<Honda>
アメリカン・ルマン・シリーズ第7戦ロードアメリカ
■開催日 : 8月9日(土)
■開催地 : ウィスコンシン州エルクハートレイク
■サーキット : ロードアメリカ
■コース全長 : 6.5km
アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)全11戦中の第7戦ジェネラック500が9日(土)にロードアメリカで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆るデイビッド・ブラバム/スコット・シャープ組が、LMP2クラスで3度目の優勝を飾った。
4時間に及ぶレース終盤、チームオーナーのダンカン・デイトンとチームマネージャーのロブ・ヒルによるイエローコーション時の素早い給油作戦が功を奏すとともに、一流のドライブテクニックを持つブラバムは、チェッカードフラッグに向け最後まで勢いのある走りを披露した。
この勝利によって、ブラバム/シャープ組は、現在LMP2クラスのポイントスタンディングトップで、2位フィニッシュを飾ったティモ・バーンハード/ロマン・デュマ組(ペンスキー・ポルシェ)とのポイント差をつめた。
#26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)を駆るフランク・モンターニュ/ジェームズ・ロシター組は、前日に行われた予選でALMS初のポールポジションを獲得したモンターニュが、昨年のセブリング以来となる今季初勝利を目指し、トップ集団でレースを展開。残り15分でLMP2クラスをリードしていたブラバムをパスする素晴らしい走りを見せたが、GTマシンに追突されコーナー外の砂地にはじき出された。なお、ロシターにとってはXMアキュラチームでの初レースだった。
#15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るルイス・ディアス/エイドリアン・フェルナンデス組は、ディアスがレース序盤に力強い走りを見せ、その後フェルナンデスもブラバムに次ぐ2番手を走行していたが、リアサスペンションに不具合が生じ、第3コーナーでコースアウトを余儀なくされた。
こうして2台のアキュラチームは、レース残り30分までブラバム/シャープ組と競っていたが、モンターニュとフェルナンデスがそれぞれ不運に見舞われ、トップ争いから後退することとなった。
#66 パナソニックELSサラウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)を駆るジル・ド・フェラン/サイモン・ペジノ組もまた、勝利を狙うレースを展開していた。ド・フェランがコース上でのトラブルにより頻繁にピットインする状況下で先頭集団から8周差がついたが、レース後半ペジノがトップ集団と競るラップタイムを記録し、LMP2クラス8位でフィニッシュした。
■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス優勝(総合3位)
デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「チームの戦術は素晴らしかった。今日のレースでは全てのアキュラが速さを証明し、ポルシェとアウディと競った。イエローコーション時に給油のためピットインした後に続いて、全てのマシンが給油を行った。我々の戦術が功を奏し優勝できたが、最後まで気の抜けないレースだった。周回遅れのGTマシンに追いついた後、第1コーナーでアウディとフランク(・モンターニュ)に追いつかれた。フランクがGTと接触した際、すぐ後ろを走行していた。2台がコースアウトする中、LMP2クラス優勝に向けて加速した。チームの一員であることを誇りに思う。2007年に新チームとなって以来、素晴らしい組織に成長している」
スコット・シャープ(Scott Sharp)
「チームにとって最高の1日だった。スティントの序盤は難しい混戦の中でのレースだったが、その後は速い走りができた。デイビッドにマシンを再び託すまでに、フランクとエイドリアンとの差をつめることができた。ロブ・ヒルとダンカン・デイトンの素晴らしい戦術が功を奏した。イエローコーション時にデイビッドに給油を指示し、その後他のマシンが給油している間にリードを奪うことができた。今季3度目の勝利は、若いチームにとしては偉業を成し遂げたといえる。今季最終戦までに、再び勝利できるチャンスがあると思う。」
■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス7位(総合11位)
フランク・モンターニュ(Franck Montagny)
「何というべきなのか分からない。今日のレースは勝利するはずだった。マシンはとても速く、レース残り約10分までリードしていた。チームを襲った不運がとにかく信じられない。よいチームであり、勝利できるはずだけに、とても悔しい」
ジェームズ・ロシター(James Rossiter)
「今週末、我々は幸運と不運を経験した。フランクと共にポールポジションを獲得し、レースに勝つ準備はできていた。チームの素晴らしい戦術でトップを走っていたが、不運にも他のマシンによって後退を余儀なくされた。最善を尽くし、とてもよい週末だったが、今日のレースで勝利を獲得できなかった」
■ド・フェラン・モータースポーツ:LMP2クラス8位(総合18位)
サイモン・ペジノ(Simon Pagenaud)
「チームにとって不運な1日だった。レース序盤にジルがトラブルに巻き込まれ、チームはボディパーツの交換に追われた。トップ集団のタイムで走ることができ、実際のマシンのコンディションはとてもよかった。ただ、運が味方していなかった。勝利できるスピードを証明しているが、レースでは全ての要素がよい方向に働く必要がある」
ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「今日のレースでは多くのトラブルに見舞われた。第3コーナーで周回遅れのマシンに追突され、砂地に入り込み、フロントとリアウイングを両方交換しなければならなかった。フロントウイングがフィットしなかったことで、更に数回ピット作業を必要とし、数度ペナルティーを科せられる結果にもなった。しかし、多くの理由が明確ではなく、ALMSのオフィシャルと意見交換する必要があるだろう。最終的なピット作業を終えた後は、トップ集団と変わらない走りができた。レース序盤でのトラブルが残念でならない」
■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス9位(総合25位)
ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「レース残り30分までは最高の週末となっていただけに、残念だった。最初の2度のスティントではマシンの状態は素晴らしかった。エイドリアンは昨日の予選と今日のレースで巧みな走りを披露していた。不運にも、初勝利目前でサスペンションにダメージを受け、チームにとってとても悔しい結果となってしまった」
エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「好調だっただけに、残念な1日となった。ハンドルを握った時、すでに何かが起こっていたのかもしれない。右にハンドルを切るとマシンは安定せず、左に切ると問題はなかった。素晴らしいピットストップ戦術で、ブラバムより速いマシンだったと思うが、左のリアサスペンションが故障したことでレースを終えざるを得なかった。残念な結果となったが、ルイスは素晴らしい走りを見せた。よい1日になるはずだったが、こういう日もあると割り切りたい」
■エリック・バークマン(Erik Berkman):ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)社長
「いずれのアキュラチームもポールポジションを獲得し、レースで勝利できることを証明できただろう。我々はアキュラチームがポールポジションを獲得し、レースをリードして勝利する走りができることを目標にしてきた。1年半のエンジンとシャシー開発を経て、それが形となってきたと実感している。アキュラのプログラムが進歩していることを嬉しく思う。今季残りの更なる躍進を期待している」