<Audi>
【第8戦 :モスポート】
●アメリカンルマンシリーズで、3大会連続の1-2フィニッシュ達成
●モスポート大会では、2つのチーム戦略が見事に成功
●最終戦を待たずに、マニュファクチャラーチャンピオンを獲得
アウディは、3大会連続の1-2フィニッシュ達成により、アメリカンルマンシリーズのLMP1クラスのマニュファクチャラーチャンピオンを、早々と獲得しました。残り2レースを余す状況で、アウディはシャシおよびエンジンマニュファクチャラーの頂点に立ちました。
チーム アウディスポーツ ノースアメリカの2台のアウディR10 TDIプロトタイプは、モスポート・グランプリ(カナダ)において、それぞれ別の戦略の下に戦っていました。リナルド・カペロとエマニュエル・ピロは、2回のコーション区間のうち1つを利用して、早めの最終給油ストップを行いました。もし、コーション区間がもう1回発動されていれば、この作戦は上手くいくはずでしたが、実際にはコーション区間が発動されることはなかったため、ピロは最後の1時間で、燃料節約のためにスピードを落として走ることを余儀なくされました。他チームで同様の作戦を立てていたマシンが、レース終盤で燃料が不足する事態となってしまう中、アウディのドライバーは、TDIエンジンの低燃費性能を充分に活かし、搭載していたシェルVパワーディーゼルの最後の一滴まで使い尽くしながらも、2位でゴールすることが出来ました。
ルーカス・ルールとマルコ・ヴェルナーは、これとは別の戦略でレースを戦っていました。彼らは2度目のコーション区間中はコースに留まり、3度目の給油ストップを後から行いました。これにより、一度は8番手にまでポジションを落としましたが、ルーカス・ルールは充分な燃料とフレッシュタイヤの利点を活かして次々に順位を回復し、レース終了9ラップ前には、前を行くアキュラ/ホンダを抜き去り、トップに出ました。
マルコ・ヴェルナーは、レース開始から7ラップ目に、ポールポジションからスタートしたリナルド・カペロが遅いクルマに阻まれている隙をついて抜き去りました。彼は、最初のセイフティカーがコースインした時点で、24秒ものリードを生み出していました。ドライバーチェンジ後のルーカス・ルールも、別のセイフティカーがそれを打ち消してしまうまで、リードを広げ続けていました。
今回のレースで唯一のトラブルは、最初のピットインの時にマルコ・ヴェルナーがピットウォールに衝突してしまったことです。これによりR10 TDIのフロントセクションにダメージを生じてしまいましたが、それにも関わらずマルコ・ヴェルナーは1分05秒823というラップレコードを叩き出しました。
ルールとヴェルナーは、2008年のアメリカンルマンシリーズで5回目の総合優勝と7回連続のクラス優勝の栄誉を讃えられました。これによって、彼はLMP1クラスのドライバーチャンピオンを、ほぼ手中に収めたことになりました。次回のレースは、次の土曜日(8月30日)にデトロイト(アメリカ合衆国ミシガン州)で開催されます。
【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
●Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ (アウディ モータースポーツ代表)
異なる作戦の両方が見事に成功した、素晴らしいレースだった。さらに素晴らしいのは、厳しい闘いの果てに“Vorsprung durch Technik”の精神で、アメリカンルマンシリーズ3回目のダブルビクトリーを獲得出来たことだ。今回、早期にマニュファクチャラーチャンピオンを獲得出来たことで、チーム全体におめでとうと言いたい。
●ルーカス・ルール (アウディR10 TDI #2)
レース終盤になって、ほぼすべてのプロトタイプカークラスを再び抜き去らなければならなかったので、本当に大変なレースだった。でも、成功することが出来た。我々のマシンは、ちょっとした事故のせいで完璧な状態ではなかった。それでも私には、激しく追い上げる必要があった。無線でエンジニアの1人が「死にもの狂いでプッシュしろ」と言ってきた。その通りにし、幸運なことに上手くいったのだ。
●マルコ・ヴェルナー (アウディR10 TDI #2)
これほど素晴らしいレースは、ここ何年もの間、見たことがない。本当にエキサイティングなレースだった。優勝出来るという確信がなかったので、常にハラハラドキドキのレースだった。我々は、それぞれ違う戦略を立てていた。それで1-2フィニッシュ達成なのだから、素晴らしいことだ。レース終了間際での“燃料節約モード”で走行を続けていたエマニュエル(ピロ)との差はわずかしかなかった。我々は全速力で走っていたが、グリーンコンディションの中でピット作業をしなければならなかったのだ。今回の勝利を、今週忙しく働き続けて素晴らしいマシンを提供してくれた、チームの皆に感謝したい。
●デイブ・マラジ (チーム アウディスポーツ ノースアメリカ チームディレクター)
金曜日の夜から徹夜してモノコックのダメージを修復するなど、あらゆるチームワークがもたらした勝利だと考えている。チームは完璧な仕事をこなしたし、4人のドライバーも素晴らしかった。チーム全体が素晴らしい仕事を成し遂げたのだ。私は、とても誇らしく思う。
【ALMS第8戦 モスポート結果】
1. ルール/ヴェルナー (アウディ R10 TDI) 2時間46分09.180秒(1st in LMP1)
2. カペロ/ピロ (アウディ R10 TDI) +21.392秒(2nd in LMP1)
3. ブラバム/シャープ (アキュラ/ホンダ) +22.156秒
4. フェルナンデス /ディアス (アキュラ/ホンダ) +31.233秒
5. マーセン/ロング (ポルシェ) +44.132秒
6. ロシター/モンタニー (アキュラ/ホンダ) +52.635秒
7. ド・フェラン /パゲノー (アキュラ/ホンダ) −1ラップ
8. デュマ /ベルンハルト (ポルシェ) −1ラップ
9. スミス/ダイソン (ポルシェ) −2ラップ
10. フランキッティ /ライツィンガー (ポルシェ) −2ラップ