INDY CAR

松浦孝亮、16番グリッドからパイクスピーク戦に挑む! 新型フロントウイングを導入し、決勝用セッティングは良好

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第13戦「Hondaインディ225」
日程:8月20〜21日
開催地:コロラド州ファウンテン
コース:パイクスピーク・インターナショナル・レースウェイ
距離:1マイル(1.609km)
■■■8月20日予選■■■
天候:晴れのち曇り/気温:17℃/時間:16時00分〜(日本時間21日7時00分〜)
<16番手のスターティンググリッド>————————————
標高1600m以上、アメリカで最も高地にある舗装オーバルコースのパイクスピーク・インターナショナル・レースウェイで始まった“Hondaインディ225”。走行初日は2回のプラクティスと予選が行われ、パナソニックARTA/パノス・Hondaを駆る松浦孝亮は、出場22台中5番目のアタッカーとして予選に臨み、20秒9296=平均時速172.005マイル(276.756km/h)を記録して16番手のスターティンググリッドを獲得した。
<新エアロパッケージ導入>——————————————
今回のレースから、松浦のマシンには新しいフロントウイングがパノスシャシーに導入された。フラップがまったく新しい形状になり、ダウンフォースは20ポンド(約9kg)増大。今年型のアンダートレイにさらにマッチしたウイングへと改められたことで、レースでの安定感が増すことが期待されている。
プラクティス1回目に松浦が記録したベストタイムは21秒0908=平均時速170.691マイル(274.641km/h)。まずは22台出場中の12番手につけた。1時間45分という短いインターバルの後に行われたプラクティス2回目、松浦のポジションは15番手に下がったが、ラップタイムは20秒8603=平均時速172.577マイル(277.676km/h)まで縮めた。
<コンディションの不利もあり、自己ベストを上まわれず>—————-
雨雲が近づいていたがスピードウェイの北側を通り抜けたため、予定通りの夕方4時に予選はスタートした。松浦のアタック順は5番目。予選が始まってから気温が下がっていったため、早いアタック順は多少不利な面があった。気温が低くなればダウンフォースの量が増え、より安定して走れるコンディションになるからだ。風が強いためにギヤ比の選択も難しく、松浦はプラクティス中の自己ベストを上回ることができなかった。
<決勝セッティングに手ごたえ>—————————————-
しかし、松浦の表情は決して険しくない。決勝用のマシンセッティングに手ごたえをつかんでいるからだ。高地にあるパイクスピークのコースでは、気圧が低く、平地に比べるとダウンフォースの量が少ない。このためにタイヤにかかる負担は大きく、タイヤに優しいセッティングに仕上げることが決勝では重要である。今回もスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは決勝用セッティングを重視して、プラクティス2回、合計90分間の走行を重ね、新ウイングの効果もあってか、レコードラインではないイン側も自由に走れるハンドリングを確保することができている。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「決勝用セッティングにはアドバンテージがある。決勝が楽しみです」
「マシンの調子はとてもいいですね。メカニカル、空力ともにグリップが得られています。しかし、予選ではもう少しダウンフォースを削った方が良かったのかもしれません。それに、プラクティスまでとは正反対の風向きになっていたため、6速のギヤが短かすぎましたね。今日はコンディションの読みがとても難しい1日でした。パイクスピークは2ワイドでも走れるユニークなショートオーバルですから、レース用セッティングがとても重要になってきます。タイヤのライフが短いコースなので、その点をクリアできればいいレースができるはずです。自分たちはプラクティスで決勝用セッティングをかなり詰めていますし、タイヤに負担をかけないセッティングを出せています。この点に関してはアドバンテージを持っているので、明日のレースが楽しみです。今回は新しいフロントウイングを投入したので、フロントのダウンフォースが増えています。トラフィックでのハンドリングの良否が決勝レースでは重要となってくるので、その効果を期待しています」
<トム・アンダーソン:マネージングディレクター>
「新しいウイングの導入により、ショートオーバルでのパフォーマンスは向上するはず」
「昨年と比較して、我々は大きな進歩を遂げている。昨年のパイクスピーク戦ではプラクティス中に大きなアクシデントを起こしたが、今年は注意深くプラクティスと予選にアプローチし、コウスケはレース中に使うのとほぼ同じラインを保ち、イン側のラインを走らなかった。チームとしてコウスケに自信を持たせ、勢いを持ってレースに臨める体制を整えたいと考えている。コウスケが乗りやすいと感じられるマシンを用意することさえできれば、彼はいいレースを戦ってくれる。決勝用セッティングは決まっているので、レースでは良い結果を得られるはずだ。新しいウイングはドラッグを最小限に抑えたままダウンフォースを増加させている。我々はパノスがそうしたウイングを開発してくれたことを喜んでいる。レイホール・レターマン・レーシングは新旧両方のウイングをテストし、実際の走行でも風洞で確かめられた効果があることを確認したようだ。これでショートオーバルでのパフォーマンスが向上することは間違いないだろう」