CHAMP CAR

チャンプ・カーのポイントリーダーであるセバスチャン・ボウデイが“チャンプ・カー・ハリケーン・リリーフ400”の予選でポールポジションを獲得、ボーナスポイント加算

【チャンプ・カー・ワールド・シリーズ:2005年9月23日 ラスベガス】
昨年、ブリヂストン・プレゼンツ・チャンプ・カー・ワールドシリーズ・パワード・バイ・フォードがラスベガスでレースを行った際、ニューマン/ハース・レーシングの2台のマシンが、166ラップのレースにおいて0.066秒差でフィニッシュ。チームメイトのブルーノ・ジュンケイラを抑えたセバスチャン・ボウデイ(#1 マクドナルド フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が見事歴代6番目となる僅差で優勝を勝ち取った。風が強かった今日のラスベガス・モーター・スピードウェイでも、ニューマン/ハースの二人のドライバーであるボウデイとオリオール・セルビア(#2 パシフィケア フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は、昨年の息を呑む展開と同様のフォーマンスを披露。ボウデイが “チャンプ・カー・ハリケーン・リリーフ400”の予選で、わずか0.007秒差でポール・ポジションを奪取した。このシリーズ・ポイントリーダーは、一周1.5マイルのラスベガス・モーター・スピードウェイを26.381秒(204.693 mph)で周回し、今季5度目、自己通算で18度目のポール・ポジションを獲得。これによりボーナス・ポイントを加算して合計277ポイントとなったボウデイは、あと4戦を残す時点で2位セルビアとのポイント差を62へと広げた。
26.388秒(204.638mph)のタイムを記録したセルビアは自らを2番グリッドへと並べ、ニューマン/ハース・レーシングを過去4戦中3度目の予選ワンツーへと導いた。そのニューマン/ハース・ペアのすぐ後ろには、PKVレーシングの2台、ジミー・バッサー(#12 ガルフストリーム フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)とクリスチアーノ・ダ・マッタ(#21 ベル・マイクロ フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が2列目の3位と4位を獲得した。
ボウデイは1時間45分のプラクティス・セッションでトップ・タイムを記録し、予選では最後にタイムアタックできる特典を得た。しかしその予選セッションでは、多くのライバル達が予想以上の好タイムを記録する。なかでもルーキー・プラクティスでじっくり走りこみ、マシンのセッティングを上げることに成功したオーストラリア人ルーキーのマーカス・マーシャル(#5 オージー・ヴィネヤーズ フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が、予選前半を過ぎた時点までトップを維持。彼は自らのレースキャリアの中で、最も速いスピードとなった26.974秒(200.193 mph)を体験、結果的に彼にとって予選最高位の予選グリッドを確保した。
マーシャルはマリオ・ドミンゲス(#7 インデック フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が26.638秒(202.718 mph)をマークするまで、暫定トップを維持。しかし2度レース・ウイナーになったことがあるベテラン・メキシカンは、インタビューを受けている間にルーキーのビヨン・ビルトハイム(#4 HVMレーシング フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)が彼のタイムを0.003秒上回ってトップを奪った。
ビルトハイムは自己ベストの5番グリッドを確保し、アンドリュー・レンジャー(#27 タイド・マイ‐ジャック フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)がクリーブランドで獲得した4番グリッドに次ぐ、今シーズンのルーキー中、2番目に高い予選ポジションとなった。
このセッションでは複数のチームがあらかじめ決められた予選出走順位からマシンを引き上げ、天候などのコンディションを見据えながらタイムアタック。予選順位はプラクティスの順位で遅いほうのタイムから順にスタートしてゆくが、決められた順位に出走しなかったマシンは、2周のタイムアタックのうち、1周が削られることになる。今回は18台中6台が一周を犠牲にしても出走順位を遅らせる道を選び、PKVレーシングの2台も最後に出走する作戦、その判断が吉と出たことになる。
昨年のラスベガスで4位入賞を果たしたルドルフォ・ラヴィン(#55 HVMレーシング フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)は1周のみのアタックながら、26.732秒(202.005 mph)で7位のタイムを記録。同じくジャスティン・ウイルソン(#9 CDW フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)も1周のみの計測ラップで、ルースポーツのチームメイトのA.J.オールメンディンガー(#9 インテル フォード‐コスワース/ローラ/ブリヂストン)の後ろ9番グリッドを確保した。

