<Asian Le Mans Series>
LM P1 カテゴリーではトップが4度交代した。全カテゴリーで激しいバトルが展開された。初開催のアジアン・ル・マン・シリーズで、ペスカロロのプロトタイプが2つの勝利を飾った。クリストフ・タンソー/中野信治組のペスカロロ・ジャッドがLM P1で、OAKレーシング(ニコレ/ラエ/エイン組)のペスカロロ・マツダがLM P2クラスをそれぞれ制した。
ローラ・クーペ・ジャッドがヘッドライトのトラブルでトップから脱落。次にオレカがピットで遅れ、さらにワークス・ローラ・アストン・マーチンがフロントカウルの問題でピットインし、ゴール10分前に優勝争いから脱落した。4度目にトップに立った、ソラ・レーシングからエントリーしたこのペスカロロ・ジャッドはチーム代表が来日しない中で、エンジニアのクロード・ガロパンが、ドライバーのクリストフ・タンソーと中野信治、日仏混成のチームクルーも同じく奮闘した。
レース1のスタート時刻は12時30分。天候は晴れ、サーキットには多くのファンが詰めかけている。ローラ・クーペ・ジャッドに乗るジョニー・コッカーは、ポールポジションからそのままトップを奪い、ソフトタイヤを利して2位以下との差を次第に広げて行く。5周を終えたところで、コッカーは2位のラピェール(オレカ・エイム)に4秒以上の差をつけている。3位以下はミュッケ(ローラ・アストンマーチン)、タンソー(ペスカロロ・ジャッド)、そしてアルバースとジャービスが駆る2台のアウディR10 TDIが続く。8周を過ぎるころからトップグループのマシンの差が詰まり、上位3台のタイム差は1秒以下となった。
最初のドラマが起こったのは21周目、ローラ・クーペ・ジャッドがレースコントロールの指示によりピットイン。日中でも点灯が義務付けられているヘッドランプが消えていたためだ。このためチームはフロントカウルの交換を強いられることになった。予選で驚くほどの快走を見せたドライソン・レーシングが決勝でも同じく予想を上回る結果を残すチャンスはなくなり、上位グループから大きく遅れてコースに復帰した。トップを行くニコラ・ラピェールの背後には常にステファン・ミュッケがつけ、さらにクリストフ・タンソーが3位で続いている。トップを争う3台のマシンは3秒以内の差でバトルを演じており、これをアルバースとジャービスのアウディ2台が追う。その直後にはLM P2クラスのトップ、マティユー・ラレが続いている。一方、LM GT1クラスのアストンマーチンに乗り、グリッド最後尾からスタートした土屋武士は周回ごとにベルヴィル(サリーン)、余郷敦(ランボルギーニ)との差を詰め、LM GT1クラスのトップに立った。GT2クラスの争いも熾烈を極めており、マルク・リーブ(ポルシェ)とダーク・ミュラー(BMW M3)が激しいバトルを展開。32周目にはついに接触してしまった。
給油のタイミング(40周目)を利用して、ステファン・ミュッケと交代したハロルド・プリマは、それまでトップだったニコラ・ラピェール(オレカ・エイム)を抜いてトップに立った。若干離されたものの、ラピェールはその後プリマに追いつく。中盤、トップは変わらずガルフカラーのアストンマーチンがキープしており、これにオレカ・エイムが続いている。LM GT2クラスはダーク・ミュラーが首位を維持し、トム・マイルナーにステアリングを託した。
トップのローラ・アストンマーチンはゴールまで63分となったところで上位グループでは最初に給油ストップ。ステファン・ミュッケはオレカとペスカロロに1周遅れでコースに復帰した。だが、オレカとペスカロロがピットインした際、ローラ・アストンマーチンが前に出た。ペスカロロが2位、オレカが3位となった。オレカは2度のルーティンストップの際に1つずつ順位を落としている。
LM GT1はランボルギーニ、そしてLM GT2はBMWが・・・ 二度目のドラマが起こったのは116周目(ゴール11分前)。ローラ・アストンマーチンが給油のためにピットイン。その後再び、今度はフロントカウルのルーバー修復のために突然ピットに入って来た。これでトップに出たのはペスカロロ。3秒弱の差で2位オレカが続く。他のカテゴリーでも同様に、新たな展開が見られた。LM GT1ではラルブル・コンペティションのサリーンを駆るカルロ・ヴァン・ダムがコースアウト。グラベルにストップしてしまい、クラス優勝をJLOCの余郷に譲ることになった。LM GT2ではレイホール・レターマン・レーシングのBMWが、チーム・フェルブマイヤー・プロトンのポルシェとの激しいバトルの末にこれを下した。
LM P2はOAKレーシングのペスカロロ・マツダ(ジャック・ニコレ/マティユー・ラエ/リシャール・エイン)が勝利を飾った。
<Results>