<US-RACING>
7回もイエローが発生し、合計69周もコーションとなった大荒れのレースで、150周目からトップを守り続けたカストロネベスが今季初優勝を遂げる。刻々と路面状況が変わるコンディションの中、目の前に何度も現れるバックマーカーを巧みに処理したカストロネベス。最高のハンドリングを見せたトヨタ・ダラーラが今季2勝目を挙げた。2位はホンダ勢最上位となるフランキッティで、3位にはインディ参戦以来最高位をマークしたカーパンティが入る。日本勢は松浦が難コースを最後まで走りきって9位、安川は残り9周で接触し、クラッシュするアクシデントに見舞われたが無事。
Lap by Lap レポート
・レースは187.5マイル(250ラップ×0.75マイル)
・ピットレーンの制限速度は60 mph
・グリーン・フラッグはパレードラップ開始から5周目に振られる。
・リッチモンド・インターナショナル・レースウェイ初年度開催時のポールウイナーのジャック・ラズィアが、シボレーSSRペースカーをドライブして隊列を先導する。
・使用可能な燃料の量は85ガロン。 ピットストップは毎85−90ラップごとの予定
・午後7時45分、気温は28度で湿度47%。 路面温度は41度。
・午後7時50分、バージニア州ナショナルガード所属のリック・ターナー大佐の掛け声で、エンジン・スタート。22台のマシンがグリッドを離れてペースラップに入る。
Lap 1:Sun Trust mid Atlanic社長のC.T.ヒル氏がグリーン・フラッグを振り下ろしてレースがスタート。ホーニッシュがカストロネベスを従えてターン1へ進入。
Lap 6:フルコース・コーション。フォイトがバック・ストレートで単独スピン。そのまま体制を立て直してピットインする。
Lap 8:ピットレポート:ディクソンがピットイン、燃料補給のみでピットアウト。
Lap 11:グリーン・フラッグ。ホーニッシュがリードしてターン1へ進入。
Lap 15:ホーニッシュがカストロネベスを0.6283秒リード。
Lap 20:ホーニッシュがカストロネベスを0.8153秒リード。
Lap 25:ホーニッシュがカストロネベスを1.0414秒リード。
Lap 30:ホーニッシュがカストロネベスを0.7977秒リード。
Lap 35:周回遅れが目立ち始める中をホーニッシュがカストロネベスを2.5429秒リード。
Lap 39:フルコース・コーション。ディクソンとフランキッティがターン2で接触。ディクソンは左に4分の1回転してセーファー・バリアへ衝突。マシン後方に致命的なダメージを受ける。ディクソンはセーフティ・チームの助けを借りずに自力でマシンから脱出する。
Lap 42:この時点での順位はトップがホーニッシュで、以下カストロネベス、ブリスコー、フランキッティ、ウェルドン。トップグループがピットインしてタイヤ4本交換と燃料補給を行なう。メイラとライスはピットインせず。マニングはタイヤ4本交換と燃料補給に加えてフロントウイングの調整を行なう。カナーンは燃料補給のみ。トップでピットアウトしたのはホーニッシュで、以下カストロネベス、ブリスコー、ウェルドン、フランキッティが追う。
Lap 52:グリーン・フラッグ。メイラがリードしてターン1へ進入。
Lap 55:メイラがライスを1.5615秒リード。
Lap 61:メイラがライスを1.8440秒リード。
Lap 65:メイラがライスを1.7961秒リード。
Lap 70:メイラがカストロネベスを2.1497秒リード。
Lap 75:メイラがカストロネベスを3.838秒リード。
Lap 80:メイラがカストロネベスを0.1928秒リード。
Lap 83:カストロネベスとホーニッシュがターン2でメイラをパス。カストロネベスが後続に0.3970秒リード。
Lap 89:フルコース・コーション。周回遅れが目立つ中、ブリスコーが単独スピンを喫してターン4のSAFERバリアにマシンのリアから激突。 ブリスコーはセーフティ・チームの到着を待たずに自力でマシンから脱出する。
Lap 90:フルコース・コーション下での順位は、カストロネベス、ホーニッシュ、メイラ、フランキッティ、ウェルドン。
Lap 93:トップグループがピットイン。タイヤ4本交換と燃料補給を行なう。フランキッティとシャープ、それにハータはピットインせず。カストロネベスが最初にピットアウトし、ホーニッシュ、メイラ、カーパンティエ、ウェルドンらがこれに続く。
メディカル情報:ディクソンとブリスコーはそれぞれ診断を受けた結果、運転に支障なしとのことでインフィールドのメディカル・センターから解放される。
