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インディ・カー・シリーズ 第5戦 インディ500[決勝前日]フォト&レポート

<US-RACING>

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インディ500をいよいよ明日に控えた土曜日、インディアナポリス市内では事前パレードが盛大に行われた。朝からどんよりとした雲に覆われ、午前11時過ぎには雨が降り出して開催が危ぶまれたが、開始予定の午後12時30分には雨が止んで日が射し、パレードは予定通り始まった。年に一度のイベントだけあって、ダウンタウンに大勢の観客がつめかけ、沿道は瞬く間に人で溢れた。明日は晴れのち雨、降水確率60%との天気予報だが、レースが終了するまで雨が降らないことを願う。

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パレードは地元警察の白バイ隊の演技から始まり、33人のドライバーがグリッド後方から1列ずつ、約1.5kmの会場を今年のペースカーとなるシボレー・コルベットに乗ってゆっくりとパレードした。ドライバーが通るたびに観客はドライバーの名前をコールし、ドライバーは大きく手を振ってその声援に応えた。地元アメリカ人ドライバーへの関心はもちろんのこと、他国のドライバーの注目度も高かく、日本人ドライバーの松浦孝亮も多くの声援を集め、「コースケ!コースケ!」という歓声が通りに響いていた。

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グリッドの列と列の間にはマーチング・バンドや出し物などが用意され、こちらも多くの拍手喝采を浴びていた。大歓声の中、最後にポール・ポジションを獲得したエリオ・カストロネベスが紹介され、約1時間にわたるパレードは終了。このパレードは1957年から始まり、今年で50周年を迎えた。レースとともにこの街には欠かせないイベントとなっている。

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昨日のカーブ・デイでインディ500のプラクティスはすべて終了し、今日はコースでのイベントはなかったため、インディアナポリス・モーター・スピードウエイ(IMS)内にある博物館、“ホール・オブ・フェイム”をたずねた。この博物館には歴代のインディ500優勝マシンだけでなく、過去にインディ500に出場した名車、珍車のほか、NASCARやF1マシンが展示されている。また、トロフィーやドライバー・スーツ、ヘルメットなども飾られており、展示物は豊富だ。今年で91回目を迎えるインディ500を始め、NASCARネクステルカップのブリックヤード400と、F1アメリカGPのホスト・コースにもなっているIMS。その輝かしい歴史がこの博物館に詰まっているため、IMSを訪れたなら一度は観ておきたい場所のひとつといえる。

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IMS最大のイベントとなるインディ500。F1モナコGPとル・マン24時間レースと並び、世界三大レースのひとつに数えられるこのレースは1911年に始まり、2度の世界大戦による中断があった以外は、現在まで変わらずに行われている。記念すべき第一回目のレースを制したのはレイ・ハルーン。平均スピードは74.602mphで、500マイルを走りきるのに6時間42分2秒を要した。昨年優勝したサム・ホーニッシュJr.が、平均スピード157.085mphの3時間10分58秒7590でフィニッシュしているため、91回でどれだけマシンが進化したのかがわかる。現在とはまったく異なるスタイルのマシンだが、このマシンも紛れもないインディカーなのだ。

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“ホール・オブ・フェイム”の人気アトラクションのひとつが、インディカーに乗っての記念撮影。撮った写真はその場でプリントして持ち帰ることができる。マシンの形は少しばかり旧式だが、憧れのインディカーに乗れということだけあって、長蛇の列ができていた。

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インディアナポリス市内でのパレードの後、松浦孝亮と武藤英紀が所属するパンサー・レーシングのファクトリーで、松浦と武藤に加え、オーナーのジョン・バーンズの3名による記者会見が行われた。バーンズから簡単なチーム紹介と松浦、武藤について話し、松浦は明日のインディ500に向けての抱負、昨日第4戦のレースを終えたばかりの武藤は、次戦にむけての抱負をそれぞれ語った。

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ジョン・バーンズ(パンサー・レーシング・オーナー)
「パンサー・レーシングは1997年に発足し、これまで22勝をあげ、チャンピオンシップは3度獲得しています。松浦は開幕からここまでアンラッキーなことが続いていましたが、今後は調子を上げてくれると期待しています。武藤は昨日のレースでは残念ながら不運なアクシデントに巻きこれ、後方に下がってしまいましたが、追い上げて5位でフィニッシュしました。彼はかならずチャンピオンになれるドライバーなので、楽しみにしていてください」

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松浦孝亮
「今年は開幕からアクシデント、アクシデント、アクシデント、エンジン・トラブルで、まだ一度も完走していないんですけども、インディ500は1ヶ月の長い練習があってレースがあるので、流れが変えられると思います。毎日のように走行していたので、マシンの調子が少しずつ良くなっていますね、昨日のカーブ・デイには、順位は15位でしたけど、レースで戦えるクルマになったので、明日のレースが楽しみです」

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武藤英紀
「これまで早く1勝をあげたいという気持ちでやってきたので、まだ勝てていないことには不満がありますが、1戦1戦確実にオーバルを勉強しています。来週もレースがありますし、ここまで思うような結果を残せていないですけど、次のレースは気持ちを切り替えてがんばりたいと思います。」