ALMS

ハイクロフト・レーシングが総合4位。ポールポジション・スタートのアンドレッティ・グリーン・レーシングは6位

<Honda>
■開催日 : 4 月 14 日(土)
■開催地 : カルフォルニア州ロングビーチ
■サーキット : ロングビーチ
■コースコンディション : ドライ

アンドレッティ・グリーン・レーシング(Andretti Green Racing)の#26 XMサテライト・ラジオ・アキュラARX-01を駆るダリオ・フランキッティは、名高いロングビーチの公道サーキットで初めて開催されたアメリカン・ルマン・シリーズにおいて、予選から他を圧倒するスピードを見せつけた。しかし惜しくも、アンドレッティ・グリーン・レーシングのフランキッティとブライアン・ハータは、その速さを決勝レースの勝利に結びつけることはできなかった。
新しく始まったアキュラ・スポーツカー・プログラムに、フランキッティはLMP1クラスも押さえ、初のポールポジション獲得という成果をもたらした。25台が出走したレースでも46周を消化してグリーンフラッグ提示中にピットストップを行った時点では、後続に30秒の差をつけていた。しかしチームメイトのブライアン・ハータが燃料補給を行い、ニュータイヤを装着して戦列に復帰したときには、5台の先行車を追う状況となっていた。
ロングビーチの市街地に設けられた1周1.9マイルの公道コースを舞台に繰り広げられた1時間40分のレースが終了したとき、先頭に立っていたのは、巧みな戦術を駆使した2台のペンスキー・ポルシェだった。これでペンスキーはLMP2クラスにおいて2連勝を飾ったことになる。3位にはダイソン・ポルシェが入り、これにハイクロフト・レーシング(Highcroft Racing)、ステファン・ヨハンソン/デイビッド・ブラバム組の#9ハイクロフト・アキュラARX-01が続いた。
ハイクロフトのクルーは見事にピットワークをこなし、ヨハンソンからブラバムへのドライバー交替はイエローフラッグが提示されている間に行われた。73周を消化したレース中、ブラバムは首位を争うポジションにつけていたが、惜しくもスピンを喫し、コースを外れてしまう。その後、オーストラリア出身のベテランは、11番手から4位まで追い上げる果敢なドライビングを披露し、アキュラ勢では最上位でチェッカーフラッグを受けた。
終盤の給油を余儀なくされたフランキッティ/ハータ組は、総合6位でレースを終えた。上位がいずれも小排気量のプロトタイプマシンによって占められていたため、LMP2クラスの順位も同じく6番手となっている。7位にはアウディが入ってLMP1クラスのトップに立ち、ロウズ・フェルナンデス・レーシング(Lowe’s Fernandez Racing)、エイドリアン・フェルナンデス/ルイス・ディアス組の#15ロウズ・フェルナンデス・アキュラ・ローラB06/40が続いた。フェルナンデスはロングビーチの表彰台を狙える位置につけていたが、最終ラップに給油を行わなければならず、順位を落としてしまった。
次戦のアメリカン・ルマン・シリーズはヒューストンへ移動し、レリアント・スタジアムや名高いアストロドームに近いコースで熱戦が展開される。決勝レースは、4月21日(土)の午後5時30分にスタートする。
コメント

■ハイクロフト・レーシング:LMP2クラス4位(総合4位)
デイビッド・ブラバム
「今日は作戦どおり、イエローフラッグが出ているところでピットに入ることができた。ところが最初から飛ばしたため、スピンしてしまった。幸いクラッシュは免れたけれど、上位にはずいぶん離されることになった。タイヤの温度が上がると、マシンの状態はとてもよかった。最後は燃料を節約する必要から、アキュラのペースを大幅に落とした。それでもアキュラ勢では最上位に入ることができ、新しいハイクロフト・レーシングにとってはいい結果が残せたと思う。レースごとにいろいろなことを勉強しているところだ」

ステファン・ヨハンソン
「序盤、私たちのアキュラはかなりいい状態だった。スタートから30分でイエローフラッグが出ているときにピットストップを行ったのも予定どおりだった。ピットに入るとき、かなりスロットルをあおる必要があったが、それでもマシンの仕上がりはよかったと思う。レースを通じて、作戦は完ぺきだった。徐々に上位を争うことができるようになってきた」

■アンドレッティ・グリーン・レーシング:LMP2クラス6位(総合6位)
ダリオ・フランキッティ
「私たちのマシンが最高だということは証明できたと思う。勝敗を決めたのは、グリーンフラッグ中のピットストップだ。あと1回、イエローが出ていればよかったのだが。ロングビーチなら何度かフルコースのコーションになると思ったのだが、当てが外れて中団に飲み込まれてしまった。スポーツカーレースの場合、こういったことも頭に入れておく必要がある。アンドレッティ・グリーン・レーシングの運営は抜群だし、再び優勝を狙えるだろう。ドライバーとしての立場から言うと、今日のようなチャンスがそう度々あるわけではない。マシンはすばらしかったが、勝てなかった」

ブライアン・ハータ
「マシンの仕上がりが最高だっただけに、今日の結果にはがっかりした。あれで勝てなかったなんて。幸い来週も(ヒューストンで)レースがあるから、今回のことは忘れて集中していく。アウディの1台とよいバトルができた。相手はストレートが速く、こちらはコーナーでばん回するという具合だった。ただ、このコースの場合、ストレートでは抜けるけれどコーナーでは無理だ。フルコースのイエローフラッグが出るのに備えて、ヘルメットを被ったまま待っていたのだが、あのときはピットに入れなかった。とにかく、よいチームなので、ヒューストンでは優勝を狙うつもりだ」

■ロウズ・フェルナンデス・レーシング:LMP2クラス7位(総合8位)
エイドリアン・フェルナンデス
「今日、私たちのアキュラ・ローラはすごく速かった。終盤にイエローフラッグが出ていれば、ポルシェと勝負できたはずだ。走りきるために終盤はずいぶん燃料を節約したのだが、あと1周というところでもたなくなってしまった。作戦としては間違っていなかったと思うけれど、勝つためには全コースでイエローフラッグが出る状況が必要だった。全体的に見るとマシンの状態はよく、すぐにでも勝てるはずだ。ブレーキに少し問題があったけれど、来週のヒューストンではかなりやれるだろう」

ルイス・ディアス
「レースの序盤はかなりがんばってステファン(・ヨハンソン)を抜こうとした。ややスライドが激しく、かなり滑っていた。エイドリアンが乗っていたときに不運が重なったけれど、ペース的には悪くなかったと思う。最後に燃料が足りなくなったのが残念だ」
決勝リザルト

順位 No. クラス ドライバー マシン 周回数

1 7 LMP2 R.デュマ / T.バーンハード ポルシェ 74
2 6 LMP2 S.マーセン / R.ブリスコー ポルシェ 74
3 16 LMP2 A.ウォレス / B.ライジンガー ポルシェ 74
4 9 LMP2 D.ブラバム / S.ヨハンソン / D.デイトン Acura 74
5 20 LMP2 G.スミス / C.ダイソン ポルシェ 74
6 26 LMP2 B.ハータ / D.フランキッティ Acura 74

8 15 LMP2 A.フェルナンデス / L.ディアス ローラ 73