ALMS

ハイクロフト・レーシング、ロウズ・フェルナンデス・レーシングが共に表彰台獲得

<Honda>

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アメリカン・ルマン・シリーズ第6戦ミッドオハイオ
■開催日   : 7月19日(土)
■開催地   : オハイオ州
■サーキット : ミッドオハイオ・スポーツカー・コース
■コース全長 : 3.6km

 アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)第6戦アキュラ・スポーツカー・チャレンジが19日(土)にミッドオハイオで開催され、#9 パトロン・ハイクロフト・アキュラ(パトロン・ハイクロフト・レーシング)を駆る、ALMSシリーズ全4クラスにおいて勝利している唯一のドライバーであるデイビッド・ブラバムが、ロマン・デュマ(ペンスキー・ポルシェ)のマシンをインサイド、アウトサイド双方から攻めたが、わずか0.609秒差の2位でレースを終えることとなった。

 ロングビーチではデュマ、ライムロックではティモ・バーンハード(ペンスキー・ポルシェ)をレース終盤でパスしたブラバムの活躍は、気温、湿度共に高かった土曜日の決勝レースにおいて、LMP2クラス3度目の勝利を予感させた。2.25マイルのロードコースで行われたレース終盤の激しい混戦の中、デイビッド・ブラバムは、2時間45分のレース残り15分でデュマを猛追。総合優勝を果たした前戦のライムロック・パークに続き、レース残り90秒でリードを奪う素晴らしい走りを再現したが、残念ながら再逆転を許し、ペンスキーチームが、3年連続でミッドオハイオでのLMP2クラ
ス勝利を果たした。

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 パトロン・ハイクロフト・アキュラに次いで、#15 ロウズ・アキュラ(ロウズ・フェルナンデス・レーシング)を駆るエイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組は、111周の難しいレースで運を味方にし、LMP2クラス3位表彰台を獲得した。ロウズ・アキュラはレース序盤にハンドリングのトラブルに見舞われたが、オープンホイールとスポーツカーレースで2度ミッドオハイオにて勝利しているフェルナンデスは、レース終盤で素晴らしいタイムを記録し、バーンハードとブラバムを追いつめた。ロウズ・フェルナンデス・レーシングは昨シーズンに続き、ミッドオハイオにて3位でフィニッシュした。

 #26 XMサテライトラジオ・アキュラ(アンドレッティ・グリーン・レーシング)は、序盤戦での周回遅れのマシンとの接触によって表彰台獲得を逃した。新たに参戦したラファエル・マトスは素晴らしい走りを見せていたが、アストン・マーチンGT-2の1台と接触によって、フロントサスペンションのパーツ交換を余儀なくされ、8周遅れになったにも関わらず、ルマンのベテランであるフランク・モンターニュの懸命の走りでLMP2クラス7位でレースを終えた。

 #66 パナソニックELSサウンド・アキュラ(ド・フェラン・モータースポーツ)は、チームオーナーで、かつてのIndy500チャンピオンのジル・ド・フェランがポールポジションからスタートし、40周目までLMP2クラスをリードした後、サイモン・ペジノにマシンを託した。24歳のスタードライバーは、68周目にピットインするまで素晴らしい走りを見せた。しかし、4つのタイヤ交換と燃料補給の際、ピットエリアで火の手が上がり、ペジノは直ちにマシンから降りた。ALMSのセーフティーチームが即座に消火に努めたが、数名のチームスタッフがその火事によって負傷した。そのアクシデントにより、チームは直ちにレースを中止し、1名のスタッフがコロンバスのオハイオ州立大学病院に搬送された。

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■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス2位(総合4位)

デイビッド・ブラバム(David Brabham)
「とにかくベストを尽くしながら、ペンスキー・ポルシェを抜くチャンスをうかがっていた。先週のライムロックでのレースを再現しているようだった。レース終盤、マシンの調子はとてもよく、ペンスキーのマシンに接近することができた。しかしながらライムロックに比べ、パスするのは容易ではなく、何とかして最終的にデュマをかわすために、マシンの先端をインサイドに向けて走行していた。私のスティント序盤にグリップに問題があったが、最後のピットストップでグリップレベルの調整をした後、最速ラップを記録した。ペンスキーチームに対して互角の走りができることを証明できたと思う」

スコット・シャープ(Scott Sharp)
「アメリカン・ルマン・シリーズらしい素晴らしいレースだった。レース中のトラブルを攻略し、あとわずかのところで勝利を逃した。レース序盤、ジル(・ド・フェラン)と競い合い、その後デイビッドがリードを奪った。僅差で勝利を逃したが、エキサイティングなレースで、パトロン・ハイクロフトチームはどのコースにおいても競争力のあるチームに成長している。スタッフの仕事は素晴らしかった。デイビッドはあと少しでペンスキーのマシンをパスすることができたレースだった」

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■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス3位(総合5位)

ルイス・ディアス(Luis Diaz)
「レース序盤、ロウズ・アキュラのコンディションはあまり良くなかったが、そこから立て直し、最終的に表彰台を再び獲得することができた。今季初めは些細だが様々な問題があっただけに、3位獲得を嬉しく思う。勝利は逃したが、ロウズチームは団結して前進している。数週間後のロードアメリカでのレースを楽しみにしている」

エイドリアン・フェルナンデス(Adrian Fernandez)
「ルイス同様、自分のスティント序盤に些細なトラブルがあった。ロウズ・アキュラはコーナリングが安定しなかったが、レース終盤、マシンの状態はとても良く、先行していたマシンに接近することができた。デイビッドと抜きつ抜かれつのレースをしながら、#6 ペンスキー・ポルシェをしのぎ3位フィニッシュを果たした。今季前半戦での不運を乗り越え、良い結果が出せた」

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■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス7位(総合14位)

フランク・モンターニュ(Franck Montagny)
「勝てるマシンだったと100%確信している。素晴らしいマシンだったが、クラッシュ後、マシンの状態が悪くなったため残りのレースをテストだと思って走った。ベストを尽くして懸命な走りをしたが、暑いコックピットの中で厳しいレースだった。順位を意識するレース展開ではなかったので、モチベーションを保つことが難しかった」

ラファエル・マトス(Rafael Matos)
「アストン・マーチンの1台と並走していた。無理なドライブはしておらずサイド・バイ・サイドで走行していた際に接触を受けた。彼が私に気がついていたかどうかは分からない。XMアキュラとアンドレッティ・グリーンの全ての関係者にとって、表彰台獲得以上の結果を出せていたはずだけにとても悔しさが残るレースとなった」

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■ド・フェラン・モータースポーツ:LMP2クラス9位(総合26位)

ジル・ド・フェラン(Gil de Ferran)
「ピットでの火事は不運だった。接続されていないかった燃料ホースに問題があり、マシンから火の手が上がった。力強い走りができていただけに、チームにとっては試練のレースとなった。サイモンは素晴らしい仕事をしてくれ、先行するマシンにプレッシャーを与え続けた。しかし、何より今重要なことは我々のチームおよびチームメンバーのことだ。緊密につながっている組織だが、同時にチームとしてはとても若く、こうした事故はド・フェラン・モータースポーツの全ての関係者にとって難しい問題である」