PKVの2台は、日差しを覆う雲が路面を冷やし、わずかでも気温が下がることを祈りながら、通常の予選出走順位から外れて1周のアタックに賭けた。その作戦は見事に功を奏し、2002年のシリーズチャンピオン、ダ・マッタは26.632秒(202.764 mph)のタイムで4番グリッドを確保。バッサーは26.477秒(203.951 mph)のタイムを記録して明日の決勝では3番手からスタート、ただ一人ニューマン/ハース・レーシングの2台に対して、0.1秒以内と迫った。バッサーにとって予選3位は、今年6月のミルウォーキーに次ぐ今シーズン2番目の好位置からのスタートとなる。
予選を終えたすべてのマシンは、ラスベガス・モータースピードウェイのハイバンクで、90分間のナイト・プラクティスを行い、翌土曜日アメリカ西部時間の午後8時半過ぎにスタートする決勝レースへと挑む。
決勝レースの模様は、アメリカ東部時間日曜日午後3時30分からスピード・チャンネルで録画中継される。ライブでレースの中継を観戦したい方は、チャンプ・カーの公式ホームページのRace Directorへログインすることで映像を見ることが可能。アドレスはwww.champcar.ws。 今週末のライブ・レース映像は、インテル社との提携により、The Race Directorを通じて無料配信される。
予選トップ3ドライバーのコメント:
セバスチャン・ボウデイ:
「とてもいい気分だね。まるでマシンの隅々までメカニックが付き添ってくれながら、走ったみたいだった。予選で好結果を出せたのは、すべて彼らの働きのおかげだよ。予選では僕の存在はさほど重要ではなかったと思えるぐらいさ。チームが用意してくれたマシンに乗って、あとはスロットルを全開にするだけだったからね。でもレースではそう簡単にはいかないだろう。うまく周回遅れのトラフィックを処理しながらの走行となるんだ。昨年と同様の結果を出せることを願っているよ。きっといいレースになるはずさ」
オリオール・セルビア:
「強風の中でもマシンの状態はとても良かった。風の状況をよく考えた作戦をとらない限り、どのチームも我々を打ちのめすことはできないとわかっていた。自分達は風が強くなったときに出走したが、その結果はとても良かった。自分としてはとても満足だ。プラクティスではトラフィックのなかでもまずまずの状態だったから、レースに向けて少し手を加えることで、さらに良くなると思う。レースは長い。しかし大事なのは最後の一周だから安全にそこへたどり着く必要がある。そのことを中心に考えなくてはならない。パシフィケアのマシンで表彰台の頂点に上がれることを願っているよ」
ジミー・バッサー:
「チームスタッフは過去数週間のあいだに、マシンの抵抗を少しでも減少させようと、アンダーウイングの下に特殊ワックスをコーティングまでして、精一杯の努力を積み重ねてくれた。その結果、PKVチーム、自分、それにチームメイトのクリスチアーノ・ダ・マッタを予選グリッド2列目に並べることができた。今夜もマシンのレース用セッティングを煮詰めていくために、やることが山ほどあるのは十分に分かっている。我々にとって今日の結果は、決して100パーセント満足のいくものというわけではなかったからね。しかしマシンを仕上げてくれたチームスタッフ全員のおかげが、今日の好結果へと結びついた」
注目のポイント:
・セバスチャン・ボウデイは、3年間のチャンプ・カー・キャリアにおいて、18度目のポール・ポジションを獲得。過去3度シリーズ・チャンピオンに輝いたボビー・レイホールと並び、歴代11位タイとなった。
・今日の予選では1位と2位の差が0.007秒で、ポール・トレイシーがクリスチアーノ・ダ・マッタを抑えたクリーブランドに次いで、今シーズン2番目の僅差となった。
・ポール・トレイシーの連続予選トップ5入りは、10でストップ。彼の予選14位という結果は、2003年のユーロ・スピードウェイで記録した予選16位以来、最悪のものとなった。
・ボウデイはブリヂストン・ポール・アワードで獲得した賞金のなかから、$5