<Honda>
4月22日(土)・決勝
会場:ツインリンクもてぎ(日本/栃木県芳賀郡茂木町/全長1.5マイル) 天候:快晴 気温:23.2℃
2006年のIRL IndyCarシリーズ第3戦ブリヂストンインディジャパン300マイルは、今年も素晴らしい快晴の下での開催となった。ツインリンクもてぎの新記録となる7万8000人のファンが見守る中、昨日までに行われた2回のプラクティスでともに最速タイムをマークし、ポールポジションからスタートしたエリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)は、決勝レースを通して速さを保ち続け、2位でゴールしたダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)に6秒3851という大差をつけて優勝した。
木曜から2日連続で雨が降った今年のツインリンクもてぎだったが、決勝日は朝からさわやかな青空が広がり、華々しい数々のアトラクションとセレモニーの後に、200周のレースはスタートが切られた。3年連続優勝を狙うウェルドンは、3番手スタートからカストロネベスの背後に迫り、周回遅れを見事に利用してトップを奪った。しかし、カストロネベスはピット・ストップでトップを奪い返し、その後はトップの座を明け渡すことはなかった。レースがゴールまで20周を切ってからベスト・ラップを続けて出すほど、カストロネベスのマシンはレースを通して安定した速さを誇っており、200周のうちの184周をリードする圧倒的な強さでゴールまでを走り切った。
3位でゴールしたのは、2004年シリーズチャンピオンのトニー・カナーン(アンドレッティ・グリーン・レーシング/ダラーラ)だった。レース終盤にタイヤのパンクがあり、ポジションを落としたが、粘り強い走りでカナーンは2戦連続のトップ3フィニッシュを果たした。4位はサム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー/ダラーラ)。そして、18番手スタートから素晴らしい走りを見せ続けた2004年のIndy500ウィナー、バディ・ライス(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)が5位でゴールした。ライスのチームメイトで女性ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)も、14番手スタートから8位でフィニッシュした。
松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ダラーラ)は、6番グリッドからスタートし、7位でゴールした。ギア・セッティングが今日のコンディションに合っておらず、ストレートでのスピードの伸びが悪かった松浦だったが、冷静に、そしてミスなくゴールまでマシンを運んだ。開幕戦6位、第2戦と今回の第3戦で続けて7位フィニッシュを果たした彼は、ポイントランキングで6位につけている。
<コメント>
■エリオ・カストロネベス(優勝)
「チームの勝利だ。僕らのチームは本当に素晴らしい力をインディジャパンでも発揮してくれた。今週末の僕らは最初から速かった。悪天候でプラクティスの時間が少なくなったため、それが非常に有利に働いた。レースでも僕らは調子の良さを保てていた。マシンは完璧だった。この調子の良さを保って次のIndy500、そしてシーズンを戦って行きたい」
■ダン・ウェルドン(2位)
「シリーズポイントを考えても、2位は嬉しい結果だ。今日の僕らはエリオより速い時もあって、彼がトラフィックにひっかかった時にパスすることができた。しかし、レースを通して速かったのは彼の方だった。今日の彼には太刀打ちできなかった。インディジャパンでの3連勝を飾れたら、それは素晴らしいことだった。3連勝は果たせなかったけれど、2位は決して悪い結果ではない。さぁ、次は僕の大好きな、そして得意なIndy500だ」
■トニー・カナーン(3位)
「今日は3位で満足だ。レースの後半にタイヤ・トラブルがあって、みんなよりずっと早くピットに入らなければならなかった。マシン自体の調子は悪くなかったんだけれど、あの時点で今日のレースは諦めなければならないと思った。しかし、そこからも頑張り続けたことで3位という結果を手にすることができた」
■松浦孝亮(7位)
「とても悔しい結果ですね。トップ5でゴールできると思っていましたが、ギア比が合っていませんでした。ハンドリングも安定しなくて、序盤はアンダーステア、中盤はオーバーステア、そして終盤はアンダーステアに再び戻っていました。しかし、レースを戦うごとに僕らのチームはどんどん良くなっています。マシンも走るごとに速くなっていますし、今日のレースは開幕戦の6位よりも内容のある7位だと思います」
■ロバート・クラーク:HPD社長
「今年もインディジャパンはとてもエキサイティングなレースとなった。とても美しいレース日和の1日でもあった。我々としては、今回もすべてのHonda Indy V-8が一切トラブルを出さなかったことを喜んでいる。全員が強力なエンジンの供給を受け、レースをスタートからゴールまで力強く走り続けた。
日本のファンはとても熱心で、毎年レースを楽しんでくれている。今年も本当に多くのファンが集まってくれ、その前でエンジンのトラブルがなく、とてもレベルの高いバトルをお見せできたことを嬉しく思う。
今回供給したエンジンは、開幕2戦とまったく同じスペックだった。今年は全チームが1基のエンジンで2レースを戦うこととしているが、今回のエンジンはインディジャパンだけの使用で終了となる。次戦のIndy500からは、我々が2006年用スペックとして開発して来たものを投入するからだ。走行可能な距離は1200マイルと、今回までのものより400マイル長くなっている。Indy500から供給を開始し、そのスペックを今シーズンは最終戦まで供給して行く」