INDY CAR

松浦孝亮、コンディションに適応できず予選20位に。だが、レースに向けたマシンの仕上がりは良好!

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第10戦 「ABCサプライ・AJ.フォイト225」
日程:7月22〜24日
開催地:ウィスコンシン州ウエストアリス
コース:ザ・ミルウォーキー・マイル
距離:1マイル(1.609km)×225周
■■■7月23日予選■■■
天候:曇りのち晴れ/気温:28℃/時間12:35〜(日本時間24日午前2:35〜)
<予報に反して酷暑とはならなかった予選>——————————
走行初日だった金曜日、スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングは走行時間のほぼすべてを決勝用セッティングの煮詰めに費やした。そこで得られたデータから、パナソニックARTA/パノス・Hondaのマシンセッティングにさらなる変更を施し、走行2日目を迎えた。 午前10時15分、プラクティス3回目がスタート。ピットを勢い良く飛び出していった松浦孝亮は、昨日のベストだった23秒1183から約1秒近く縮める22秒2776をマークした。天気予報では日中の気温は35℃以上の高温になると言われているミルウォーキー地方だったが、その予報は大きく外れた。午前中は雲が空を覆ったたままで、気温は最高が26℃。路面温度も上がらず、タイムを出すのに適したコンディションとなっていた。
<プラクティス時のタイムに及ばず>————————————
予選が始まったのは、昼過ぎの午後12時35分。気温は若干上がったものの、やはり予報のような猛暑とはならなかった。ターン1側からターン4側へと向けて風も吹き始めたため、暑さに苦しむというより、心地よささえ感ずるほどの天候下で予選はスタートした。
松浦のアタック順は10番手。午前中のパフォーマンスの良さから期待に胸を膨らませての走行だったが、計測1周目は22秒8806と思うようなタイムを出せなかった。計測2周目は1周目よりも僅かに速い22秒7194を記録。完全なる単独走行であるとはいえ、プラクティス時のラップタイムに及ばず、松浦のスターティンググリッドは20番手と決まった。
<コンディション変化を読み切れず、マシンはアンダーステアに>———–
パナソニックARTA/パノス・Hondaのハンドリングは、予選を通じて大きなアンダーステアとなっていた。プラクティス時よりも気温が上がり始めていたことから、それに対応してスーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングはセッティングを調整し、ギヤ比も変更してアタックに臨んだが、コーナーがフラットなミルウォーキーのようなコースでは、気温などのコンディション変化がマシンのハンドリングにもたらす影響が大きい。それがエンジニアたちの想定を大きく上回るものとなっていたようだ。
■■■コメント■■■
<松浦孝亮>
「予選と決勝は別もの。明日は全力を出し切って頑張ります」
「これまでで最悪の予選でしたね。朝のプラクティスではクルマが結構いい感じに仕上がっていました。2セット目のタイヤで走ろうとしたところでイエローが出たので、タイムはそんなに良くありませんでしたが、クルマのフィーリングは良かったんです。そこからさらに改良したセッティングで予選に臨み、21秒の後半は出せると考えていました。しかし、アンダーステアがとても大きく、そんなレベルのマシンにはなっていませんでした。計測1周目の最終コーナーでアンダーが出て、そこで大きくタイムロス。それが計測2周目にも悪影響を与える結果となりました。チームメイトのスコット・シャープも同じ状態だったそうです。今週はずっとターン1からターン2側でのアンダーステアが大きかったのですが、予選ではターン3からターン4のアンダーが強くなっていました。予選に向けてのセッティング変更の方向性が間違っていたわけではありません。気温や路面温度も上がり、風も出ていた。そういうコンディションの変化に対応がし切れていなかったという面が大きかった。レースは走ってみないとわからない部分があります。今調子の良いクルマがレースでもその状態を保てるかはわからないですからね。とにかく全力を出し切って頑張ります。予選とレースは別ものですし、明日はいいレースを戦えるようにしたいと考えています」
<サイモン・ホジソン:チーム・マネージャー>
「レースではいかに安定したラップタイムを出せるかが勝負になる」
「プラクティスでは、ターン1とターン2でのアンダーステアが出ていたが、ハンドリングは昨日に比べて上向きだった。フロントのグリップをどうしても上げることができず、セッティング変更を行って、そこからバランス取りを進めていった。予選ではコンディションに大きな変化があり、我々はその変化に対応をし切れなかったようだ。まったくマシンが曲がらない状況ではドライバーは走らせることはできない。ターン1からターン2だけでなく、コース全体でアンダーステアになっていた。コーナーでスピードを維持できず、ストレートへと高いスピードで入ることができなかった。ファイナルプラクティスで最後の調整を行い、少しでも良いマシンに仕上げたい。決勝用のセットアップは、今のものから少し戻したものに落ち着くこととなりそうだ。明日のレースは高温下で行われるだろう。そうなれば、路面はかなり滑りやすくなる。サスペンションをいくぶん柔らかめにセットするのが良いだろう。ラップタイムは予選などよりも大幅に遅くなるはずだ。そうなれば、あとはいかにレースを通して安定したラップタイムを刻めるマシンにできるかが勝負になる」