<SUPER AGURI PANTHER RACING>
<2007 IPS インディ・プロ・シリーズ第8戦アイオワ100>
【日 程】6月22〜23日
【開催地】アイオワ州ニュートン
【コース】アイオワ・スピードウェイ
【距 離】0.875マイル(1.408km)×115周
■■■6月22日予選/23日決勝■■■
22日予選 天候:曇り/気温:23℃(午前11時)/
時間:22日13時15分〜(日本時間23日3時15分〜)
23日決勝 天候:曇り/気温:21℃
時間:23日16時10分〜(日本時間24日6時10分〜)
<未知のスピードウェイでの一戦>
インディアナポリス・モーター・スピードウェイのロードコースでのダブルヘッダー戦から間髪入れず、2週連続開催となる今週の第8戦は、再びオーバルコースへと戦いの場を移す。その舞台となるアイオワ・スピードウェイは、昨年末にオープンしたばかりの新コースだ。IRLインディカー・シリーズと共に、IPSインディ・プロ・シリーズも今年が初めてのレース開催となる。トラックは1周0.875マイルとシリーズ全16戦中最も短いコース距離だが、ターンのバンク角は最大14度もありスピードは十分高く、高速バトルが展開されると予想された。
<予選の路面状況に苦しみ予選順位は後方に>
前日には、午前中のプラクティス走行に続いて午後1時過ぎから予選が行われた。シリーズに参戦する多くのチームは5月に同コースで行われた合同テストで走行データを集められたものの、武藤英紀とスーパーアグリ・パンサー・レーシングはそのテストに参加できなかった。そのため、この日がここアイオワでの走り始めとなり、まずはコースに慣れることから始めなければならなかった。そうような状況のなか、午前中に行われた2回のプラクティス総合で3番手につけ、テスト不参加の不利をまったく感じさせない立ち上がりを見せた。 しかし、天気が回復し気温が急激に上昇した午後からの予選では、車両のセットアップをこのコンディションに合わせられず、苦しい戦いを強いられた。勝負を掛けたアタックラップ2周目のターン4で突然アンダーステアの症状が出てしまい、アクセルを戻さざるを得なくなってしまったのだ。結局、ポールから0.3021秒遅れの8番手に終わり、デビュー以来最悪となる4列目から翌日の決勝に臨むことになった。
<ロングランでのマシンは安定、3位でフィニッシュ>
決勝日は朝から厚い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうな天候だった。武藤の55号車は予選での失敗を取り返すべく、前日のうちにマシンをアジャスト。その変更が正しかったことは、決勝前最後のウォームアップ走行でのトップタイムという形で早くも表れた。
レースは115周という長丁場。スタートで、武藤は抜群の加速を見せて2台をパスし6番手にポジションアップ。その後も追撃の手を緩めず、23周目には5番手、35周目には4番手、そして60周目にはついにトップ3へと順位を上げていった。
武藤は8番手と後方グリッドだったため、タイヤの内圧を低目に設定してタイヤのグリップを少しでも長く持たせるセットアップでレースに臨んだ。しかし、これは一旦タイヤの温度が冷えてしまうフルコースコーションが出てしまうと、リスタート時には十分にタイヤが暖まっていないため、タイヤグリップが得られず、ダッシュがかけられないという両刃の剣状態でもあった。 ロングランでは単独でも十分なスピードがあったためフルコースコーションが出ないレース展開を望んだが、そんな武藤の思惑とは反対にレース終盤にクラッシュが続出する荒れた展開となっていった。結局、計4回ものフルコースコーションが出され、最後にレースがリスタートしたのが残り12周。武藤はここでトップ2台に離されたもののその後追い込みを計る。しかしトップ2には届かず、今シーズン3回目の3位でフィニッシュした。
■■■コメント■■■
<武藤英紀>
「収穫のあったレースだったが、やはり3位では悔しい」
「非常に勉強になったレースでした。グリッド前方からスタートするよりも、後方からどうやってパッシングするか勉強になりましたし、来年を見越してショートオーバルを戦う上で非常に覚えるべきことが多かったです。考えて抜かないといけなかったですし、トップ2台はラップダウンをうまく利用していたりと、そういうのもすごくいい勉強になりました。
