<Honda>
Photo by Honda
2006年1月26日
■開催日:1月24日(火)〜25日(水)
■開催地:アリゾナ州フェニックス
■サーキット:フェニックス・インターナショナル・レースウェイ
■コース全長: 1マイル/約1.609km
■天気:晴れ
■気温:22℃
IRL IndyCarシリーズは2006年シーズンからHonda Indy V-8を出場全チーム、全ドライバーが使用することとなっている。今回アリゾナ州フェニックスの1マイル・オーバルコースである、フェニックス・インターナショナル・レースウェイにて開催された2日間の合同テストは、2006年シーズンに出場を予定している全チームに参加資格の与えられたIRL主催の合同テストであり、3月下旬のシーズン開幕に向け、全チームに2006年スペックのHonda Indy V-8を実際に走らせる機会を与えることを目的としている。
2005年10月、HondaはIRL IndyCarシリーズへのエンジン供給を2009年まで続けることを発表した。ライバル・エンジン・メーカーたちは2005年いっぱいでIRL IndyCarシリーズから撤退したが、1994年からアメリカのトップ・オープン・ホイール・シリーズに参戦し続けているHondaは、今後もアメリカのモータースポーツ文化を強くサポートする方針を決めている。
アメリカ最高峰のチャンピオンシップであるIRL IndyCarシリーズが、より激しく、エキサイティングなレースを実現し、多くのファンに楽しんでもらうために、Hondaはすべてのエントラントに、十分な信頼性を確保しながら高いパフォーマンスを発揮する新スペック・エンジン=HI6Rを供給する。
7チーム/15台※のマシンがフェニックスに結集し、総勢16名のドライバーが今回のテストで参加した。まだ1月だというのに、アメリカの南西部に位置するフェニックスとあって、初夏を思わせる温暖な気候下でテストは行われ、ほぼすべてのドライバーが200マイル近い走り込みを行った。2日間に渡って行われたテストは、全ドライバーが大きなトラブルもなく走行を終え、Honda Indy V-8エンジンの信頼性の高さを証明した。
2日間でのトップタイムをマークしたのは、アンドレッティ・グリーン・レーシングからターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングに移籍した昨年度チャンピオンのダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)だった。ラップ・タイムは20秒1700で、昨年のレースでのポールポジション・タイムを上回った。
2番手にはダン・ウェルドンのチームメイトで、2003年度チャンピオンのスコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング/ダラーラ)が20秒2472で続き、3番手には2002年、2003年のIndy500ウィナーであるエリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー/ダラーラ)が20秒2707で食い込んだ。
2005年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した、女性ドライバーのダニカ・パトリック(レイホール・レターマン・レーシング/パノス)は、今年もレイホール・レターマン・レーシングからの出場。今シーズンの初走行では20秒7176の自己ベスト・ラップを刻み、2日間総合での13番手となった。
今年は唯一の日本人ドライバーとして出場する松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング/ダラーラ)は、参戦3年目もスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングからのエントリー。シャシーをパノスからダラーラにスイッチし、今回の初ドライブで20秒6469をマークして10番手と、大きな手応えが得られたテストとなった。
※T.シェクターがE.カーペンターのマシンを使用したため、テスト走行車両は15台となる。
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■ダン・ウェルドン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング) 総合1位(20秒1700)
「今回はテストだけれど、トップタイムを出せるのは、どんな時でもとても嬉しいことだ。いいテストにできたからタイムも良かった。新しいチームに移って初めての走行としては、とても良いスタートを切れたと思う。ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングは多くの素晴らしい勝利を挙げてきた優秀なチームなので、今回のようなパフォーマンスを示すことは十分に可能だと考えていた。才能あるエンジニアとの仕事も非常に充実している。今シーズンもタイトルを目指して戦っていく」
■スコット・ディクソン(ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシング) 総合2位(20秒2472)
