<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IRLインディカー・シリーズ第8戦 アイオワ・コーン・インディ250>
【日 程】6月23日〜6月24日
【開催地】アイオワ州ニュートン
【コース】アイオワ・スピードウェイ
【距 離】0.875マイル(1.408km)×250周=218.8マイル(351.969km)
■■■6月23日予選■■■
天候:曇り/気温:20℃/時間:17:15〜(日本時間24日7時15分〜)
<アイオワ州への初遠征>
2007年のIRLインディカー・シリーズ第8戦は、シリーズとして初めてアイオワ州へと遠征して開催される。アイオワ州の州都デ・モインの郊外に昨年完成したアイオワ・スピードウェイがその舞台である。
デ・モインの町から東へ約40マイル。高速道路、インターステイト80号線沿いに造られたオーバルコースは、全長が8分の7マイルのショートトラックだ。1周が0.894マイルという小さなコースながら、バンクの傾斜は最大14度もある。実際にインディカーが走り出すと、不思議なことだが、その数字以上に急なバンクに感じられる。スピードが時速180マイル(およそ290km/h)台と高いこともあり、インディカーの走行はとてもエキサイティングなものとなっている。アメリカでメジャーなシリーズのレースが初めて行われるとあって、土曜日からスピードウェイには多くの地元ファンが詰めかけた。
<インディカーの原動力となるコーン、アイオワはその産地>
インディカー・シリーズで使用される燃料は、今年から100%エタノールへと替わっている。バイオ燃料への関心はアメリカでも急激に高まって来ており、エタノールはその中でも主役を演じて来ている。
アメリカで流通しているエタノールの原料は主にコーンだ。そして、アイオワ州はコーンの産地。アイオワでのインディカー・レース開催が、今年からスタートするのは、シリーズにとっても、州にとってもまさにタイムリーなものとなっているのである。そこで今回のレースには、アイオワのコーン農家、アイオワ産コーンのプロモーション団体がイベントスポンサーに名乗りを上げ、“アイオワ・コーン・インディ250”と名づけられることとなった。
<ゼロからスタートしたアイオワ攻略>
アイオワ・スピードウェイでのインディカー・レースは今回が初めてということで、金曜日は合同テストの日とされ、シリーズ出場チームすべてに走行のチャンスが与えられた。翌土曜日からが公式日程で、2回のプラクティスと予選がスケジュールに組み込まれた。
スーパーアグリ・パンサー・レーシングから出走する松浦孝亮は、合同テストから走り込みをスタート。テストデイのマシンセッティングはまだ十分なものではなかったため、公式プラクティスが始まる前夜にデータを再確認し、新たなセッティング案とともにプラクティスに臨んだ。
チームはプラクティス2回目に向けてさらなるセッティング変更を施した。しかし、狙っていただけの結果を得ることはできず、夕方5時過ぎからの予選を迎えた。
<予選ポジションはあと一歩だが、マシンバランスは良好>
予選日の天候は1日を通して曇り。予報の通りに午後になってから気温が急上昇することはなく、プラクティス2回、予選の走行セッション3回は、すべてがほぼ同一のコンディション下で行われた。
プラクティス1回目に17秒7810のベストを記録した松浦だったが、プラクティス2回目も17秒7847がベストと、ラップタイムはほとんど変わらなかった。単独走行での予選でも松浦は17秒8581というプラクティスとさほど変わらないラップタイムをマークし、16番グリッドとなった。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「予選16番手から、サバイバル戦を生き抜き上位ゴールを狙う」
「クルマのバランスは悪くないです。トラフィックの中でも特に問題なく走ることができています。しかし、単独走行でスピードが出ていません。そういう状況ですから、16位という予選順位は仕方がないところなのかもしれません。そのポジションからどうやってレースで順位を上げて行くのか。これからチームと色々なことについてミーティングで話し合います。
明日の天気は、昨日や今日とはまったく違う暑いものになりそうです。もしそうなったら、調子の良かったクルマが悪くなることも考えられます。アイオワ・スピードウェイはとてもオーバーテイクが難しい。2ワイド、3ワイドも可能なのに、オーバーテイクとなると、かなり大変なんです。ずっと5Gぐらいがかかり続けるレースになりますから、ステアリングは重いし、サバイバルの戦いにもなるでしょう。自分たちはそうした戦いを生き抜いて、トップグループでのフィニッシュを目指します」
<ロン・キャット:チームマネージャー>
「追い抜きが難しいが、戦略を駆使して上位に迫る戦いをする」
「アイオワ・スピードウェイを走るのは今回が初めてだが、コースのマスターという面において、我々は充分な仕事を達成できなかった。満足の行く予選結果を手にすることはできなかったのは、そこに原因があった。昨日のテストから今日の走行に向けては、セッティングを向上させることができた。しかし、今日の1回目のプラクティスから2回目のプラクティスにかけては、マシンを大きく進歩させることができなかった。そのような状況ながら、コウスケはマシンのハンドリングに関して好感触を得ているのは好材料だと思う。
ショートオーバルでのレースはオーバーテイクが難しい。アイオワのコースもその点は同じであろう。予選ポジションは上位であるほど有利であることは間違いない。しかし、集団の中からスタートする我々は、燃費を稼ぐことによってアドバンテージを得ることも可能となるはずだ。ライバル勢と異なるピットタイミングを敢えて採用し、ポジションアップを目指すという作戦も考えることとなる。まずはトップグループと同ペースを保って走り続けること。それが重要だ。そして、上位へとポジションアップするチャンスをレースの展開を見ながら狙って行く」
■■■予選結果■■■
0.875マイル(1.408km) 出走19台
順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
1位 9 S.ディクソン 17.6486 182.360(293.417)
2位 3 H.カストロネベス 17.6571 182.272(293.276)
3位 27 D.フランキッティ 17.6793 182.043(292.907)
4位 8 S.シャープ 17.7114 181.713(292.376)
5位 20 E.カーペンター 17.7182 181.644(292.265)
16位 55 松浦孝亮 17.8581 180.221(289.976)
※全車、シャシーはダラーラ、エンジンはHonda、タイヤはファイアストン