「これでも大丈夫なんだ!」
マカオで膨らんだ小樽GP開催の夢
「レースそのものは初めてではなかったので、少しは余裕があったのかも。僕はそれほど難しそうだとは思わなかったんですよ」
何度か鈴鹿でレースを観戦したことがあり、友人のレース活動を手伝っていたこともある北海道小樽グランプリ推進協議会の事務局長、荒澤之博さん。自身にとってもマカオは初めての市街地レースだったが、理事長の木下さんとはまったく異なる印象を抱いていた。
レース初体験となった木下さんが「小樽では難しそう」と感じたのは、ある意味自然かもしれない。だがレースを知っていた荒澤さんにとって、マカオは「これでもだいじょうぶなんだ!」と思わせるような内容だったという。
「コース脇はほとんどがガードレールで、フェンスが無いようなところもありました。竹でできたバリケードがあったり、ロープで仕切ったりで、かなり簡単そうに見えたんですよ。それに小樽でやるとして、僕が思い描いていたのは人があまり住んでいない地域でしたから、そこで最初は小さなレースを開催して、このような設営ならすぐにできるだろうと思いましたね」と荒澤さんはマカオの印象を振り返る。
「レースはすごい迫力がありました。参戦していた日本人ドライバーのみなさんにも話しを聞いたんですけど、サーキットと違ってすぐに壁があるわけですから、スリリングで走っていておもしろいと。危険と紙一重というか、そこが市街地レースのいいところだと言ってました。実際、その様子が間近かで見れるので、小樽でもできたら最高だなと思いましたね」
同行した北海道テレビのインタビューアーとして、日本人選手に話を聞いてまわった荒澤さん。ドライバーの生の声を聞けたことで、市街地レースの魅力をより一層感じ取ることができたという。一行はプロモーターであるマカオ・グランプリの組織委員会にもインタビューしたのだが、そこで聞いたのはチケット販売だけでは賄えないという、意外な事実だった。
筆者近況
我々のテーマが、「市街地レースで北海道と小樽を盛り上げよう」であり、やはり地元の企業や住民のみなさんには、積極的に関わっていただきたいという思いがあります。そういった意味で、スポンサーさんも大企業ばかりにお願いするのではなく、この地域のみなさんが入ってきやすい仕組みを作り出すのが大切で、「応援しよう!」と言ってもらえるようになりたいですよね。簡単なことではありませんが・・・。
(オートスポーツ誌 2006年6月8日号に掲載)