「Hondaエンジンは非常に素晴らしく、何の不満もない。今年からチームがシャシーをダラーラに変更したが、それも正しい選択だったことが今回のテストでは感じられた。何をどう変更したら、マシンがどのように変わるのかをチェックするのが今回の大きな目的だったが、予定していたプログラムをほぼすべてこなすことができた。マシンのフィーリングは上々で、今年は開幕戦から優勝争いに絡んでいくことができそうだ。もちろん、タイトル奪還だって狙っていく」
■エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー) 総合3位(20秒2707)
「シーズン最初のテストは、非常に満足のいくものとなった。今年から僕は担当エンジニアが新しくなっているので、今回のテストは新しく使うHondaエンジンを試すのと同時に、エンジニアとのコミュニケーションを深めることも目標としていた。そして、それらは両方とも実にスムーズに進んだ。Hondaエンジンはとてもパワーがあり、去年まで自分たちが使っていたエンジンとはキャラクターが異なる。そうしたことにも素早く慣れることが必要だ」
■松浦孝亮(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング) 総合10位(20秒6469)
「今回はダラーラでの初めてのテストだったので、目先のタイムにではなく、エンジニアとともにシャシーをより深く理解することに重点を置いていました。ダラーラにスイッチしたのは正しい判断で、とても良いフィーリングを得ることができました。自己ベストは2セット目のタイヤで、30ラップも走行した時点で記録しました。タイヤがもっと良い状況で、ダウンフォースを削ったセッティングにして走れば、コンマ2秒は速いタイムが出せていたはずです。今シーズンは常にトップ争いに加わっていく戦いをお見せすることができると思います。期待していてください」
■ロバート・クラーク:HPD社長
「2005年シーズンが終了してから、状況が大きく、短時間で変わり、2006年からはHondaがIRL IndyCarシリーズへの単独エンジン・サプライヤーになることが11月の末に決定した。我々は、アメリカのトップ・オープン・ホイール・レース並びにモータースポーツ文化を継続的にサポートしていることに誇りを感じている。単独サプライヤーになるにあたって、我々はIRL、そして全チームに、供給するエンジンがすべて同じパフォーマンスを発揮することを保障している。そうしなければ、健全なレースは実現し得ない。まずはエンジンの信頼性が重要になってくるが、昨年使用していたHI5Rが非常に高い信頼性と十分な耐久性を備えていたことから、その点については大きな心配はいらなかった。去年までHonda以外のエンジンを使っていたドライバーからも、以前からHondaユーザーだったドライバーたちからも、今回のエンジンについて良好な感想が届けられている。ドライバビリティの高さ、単独供給となって耐久性重視となりながらも保たれているパワーなど、ポジティブな印象をほとんどのドライバー、チームが持ってくれている。2006年最初のテストは成功裏に終わった。次回、3月初旬に行われる合同テスト、そして3月下旬のシーズン開幕に向け、さらに入念に準備を進めていく。今シーズンのIndyCarシリーズでは、全チームが高いレベルを保ちながらエキサイティングなレースを繰り広げてくれることを期待している」
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順位 ドライバー チーム タイム
1 D.ウェルドン Target Chip Ganassi / Honda Dallara 20.1700
2 S.ディクソン Target Chip Ganassi / Honda Dallara 20.2472
3 H.カストロネベス Team Penske / Honda Dallara 20.2707
4 S.ホーニッシュJr. Team Penske / Honda Dallara 20.3116
5 B.ハータ Andretti Green Racing / Honda Dallara 20.4295
6 T.カナーン Andretti Green Racing / Honda Dallara 20.5313
7 T.シェクター Vision Racing / Honda Dallara 20.5389
8 E.カーペンター Vision Racing / Honda Dallara 20.5628
9 S.シャープ Delphi Fernandez Racing / Honda Panoz 20.5997
10 松浦孝亮 Super Aguri Fernandez / Honda Dallara 20.6469
11 D.フランキッティ Andretti Green Racing / Honda Dallara 20.6597
12 B.ライス Rahal Letterman Racing / Honda Panoz 20.7134
13 D.パトリック Rahal Letterman Racing / Honda Panoz 20.7176
14 M.アンドレッティ Andretti Green Racing / Honda Dallara 20.7356
15 F.ジアフォーネ A.J. Foyt Racing / Honda Dallara 20.8830
16 P.ダナ Rahal Letterman Racing / Honda Panoz 21.1036