<Formula Dream Indy>
<2008 IRLインディカー・シリーズ第13戦エドモントンRexall Edmonton Indy>
【日 程】2008年7月24〜26日
【開催地】カナダ・アルバータ州エドモントン
【コース】エドモントン・エアポート特設コース
【距 離】特設コース:1.973マイル(3.175km)
【天 候】25日:快晴/気温21〜26℃
【時 間】午後3時15分〜(日本時間26日午前6時15分〜)
■■■7月25日予選■■■
<IRLインディカー・シリーズ、カナダ初開催>
今シーズン4戦目となるロードレース、エドモントン・インディがカナダ西部アルバータ州の州都、エドモントンで始まった。2008年の第13戦はIRLインディカー・シリーズにとって初となるカナダでのレースだ。
エドモントンのコースは、街の中心部に近い空港を使った非常にユニークなもの。滑走路がレーシングコースというと、誰もが非常にスムーズな路面をイメージしがちだが、実際には路面の継ぎ目など段差の大きい部分もあり、全体的に見ると思いのほかバンピーである。
<飛行場サーキットならではの難しさと美点>
飛行場に設定されたコースは完全にフラットであるために、コクピットからは目標とするべきポイントが見定めにくい。しかもスピードは全体的に高速だ。路面の凹凸は的確なライン採りが求められ、ハードブレーキングでは細心の注意が必要とされる。これらが飛行場を使ったコース特有の難しさである。
その反面、コース幅は広く、エスケープゾーンも広いところが多いことから、オーバーテイクのチャンスは多く、アグレッシブな走行が可能。そして、ファンにとってうれしいのは、グランドスタンドからコースをほぼ一望できることである。
<走行初日は一進一退>
24日、日中の気温が25℃前後と快適なコンディションの下、アンドレッティ・グリーン・レーシングの武藤英紀はプラクティス1回目に33周を走り、トップと0.525秒差の10位につけた。初めて走るコースであることを考慮すれば、まずまずの滑り出しである。ところが、路面コンディションが良くなったプラクティス2回目、武藤のタイムは自己ベストより0.0064秒遅い1分03秒4641にとどまった。これによりプラクティス2回目の順位と走行初日の総合はいずれも14位という結果となった。
<プラクティス3回目にアクシデント>
この走行初日に武藤は2セッションともにスピンを喫した。2回目のスピンではマシンを軽く壁にヒットさせてしまった。幸い、マシンにダメージはなかったものの、走行を重ねてもマシンのセッティングを思うように向上させることができなかった。武藤は大きな躍進を果たすために気持ちを切り替えて走行2日目に臨んだが、4周目にリヤからコンクリートウォールにぶつかり、プラクティス続行を断念しなければならなかった。
<第2ステージに今回は進めず>
プラクティス3回目でのマシンダメージは、リヤウイングとそのステーまわり、リヤサスペンションなどに及んでいたが、クルーたちの奮闘によって予選開始前までに修復は完了した。しかし、前日のデータを基に施した新セッティングの良否を十分に確認できなかったため、予選での武藤は厳しい状況に置かれていた。セッション前半に1回スピンし、後半に入ってアタックラップに入ると、他のマシンがコース上にストップしていてローカルイエローフラッグが出されるなど、様々な要素が悪いタイミングで武藤に降りかかって来た。その結果、武藤の決勝グリッドは21番手と決まった。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「走っていて面白いコースですが、
今はマシンが決まっていないので難しく感じてしまう」
「タイムが全然伸びないし、何をやってもバランスが変わらないですね。その中でセッティングを外すとグリップが大きく落ちて、またセッティングを変えると元のレベルぐらいには戻る。しかし、そこからまた違うセッティングにすると、またグリップが下がるということを繰り返しています。
自分たちは上がってくる路面のグリップに対して、セッティングを対処させることができていないんだと思います。走り始めのコースが埃っぽい時にはマシンとタイムは良かったわけですから。また、セクションタイムの一部分だけがすごく悪いということもありました。とにかく、フロントのグリップ感のなさが今週のいちばんの問題です。
コースが難しいとは思いません。乗っていて面白いですよ。ただ、今はクルマが決まってないので、コースも難しく感じてしまっていますね。
予選ではリズムがうまく合いませんでした。自分でスピンしたのもあるし、ペストラップでは誰かが止まってました。最後にアタックした時にはもうタイヤのグリップがベストではなくなっていました。
今のマシンでは明日のレースもまったくどうなるかが読めません。コントロールを続けるのは10周ぐらいが精一杯で、90周以上のレースとなると想像もつきません。これから行うミーティングで、マシンをできる限り良いものにしたいと考えています」
<レイ・ガスリン:レースエンジニア>
「ヒデキに安定したハンドリングのマシンを用意すべく、全力を尽くす」
「今週はプラクティスから予選まででマシンのハンドリングを思うように向上させることができていない。チーム全体が苦戦を強いられている。アンダーステアが出る時も、オーバーステアになる時もあった。路面がバンピーであることが拍車をかけているとは言わないが、プラスに働いていないのはたしかだ。
今回の場合、コースに合わせて用意して来たはずの最初のセッティングに誤りがあった。セッティングで一進一退を繰り返し、目指す前進を果たすことができなかった。予選では特にアンダーステアが深刻な問題となっていた。
明日の決勝に向けてミーティングを行い、もう一度ヒデキとも深く検討をし直すつもりだ。レースで最も重要なことのひとつとして、とにかくコース上にとどまり続けること、という要素が挙げられる。プラクティス3回と予選を行った中で、我々を含めた多くのドライバーたちがコースオフをしていた。それはレースでも変わらない可能性が高い。コースオフをしてはならない。ミスを冒さずに走り続ければ、順位を上げることはできるだろうし、チャンスも巡って来るだろう。そのためにも、我々は安定したハンドリングを提供できるマシンを用意するべく全力を上げる。
■■■予選結果■■■
1.973マイル(3.175km) 出走27台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 6 R.ブリスコー 1’00.7311 116.955(188.221)
2位 3 H.カストロネベス 1’00.8360 116.753(187.896)
3位 5 O.セルビア 1’00.8584 116.710(187.827)
4位 9 S.ディクソン 1’00.8585 116.710(187.827)
5位 8 W.パワー 1’01.0154 116.410(187.344)
21位 27 武藤英紀 1’03.8100 111.312(179.139)
※全車シャシー:ダラーラ/エンジン:Honda/タイヤ:ファイアストン