<US-RACING>
エドモントンの予選日は初日同様、ペンスキーのワン・ツー・スリーとなり、ポールを獲ったのはなんとペンスキーの3台目をドライブするウィル・パワーでした。今週末もっとも速い1分01秒0133のタイムを、ファイアストン・ファスト・シックスの終了間際、残り1分に記録。「ここでのクオリファイはかなりタフだよ。ベスト・ラップを記録し、セッションが終わった後はすごく疲れていたんだけど、素晴らしい結果だね。ペンスキーがワン・ツー・スリーを獲れて最高にうれしいよ。やっぱりこのチームはトップ・クラスだというのを再確認できた。今週末3人ともあまり変更をしていないんだ。ポール・ポジションからスタートすることによってアドバンテージを得られるけど、レースでは何ガ起きるか分からないから、そのアドバンテージを最大に利用しないとダメだね。僕の今年のレースは限られているので、絶対に1勝くらいはしたい」とスポット参戦ながら大活躍のパワーは、第2戦ロング・ビーチ以来のポールとなりました。スポット参戦のドライバーがレギュラーを打ち負かすレースを、ぜひ見てみたいですね。
昨年のポール・シッターのライアン・ブリスコーは、2年連続のポールをわずか0.1秒で逃し、初日と同じ2位となりました。「かなり良い感じだよ。ポール・ポジションは欲しかったけど、1番重要なのはフロント・ローからスタートすることと、このクルマが完璧に仕上がっていること。エドモントンのコースではすごくハンドリングが良くて、けっこう安心しているんだ。今日1つだけ気になっていたのは、新しいタイヤであまり良い走りができなかったことだね。とにかく、過去のレースでは2番グリッドから優勝したことがあるので、それを狙いに行くよ」とリラックスした様子のブリスコーでした。彼にとって今シーズン6回目のフロント・ロー・スタートとなりますが、最前列からスタートして、まだ一度も勝っていないのです。果たしてこのジンクスは明日でストップするのでしょうか?
今季のロード&ストリート・コースでの予選結果が伸び悩んでいたエリオ・カストロネベスでしたが、これまでベストだったロング・ビーチの8番グリッドを大きく上回り、2列目の3番グリッドを獲得しました。「楽しかったよ。ポール・ポジションのバトルをするのが久しぶりで、その楽しさを忘れかけていたけど、今日は思い出した。とにかくチーム・ペンスキーは最高だね! ほんとうにうまく3人をトップ・ポジションに入れてくれたよ。みんな速いので、かなりエキサイティングでチームが盛り上がっている。日曜日は力強いレースをしたいと思う」と嬉しそうなカストロネベスでした。去年のエドモントンでは2番グリッドからスタートし、2位でフィニッシュ。得意としているコースで久しぶりにフェンスに登れるでしょうか?
08年レース・ウイナーのスコット・ディクソンは、今日もペンスキーの3人に抑えられたのですが、ファイアストン・ファスト・シックスでレッド・タイヤを利用して4番グリッドを獲得。カストロネベスとともに2列目に並ぶこととなりました。「僕のセッションはまあまあ良かったよ。けっこう難易度の高いサーキットで、チームがスピードを出すのに毎回苦しんでいる気がする。今週末中ずっと4位から6位くらいで走っていてかなりタフだったね。予選アタック、特に第1ラウンドはかなりタフだった。予選が進んでもあまり良くならなくて、トップ6には入らないかなと思っていた。でもその後レッド・タイヤに履き替えたら、何とか良いところにいけたね」とホッとした様子のディクソン。1分01秒2046のタイムはトップとわずか0.1913秒差だったものの、5番グリッドのグラハム・レイホールのタイムは0.6秒差、6番グリッドのフランキッティは0.8秒差と後続は少し離れています。ペンスキー勢にもっとも近いディクソンは、明日どんなアタックを見せてくれるでしょう。
エドモントン初日はバンピーな路面で苦しみ、サスペンションを変更して予選に挑んだ武藤英紀。その結果、今季初めてロード&ストリート・コースの予選第2ステージへ進出することができました。1分02秒1678とトップ・タイムから約1秒差となり、第2ステージの最後尾となりましたが、AGR勢トップの12番グリッドを獲得。上り調子の武藤、明日のレースでも追い上げを期待しましょう。
「現状の悪いなりのベストを引き出し、ほぼ100%のパフォーマンスまで行ったんじゃないかと思います。今日の段階ではあれ以上はないと思いました。チームの誰かがコンマ5秒落ちくらいまで行き始めれば、ちょっと近づいたのかなと思うけど、僕が1秒落ちでチームの中でベストという状態の中では、なかなか勝負にならないですね。ほんとうはトップ10を狙っていたんですけど、やっぱりちょっとコンサバすぎたかもしれない。でも逆に思い切っていきなり予選で大きな変更をするのも難しいですね。タイヤはワトキンスと同じだと聞いているんですが、一度明日の午前中のプラクティスで走ってみて、組み合わせを決めたいと思います。たぶん赤が良いと思うんですけどね」
今日もアイ・ラブ・カナダのTシャツを着ていカストロネベスは、9時半にポール・トレイシーのピット・ボックスに現れ、がっちりと握手して2人とも和解できたようです。「お互いに損したよ。俺はあのクラッシュのせいで、地元ファンの前で上位フィニッシュが台無しになったけど、ヤツだってチャンピオンシップがかなり難しくなったからな」と納得のトレイシー。カストロネベスはその場でTシャツにサインしてトレイシーにプレゼントし、トレイシーがサポートしているカナダ兵隊基金に寄付されるそうです。トロントの狭いコースと違って、ここエドモントンのコース幅はだいぶ広いので、カストロネベスが明日のレースでトレイシーにぶつかったら言い訳できないですね。
今日も朝から快晴となったエドモントン。午前のプラクティスが始まる時点で気温はすでに26度とかなり高くなっていました。その後、蒸し暑さも強く感じ、クオリファイ中は気温が33度まで上昇。歩いていると汗がにじみ出る暑さとなってきました。2日目も昨日より多くのファンが集まり、グランドスタンドは半分くらい埋まっていましたよ。今日はインディライツのレース、そしてカナダで開催されているNASCARのカナディアン・タイヤ・レースが行われたので、ファンも十分楽しめる内容でした。このフォト・レポートとUS-RACINGラジオを参考に、ぜひウイナーを占ってください。今回も日本時間の午前6時45分からライブ・ラジオ放送をする予定です。みなさん、お楽しみに!