＜US-RACING＞
ロメイン･ダマスとティモ･バーンハード組のペンスキー･ポルシェが、アキュラ勢のアンドレッティ･グリーン･レーシング(AGR)と熾烈なバトルを演じ、0.490秒差で2戦連続の総合優勝を成し遂げた。スタートでポール･ポジションを獲ったアキュラ勢のハイクロフト･レーシングをかわし、総合2番手につけると、総合トップを走っていたアウディのパンクに乗じてトップへ浮上。ドライバーがバーンハードに変わった後のリスタートでは、抜群のダッシュを見せてAGRを抑え、昨年のミド･オハイオを含めると、ここ1年で3回目の総合優を勝ち取った。「すばらしいね。レース前にマシンがよく仕上がっていることはわかっていたんだ。大したもんだよ、うちのチームは」と喜びを爆発させるドゥマス。「ここでの優勝だけではなく、クラスのチャンピオンシップ獲得に僕たちは集中しなければいけないよ」と今後の展望も語り、昨年0.3秒でアウディに敗れた、次戦のミラー･モータースポーツ･パークへと気持ちを切り替えていた。
今回もペンスキー･ポルシェに惜敗し、総合2位に終わったアンドレッティ・グリーン・レーシングのアキュラARX。レースの残り30分でペンスキーと5.9秒の差があったAGRは、渋滞にはまっていたバーンハードにみるみる迫っていく。最終ラップでは1秒以内の接近戦に持ち込んだが、幅の狭いストリート･コースではオーバー･テイクのチャンスを作れず、総合2位のままフィニッシュした。「ワクワクしていたよ。もっとポルシェに近づくために、渋滞になることを祈っていた。僕が優勝すれば、もっと楽しかったと思うけど、2位も悪くないね。このマシンはほんとうにすばらしいんだ。まだ４戦目だけど、マシンのスピードは信じられないくらいだね」と今日のレースを振り返るドライバーのハータ。優勝にはわずかに届かなかったが、すでにLMP1のアウディと、同クラスのポルシェとの差はほとんどないと言って良い。総合優勝は目前に迫っている。
市街地コースで苦戦を強いられるアウディ。このヒューストンでもLMP2クラスの先行を許したが、表彰台の一角は守りぬき、3位でフィニッシュした。昨日の予選はアキュラ勢のハイクロフト･レーシングに0.006秒差で、総合のポール･ポジションを逃したカー･ナンバー1のアウディは、スタートでハイクロフトのマシンをかわしてトップに立つと、2位以下を引き離しに掛かる。しかし、レースが1時間をまわったところで、左フロント･タイヤがパンクして後退。GT2クラスのポルシェに接触してダメージを受けたが、必死の追い上げとイエロー･コーションに助けられ、トップから1.341秒差の総合3位に入った。「パンクしたのが残念だね。コーナーを行き過ぎて更にタイムをロスしたし、周回遅れを抜いたときに大きなバンプにのって、その車に接触してしまったんだ。止まることはできなかったよ。がんばってトップに追いつくことが出来たけど、時間がなくなってしまったよ」と悔しさをにじませるドライバーのカペッロ。アウディのポテンシャルの高さを再確認させたが、トップ2台をかわすことはかなわなかった。市街地レース3連戦が終わり、次戦はミラー･モータースポーツ･パークのユタ･グランプリ。ロード･コースでアウディの逆襲となるのかALMSからは眼が離せない。