジノと順位を入れ替える展開となった。4時間に及んだレースの残り1時間は優位に立ち、ALMS史上稀な0.54秒という僅差でペジノを振り切り、LMP2クラス優勝を果たした。
一方、レース序盤に20周以上総合1位を守りきったド・フェランからマシンを託されたペジノは、残り92周を走り、カナーンとドラマティックな接近戦を繰り広げ、LMP2クラス2位表彰台を獲得。世界レベルの有望なドライバーであることを証明した。カナーンはLMP1クラスのエマニュエル・ピロ(アウディ)とも度重なる接近戦を繰り広げながら、トップを猛追したが、ピロがレース終盤にカナーンをつき離した。
ファステストラップは、チームのALMS初優勝を目指していた#15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るエイドリアン・フェルナンデスが記録した。フェルナンデスは残り1時間でカナーンとペジノとトップをかけて争ったが、最後のピットストップで電気系トラブルが発生し、結果的にクラス7位でフィニッシュした。
ポールポジションからのスタートを切った#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆るスコット・シャープ/デイビッド・ブラバム組は、レース序盤は首位を守ったが、パワーステアリングにトラブルが発生し、度重なるピット作業に時間を要した。レース終盤にブラバムが一時ファステストラップを記録したものの、メカニカルトラブルにより、トップグループから6周遅れのLMP2クラス9位フィニッシュとなった。
LMP2クラス優勝はアキュラにとって今季6度目となり、今季のクラス最高成績を収めたが、LMP2クラスのマニュファクチャラーズタイトル争いにおいて、エンジン部門、シャシー部門共に1ポイント差でポルシェに及ばなかった。アキュラのALMS参戦2年目は、ライムロックとデトロイトでの2度の総合優勝を含む、6度のLMP2クラス優勝と4度のポールポジション獲得によって、実り多い素晴らしいシーズンとなった。2009年シーズンのアキュラは、ド・フェラン・モータースポーツとパトロン・ハイクロフト・レーシングがLMP1クラスに参戦し、ロウズ・フェルナンデス・レーシングが引き続きLMP2クラスに参戦する。
■アンドレッティ・グリーン・レーシング: LMP2クラス優勝(総合3位)
トニー・カナーン(Tony Kanaan)
「1996年のインディ・ライツにおいてアメリカのレースで初優勝を飾ったのがラグナセカで、とても特別な場所だ。今日のレースは、最も満足のいくレースの1つになった。サイモンとのバトルは、IndyCarのレースに引けを取らない内容だった。サイモンはフェアな走りで、数回逆転された。プロトタイプのマシンで走ることができてとても嬉しく、今日の勝利は感動した。フランクとのタッグは相性抜群だったと思う。ラグナセカでまた優勝できたことが本当に嬉しい」
フランク・モンタニー(Franck Montagny)
「シーズンを終えるにふさわしいレースになった。前戦プチルマンでの終盤のトラブルさえなければ、今季最後の3戦で勝利を飾ることができた。ハイレベルで素晴らしいマシンと競うことができるALMS参戦は自分自身にとってとても有意義だ。トニーと組めたことも嬉しかった。彼はプロであり、レース終盤の走りは素晴らしかった。エキサイティングなレースだった」
■ド・フェラン・モータースポーツ:LMP2クラス2位(総合4位)
サイモン・ペジノ(Simon Pagenaud)
「トニーと私にとって素晴らしいレースだった。互いに2度抜き合ったと思う。接近戦が多かったが、完全にフェアなレースだった。勝てるマシンだったが、トニーの素晴らしい走りに一歩及ばなかった。レースには満足している。ファンも我々のバトルを楽しんでくれていたら嬉しい」
ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「チームをとても誇りに思う。レース終盤のチームを評価してほしい。とても好きなコースを調整されたマシンで走ることができ、満足している。タイヤの選択もよかった。自分のスティントはトップを走ることができ、素晴らしかったと思う。何よりチームの素晴らしさはトニーと互角の走りを見せたサイモンのパフォーマンスに表れていただろう。我々の最初のシーズンにふさわしい素晴らしい締めくくりができた」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス7位(総合9位)
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「我々の今季の典型的なレースだった。ファステストラップを記録しようと、スピードがあろうと関係ない。最終的に他のマシンよりもトラブルが少なかったチームが勝利する。我々はすでに2009年シーズンに向けてスタートしており、1月にはテスト走行を開始する予定だ。来年こそ我々の年になるはずだ」
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「タフなレースだった。タイヤの選択は間違っていなかったが、自分の最初のスティントでのハンドリングが思うようにいかなかった。エイドリアンのスティントに合わせて調整し、マシンはスピードを取り戻した。勝てるマシンだったが、今日も不運に見舞われた。2009年シーズンに向けて調整していく」
■ハイクロフト・レーシング: LMP2クラス9位(総合15位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「スタート時、マシンの調子はとてもよかった。第2コーナーでジルが素晴らしい走りを見せたが、彼を引き離すことに成功した。タイヤ空気圧がやや低く、我々のマシンは少しずつ路面をとらえなくなり、ジルが第6コーナーで私を抜き去った。低いタイヤ圧が原因で、マシンは本来のコンディションではなくなっていた。数台のマシンは同じようなトラブルがレース序盤に起こっていたと思う。スコットに起きたステアリングトラブルにチームは悩まされたが、最終的にマシンはとても速くなった。全体としては、よいシーズンだった」
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「デイビッドの走りは素晴らしかった。しかし、ステアリングの何かがおかしかった。パワーステアリングを失い、トラックで走っているようでとても操縦が難しかった。数回ピットインし、チームがパワーステアリングボックスとの連結が緩んでいたのを発見した。マシンは他のアキュラのマシンやポルシェと競えるスピードがあっただけにとても不運だった。アキュラのマニュファクチャラーズタイトル獲得に貢献したかった」