このコースは予想通りなかなか抜けなかった。コーナーのラインは2本あるんですが、下側を走られると絶対距離も短いですし、まず抜けなかったです。あと、後方スタートだったのでタイヤの内圧を低くしてレースに臨まざるを得なかった。パッシングを試みるとハンドルも切らないといけず、タイヤの内圧が上がってしまってグリップの減少が激しくなってしまうからです。最後に立て続けに出たイエローコーションは特にきつかったです。コーション中にタイヤの内圧が落ちてしまったので、自分のペースを取り戻せるまで5周はかかってしまった。その間に前の2台が離れていってしまったので、非常にもどかしかったです。あと(チームオーナーの)ジョン・バーンズが言うにはギヤ比がちょっと高かったらしいです。でも、一番の原因はタイヤの内圧だと思います。
クルマの状態はすごく良かったので、もしグリーンのままだったら抜けたのではと思うほどスピードはあったと思います。8番手スタートから3位フィニッシュというのは満足できるとは思いますが、でもトップ2台に追いつくところまでいったので、やっぱり悔しいです」
<ブレア・チューバッカー:クルーチーフ>
「ヒデキの頑張りで素晴らしい結果を得ることができた」
「ヒデキは115周、ずっと素晴らしい走りを見せてくれた。このトラックのようなショートオーバルではパッシングが難しいため、8番手と後方スタートからでは非常にハードなレースになることはわかっていた。そんな状況でもヒデキは多くのクルマをパスし、3位という結果を得た。これは本当に素晴らしい結果だ。ただ、願わくば最後にフルコースコーションが多発しなければ結果はまた違っていたものになっていたかもしれない。クルマはグリーンで走り続ければどんどんスピードが上がっていく状態だった。もちろんトップ2台もレースを通じて素晴らしいスピードがあったのでパッシングは難しかったかもしれないが、でも展開が違っていれば十分勝てるチャンスはあったはずだ。それでも、3位という結果は十分に満足できるものだ。
リスタートでは、タイヤの内圧が低かったことと、ギヤが問題だったと思われるが、我々のチームはまだいろいろなことを学んでいる最中だ。このコースも初めてだし、ショートオーバルでのリスタートも初めての経験だった。こういった経験を重ねることでチームは成長し、シーズン後半にはさらに良いリザルトを得ることができると期待している」
■■■予選結果■■■
0.875マイル(1.408km) 出走22台
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順位 No. ドライバー タイム 平均速度mph(km/h)
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1位 27 W.カニンガム 19.9522 161.306(259.541)
2位 7 A.ロイド 20.0116 160.827(258.771)
3位 4 S.ガスリー 20.1487 159.732(257.009)
4位 15 J.スキャラーロ 20.1914 159.395(256.467)
5位 11 J.カマラ 20.2055 159.283(256.286)
8位 55 武藤英紀 20.2543 158.900(255.670)
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■■■決勝結果■■■
0.875マイル(1.408km)×115周=100.6マイル(161.9km) 出走22台
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順位 No. ドライバー 周回数 タイム差
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1位 7 A.ロイド 115 53’18.7234
2位 27 W.カニンガム 115 +0.3927
3位 55 武藤英紀 115 +2.0990
4位 38 R.ジャスティス 115 +3.4352
5位 13 R.ペコラーリ 115 +6.0188
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※シャシーは全車ダラーラ、タイヤは全車ファイアストン
■■■ポイントスタンディング■■■
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順位 No. ドライバー ポイント ビハインド
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1位 7 A.ロイド 390 リーダー
2位 55 武藤英紀 271 -119
3位 1 B.ウィルソン 229 -161
4位 11 J.カマラ 185 -205
5位 53 M.ポテケン 183 -207
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