ALMS

アウディ、ディーゼルパワーで再びセブリング12時間を制する

<Audi>
【第1戦 :セブリング】
・セブリング8連覇を達成
・アウディR10 TDI、無敗記録を更新中
・ルマン24時間に向け、絶好のスタート
新たなレギュレーションにも関わらず、3月18日に開催されたセブリング12時間に臨んだアウディR10 TDIは、これまでと同様の強さを見せました。アウディAGは、革新的なディーゼルエンジンを搭載するスポーツカーで2007年モータースポーツ・シーズンの幕開けを告げるレースに優勝、6月16〜17日に開催されるルマン24時間レースに向けて絶好のスタートを切ると同時に、米国の伝統的耐久レースであるセブリングにおいて8連覇を達成しました。
アウディR10 TDIは昨年のデビュー以来、9戦連続で優勝をマークし、無敗記録を更新し続けています。レギュレーションの改訂により、燃料タンク容量が10パーセントも削減(2006年の90リットルに対し81リットル)されたため、アウディR10 TDIはライバルより5ラップも早いタイミングでピットインする必要が生じました。全長3.7マイル(5.92km)のサーキットのトラックレコードを書き換えたのはアウディでしたが、LMP2クラスに新規参入するアキュラ/ホンダのマシンは、150kgも軽い車重を活かして何度もトップに立ちました。しかしながら、フランク・ビエラ/エマニュエル・ピロ/マルコ・ヴェルナー組は、残り2時間の時点でトップに立つと、そのままチェッカーを受けました。非常にエキサイティングでタフなレースを制したビエラはこれでセブリング4勝目となり、通算勝利数記録でトム・クリステンセンと肩を並べました。
2007年型アウディR10 TDIは、過酷さで知られるセブリングでも何らメカニカル上の問題なく、12時間のレースを完走しました。なお、ビエラ/ピロ/ヴェルナーは、スタート後2時間の時点でパンクに見舞われ、2周をロスしていますが、彼らが予定外のピットストップを強いられたのはこのときだけでした。また、2度のタイム・ペナルティとストップ&ゴー・ペナルティを受けています。
改良されたエンジン、さらに小型化されたダウ・オートモーティブ製コンパクトディーゼル微粒子フィルター、改良型サスペンション、最新スペックのミシュラン・タイヤ、重量配分が最適化されたトランスミッションなど、パワートレーンやドライブトレーンに数々の改良が施されたR10 TDIは、ルマン24時間の前哨戦となるセブリングでも完璧なパフォーマンスを見せました。
他方、アメリカン・ルマン・シリーズ(ALMS)ディフェンディング・チャンピオンのリナルド・カペロ/アラン・マクニッシュ/トム・クリステンセン組にとっては予定どおりの週末ではありませんでした。木曜日のナイト・プラクティスでアクシデントに見舞われた結果、チームは徹夜でマシンを完全に組み直さざるを得ませんでした。セットアップを煮詰められないまま出場したレースでは、2度もスターターとバッテリーを交換することになったものの、それ以前にはレースをリードし、そのポテンシャルをアピールしました。最終的な順位は4位、LMP1クラスでは2位に入り、タイトル防衛に向けて貴重なポイントを獲得しています。

【アウディドライバー/アウディチーム首脳のコメント】
Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ(アウディ モータースポーツ代表)
チームは一丸となってこの勝利を目指していた。こうしてまたセブリングで勝利を掴めて嬉しい。同レースでは、2000年から連勝を継続している。しかし、今回はLMP1とLMP2の差が縮まったことも判明した。(レギュレーションが改訂され)ふたつのクラスの差が縮まりすぎるのではないかと危惧していたが、そのとおりの展開だったと思う。
フランク・ビエラ(アウディR10 TDI#2)
トム・クリステンセンの持つセブリング最多勝記録に並ぶことができて、素直に嬉しい。ウォームアップでトラブルに襲われ、レース序盤でもパンクに見舞われたので、まさか勝てるとは思っていなかった。だが、最終的に素晴らしい結果が得られた。 
エマニュエル・ピロ(アウディR10 TDI #2)
素晴らしいレースだった。スタート直後はさまざまなトラブルと遭遇し、ほとんど2ラップも遅れてしまった。だが、長丁場のレースでは、決して諦めてはならない。最終的に勝つのは、やはり最速かつ最強のマシンだ。最高のかたちで新シーズンをスタートすることができた。ライバルにもトラブルが多発し、最後は我々のマシンがもっとも高い信頼性を有していることが証明された。
マルコ・ヴェルナー(アウディR10 TDI #2)
ウォームアップは不安な立ち上がりになってしまったが、最後は本当に満足の行く結果が得られた。序盤は、パンクやピットレーンペナルティを受けるなど、決して順風満帆ではなかった。だが、その後のマシンは完璧だった。何しろアウディのマシンなのだから、完全に信頼していい。最終スティントはかなり長かったとはいえ、本当に面白いレースだった。個人的にはちょっとブレーキが気になる局面もあったが、それ以外は次のトイレのタイミングのことばかり考えていたよ……。
【ALMS 開幕戦 セブリング12時間 結果】
ビエラ/ピロ/ヴェルナー (アウディR10 TDI) 364ラップ 12時間01分14.838秒
ハータ/フランキッティ/カナーン (アキュラ/ホンダ)  -6ラップ
フェルナンデス/ディアス/マルティネス (ローラ-アキュラ/ホンダ)  -8ラップ
カペロ/クリステンセン/マクニッシュ (アウディR10 TDI)  -11ラップ
デュマ/ベルナール/カストロネベス (ポルシェ)  -13ラップ
ブラバム/ヨハンソン/デイトン (アキュラ/ホンダ)  -18ラップ