INDY CAR

Honda Indy V-8を搭載する18台が開幕を間近に控えて2日間のロードコース・テストを敢行

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<Honda>
■開催日 : 3 月2 日(金)、3 日(土)
■開催地 : フロリダ州ホームステッド
■サーキット : ホームステッド・マイアミ・スピードウェイ・ロードコース 全長2.21マイル(約3.557km)
■天候 : 晴れ
■気温 : 27 度
 3週間後に開幕を控えたIRL IndyCarシリーズは、フロリダ州マイアミ郊外のホームステッド・マイアミ・スピードウェイ内ロードコースにおいて、2日間の合同テストを開催した。
 昨シーズンに続いて、IndyCarシリーズではロードコース・イベントが3戦行なわれる。開幕前に行なうことのできるロードコースでのテストは、どのチームにとっても今回の1回だけである。
 まだ3月になったばかりだが、フロリダ半島の南端はすでに真夏のような天候に恵まれた。晴れ渡った空の下、低い時でも摂氏20度以上、最高気温が27度にも達するコンディション下、集まった18人のドライバー達が走り込みを行なった。
 
 今シーズンからのIndyCarシリーズは出場全チームがHonda Indy V-8を使用することとなっている。ライバル・エンジン・メーカーは2005年でIndyCarシリーズから撤退したが、1994年からアメリカのトップ・オープン・ホイール・シリーズに参戦し続けて来ているHondaは、アメリカのモータースポーツ文化を強くサポートして行きたいという考えに変わりはない。アメリカ最高峰のチャンピオンシップであるIRL IndyCarシリーズが、より激しく、エキサイティングなレースを実現し、多くのファンに楽しんでもらうため、Hondaはすべてのエントラントに、充分な信頼性を確保しながら高いパフォーマンスを発揮する新スペック・エンジン=HI6Rを供給する。
 2006年スペックのHonda Indy V-8は、今回も2日間のテストでトラブルを出すことはなく、各チームはマシンに対する理解を深め、Hondaは多くの走行距離をこなすことによって、貴重なデータを集めることができた。テストは大成功だった。
 2日間でのトップタイムをマークしたのは、マールボロ・チーム・ペンスキーのエリオ・カストロネベスで、タイムは1分10秒5683だった。2003年チャンピオンのスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)が1分10秒6675で続き、3番手はカストロネベスのチームメイト、サム・ホーニッシュJr.だった。昨年度チャンピオンで、フェニックスの合同テストでトップタイムをマークしていたダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング)は6番手だった。
 IndyCarシリーズ出場3年目を迎える松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は、走行初日に8番手につけた。さらに上位へと食い込んで行くことが期待された2日目は、マシン・セッティングにミスがあったためにタイム更新をなかなか進められなかった。それでも2日目に1分11秒9676の自己ベストをマーク。2日間総合で13番手となった。2005年にルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた女性ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング)は、2日目に出した1分12秒4463がベストで、15番手にランクされた。

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・photo by Honda
●エリオ・カストロネベス(マールボロ・チーム・ペンスキー) 1位(1分10秒5683)
チームメイトとのチームワークは非常に良く噛み合っているし、エンジニアやクルーたちも持てる能力を発揮してくれた。それがあったからこそ、僕らは納得の行くラップタイムを記録することができた。とても素晴らしい2日間にすることができたと思う。今回は我々にとってHondaエンジンで走る初めてのロードコース・テストだった。トラクション・コントロールを使わないなどの、新ルールでの初めてのロードコース走行でもあった。すべてがうまく行った。このコースではレースが行なわれないので、最速だったからと言って大きな意味はないが、最速だったことや、チームが高い
能力を見せてくれたことは僕の気分を良くさせてくれる。少なくともライバルたちよりも僕らは速く走れることができたんだからね。これからも僕、そして僕らのチームはハードワークを続けて行く。何も簡単に手に入るものなんかない。
●スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング) 2位(1分10秒6675)
僕らのチームは、ロードコースではパノス・シャシーを今年も使うことにした。ダラーラでも速いタイムを出すことはできただろうし、実際にダラーラを使っているチームが僕らより速かった。しかし、チームのエンジニアリング・スタッフの負担を減らす意味でも、去年走らせたデータが活かせるパノスを使うことにした。その判断は間違っていなかったと思う。僕らは充分に高い競争力があることをロードコースでも示すことができた。トラクション・コントロールが使えない新しいルールによって、ドライバーは求められる能力が増え、エンジニアもマシンをセッティングして行く力を試される。挑戦のしがいがある、とても良いルールだ。フェニックスでのショート・オーバル・テストに続いて、ホームステッドでのロードコースでも良いパフォーマンスを見せることができた。これは新しいシーズンを迎えるにあたって、とても勇気づけられることだ。
●サム・ホーニッシュJr.(マールボロ・チーム・ペンスキー) 3位(1分10秒8459)
非常にスムーズに物事の進んだ2日間だった。ロードコースでのテストでも好タイムを記録でき、ますます開幕が待ち遠しくなっている。走行2日目にはもっとタイムを良くしたいと考えていて、それが実現できなかったのは残念だった。せっかく昨晩からクルーたちが長い時間をかけてサスペンション・セッティングを変更してくれたのにね。それでも2日間の総合でトップ5に入れたんだから、去年のここでのロードコース・テストより結果は良いし、満足している。今年は去年よりも断然自信を持ってセント・ピータースバーグでのロードレースに臨むことができる。

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・photo by Honda
●松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 13位(1分11秒9676)
初日にはクラッチとブレーキのトラブルがあり、2日目にはセッティングのミスがあったために半日の時間が無駄になってしまいましたが、多くのセッティングを試して、良くなるものと悪くなるもの、両方のデータをたくさん得られました。もっと好いタイムを出したかったのは確かですが、このコースでレースが行なわれるわけでもないし、テストというのはマシンが良くなるセッティングだけでなく、悪くなるセッティング変更というものも把握して行くためのものだと思います。それを僕らはできていました。今年はダラーラにシャシーをスイッチしていますが、オーバル同様にセッティング変更に対してマシンに起こる変化が明確で、セッティングを進め易いマシンですね。去年もここでのテストはそんなに良くはなかったのに、セント・ピータースバーグでは速いマシンにすることができていたので、今年もこのくらいで良いのかな、と考えています。
●ロバート・クラーク:HPD 社長
1 月に行なったフェニックスでのテストよりも、より開幕戦から使用するスペックに近いエンジンを今回は用意した。フェニックスよりも3 台多い18 台が今回のロードコース・テストに集まったが、我々は全く問題なくエンジン供給を行なえ、トラブル・フリーで多くの走行距離をこなすことができた。この2 日間で起きたトラブルは、どれもがエンジン内部のものではなく、冷却系統のコネクションの緩みなどが原因だった。そして、それらのトラブルはすぐに原因を解明し、エンジンにダメージを与えることがなかったため、どのチームも充分な走り込みを行なうことができた。とても満足の行く2 日間のテストになった。今年のエンジンはトラクション・コントロールを搭載していないため、ドライビング・ミスによって規定のエンジン回転数以上までエンジンを回してしまう者が出ることは考えられた。そうなるとエンジンにダメージを与えてしまう可能性があるため、走行前に各チームに対して使用できるエンジン回転数の上限を伝えてあった。そして、我々の指定したリミットを越えるドライバーはなく、どのチームも走行時間終了まで充分な走り込みを行なうことができた。