<US-RACING>
3月17日に決勝を迎えるアメリカン・ル・マン・シリーズの開幕戦、モービル1トゥエルヴ・アワーズ・オブ・セブリング。この12時間に及ぶ長丁場の戦いに向け、レース・ウィーク初日のプラクティスが行われた。トップ・タイムをマークしたのは、マルコ・ワーナーが操るLMP1クラスのアウディR10。昨年圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したアウディが、月曜日から行われているテストに続いて、トップに君臨することになった。まず午前のプラクティスは2度のLMP1クラス・チャンピオンであるエマニエル・ピロが1分46秒759のタイムで制し、午後にはいるとピロからテストを引き継いだマルコ・ワーナーがさらにタイムを短縮。彼が記録した1分46秒270がこの日のベスト・タイムとなった。決勝レースを土曜日に控え、依然トップをキープするアウディ勢。昨日のテストはアラン・マクニッシュが昨年のポール・ポジション・タイムを上回る1分45秒106を叩き出しているため、今年のレースもアウディの優位性は揺るぎそうにない。
LMP2クラスのトップは、チーム・ペンスキーのポルシェRSスパイダー。LMP2ながらLMP1のアウディにわずか0.557秒まで迫る1分46秒827のタイムを、ティモ・バーンハードが叩き出した。LMP1同様、LMP2クラスも月曜日のテストから昨年のレコード・タイムを上回るタイムが記録され、昨日はペンスキーのポルシェを駆るIRLでもお馴染みのエリオ・カストロネベスがコンマ6秒以上も更新。そして今日、チームメートのバーンハードがさらにコンマ3秒以上短縮し、昨年のレコードを1秒近く更新することになった。シェイクダウンから高いパフォーマンスを維持し続けるペンスキー。昨年のミド‐オハイオのように、今週末の決勝では、アウディを負かして総合優勝する可能性もあり!?
今シーズンからALMSに参戦するアキュラ。いよいよ今週末にレース・デビューを控え、最終調整が行われた。アキュラ勢のトップはアンドレッティ・グリーン・レーシングで、午前は2004年のIRLチャンピオンであるトニー・カナーンがステアリングを握り、1分48秒502のタイムを記録。ダイソン・レーシングのポルシェにコンマ3秒差まで詰め寄り、決勝に期待を持たせてくれた。今のところ同クラスのポルシェ勢に先行を許してはいるが、長丁場の決勝でどれだけ接近してくれるか注目だ。
セブリング12時間は、やはりアメリカのトラディショナルな観戦スタイルが多い。モーター・ホームでやってきて、上半身裸に片手には缶ビール。今日からスタートしたのですが、決勝までの4日間、ずーと飲みまくるんでしょうね。うらやましい。グランドスタンドがあまりないかわり、コース内が広いので、モーターホームでやってくる観客が非常に多いです。しかもコース内にはシャワールームも設置されているので、食料と飲み物、そして寝る場所さえあればコースから出る必要もありません。セブリング市内にはホテルが少ないので、このようなキャンプスタイルでの観戦がベストなんですね。
これまでセブリング・インターナショナル・レースウエイにはテストで何度か来ましたが、レースの取材は今回が初めてです。観客がいるセブリング、というイメージがなかったもので、なんだかある意味新鮮な感じ。このようなかわいらしいフードショップも設置されていなかったし、他のコースでもあまり見かけないので、ついついシャッターを押してしまいます。
セブリングの門番がいました。奥のポリスマンではありませんよ。そっちは本物です。このガラクタを集めて作ったオブジェ? は、ターン5とターン6のドライバー・ブリッジ(車だけが通れる橋)の脇にあるゲート(セッションの合間に開いて歩行者や車がコースを渡れる)をチェックするところにいました。ちゃんとこの人間型のオブジェが、鎖で犬型のオブジェを繋いでいるのが微笑ましいです。自分も動けないのにね。犬に関しては小さいガスタンクのようなもので、ボディを形成しています。人物に関しては顔がランプになっており、夜になったら結構不気味かもしれません。