[最終決戦 – インディカー IRL -]
「うわー、ダリオの勝ちなのかっ!」みんなそう思いましたよね。決勝が始まってからはあまり目立っていなかったうえに、IRL初のノーコーションレース。劇的な幕切れでありました。
2009年の最終戦には、ターゲット・チップ・ガナッシのスコット・ディクソン、ダリオ・フランキッティ、ペンスキーのライアン・ブリスコーの3人が、このレースを制した者がほぼチャンピオンになる状態で臨みました。そしてタイトル決定戦にふさわしく、練習走行から決勝まで、その3人のみが別次元の争いを展開。もう予選から手に汗握る戦いでしたね。レースウィーク直前まではディクソンが若干有利な雰囲気がありましたが、予選ではダリオ・フランキッティがポールウィナーとなり、1ポイント獲得。いったい誰に流れがあるのか読めない状況。そしてレース。ブリスコーは最多ラップリードを獲らなければ、勝ってもディクソンが2位ならチャンピオンになれない可能性があるため、ハイペースで周回。インディカーレースではクロスフィニッシュになると、誰が勝つか非常に予測しづらい。チャンピオンの権利のないエリオがブリスコーの後ろに並んでアシストしたら、ディクソンが負ける可能性が高まります。2位でもタイトルを獲るには、ラップリードが欲しい。チャンピオンを確実なものとするためか、ディクソンはそのハイペースにつき合ってしまいます。終盤には2人の3ストップ作戦は明らか。ってことは、どうなるの? いや、どこかでコーション出るよね? ラスト5ラップのリスタートとか?
しかし終わってみればダリオ優勝。ディクソンの無表情ながら納得いっていないコメントが、来年の激しいバトルを予感させるのでした。
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4コマの内容はフィクションです。
登場する団体・人物等は実際とは異なります。
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Illustration & TEXT by アラブルカ