Lap 102:グリーン・フラッグ。フランキッティがトップでターン1へ進入。
Lap 105 フランキッティがシャープに0.7499秒リード。
Lap 110:フランキッティがシャープに0.7489秒リード。
Lap 115:フランキッティがシャープを1.0062秒リード。
リタイアしたディクソンのコメント:「ターン1で接近して走っていたらダリオ(フランキッティ)が外側からインサイドへと下がってきた。彼のマシンが僕のマシンに接触したのだろう。そのあと外壁に衝突してしまった」
リタイアしたブリスコーのコメント:「レーシングライン上に乗って走行中に、ダンのマシンを避けようとしてマーブル(タイヤかす)に乗ってしまったよ」
Lap 125:周回遅れの中を走行するなか、フランキッティがシャープに0.3897秒リード。
Lap 130:フランキッティがシャープを2.6151秒リード。
Lap 136:周回遅れで混み合うなか、フランキッティがカストロネベスを5.077秒リード。
Lap 145:周回遅れの中を走行するなか、フランキッティがシャープを0.7229秒リード。その後方でアクシデントが発生してフルコース・コーション。ハータとカナーンがターン4で接触。カナーンがスピンしたところにメイラが巻き込まれ、ターン4出口付近のせーファー・バリアに衝突。メイラのマシンの右側が破損する。カナーンはノーズコーンにダメージを負ったため、IRTセーフティ・チームがこれをピットレーンまで搬送する。
Lap 149:トップ・グループがピット・インしてタイヤ4本交換と燃料補給を行なう。カストロネベスがトップでピットアウト。フランキッティ、ホーニッシュ、シャープ、カーパンティエ等がこれに続く。
メディカル情報:メイラがメディカルセンターでの診断後、異常なしとのことで解放される。
・カナーンのDNFは2003年8月のナザレス以来。彼はここまで25戦連続でレースを完走してきた。
Lap 160:グリーン・フラッグ。カストロネベスがターン1の進入でフランキッティの前に出る。
Lap 165:フルコース・コーション。ホーニッシュがターン4でスピンし、セーファー・バリアへ衝突。慣性の付いたマシンはバンクを下がり、コース内側のコンクリートフェンスに衝突する。ホーニッシュは自力でマシンを脱出。
Lap 175:グリーン・フラッグ。カストロネベスがフランキッティをターン1でかわしてトップに立つ。
Lap 180:カストロネベスがフランキッティを0.8072秒リード
Lap185:カストロネベスがフランキッティを1.5395秒リード
リタイアしたカナーンのコメント:
「チームメイトとの衝突を避けるべく、インフィールドのエスケープゾーンへ入ったところでスピンしてしまった。彼を巻き込まなくて本当に良かったよ。1年7ヶ月振りのDNFで、 セブンイレブンのチームクルーには残念な結果となってしまった。いつかこうなる(DNF)とは覚悟していたが、今日がその日となってしまったわけだ。レースウィークに入ってから余り調子がいいとはいえない状況だったけど、嫌なことはさっさと忘れて、次回のカンザスへ向かうとするよ」
Lap 195:カストロネベスがフランキッティを0.9246秒リード
Lap 200:カストロネベスがフランキッティを1.7357秒リード
Lap 201:安川と接触したシャープがスピンし、ターン2のせーファーバリアに接触。マシンはそのままコースを走ってピットに戻るが、リタイアに終わる。
リタイアしたメイラのコメント:
かつて体験したことがないほど、忙しかったよ。今日は何かが起きると予感していたんだ。残念なことに、トニー(カナーン)がブライアン(ハータ)に追突し、トニーがスピンして僕は行き場がなくなった。そのとき、ポジションを下げないように注意していたんだけどね。レースの序盤はとてもいいクルマだった。
Lap 208:グリーン。カストロネベスがフランキッティをリードしてターン1へ。
Lap 215:カストロネベスがフランキッティを1.3240秒リード
Lap 221:カストロネベスがフランキッティを0.9409秒リード
Lap 225:カストロネベスがフランキッティを0.7712秒リード
Lap 230:カストロネベスがフランキッティを1.5073秒リード
Lap 235:カストロネベスがフランキッティを2.1868秒リード
Lap 237:3位を走っていたエンゲに、ブロッキングのペナルティ
Lap 240:カストロネベスがフランキッティを1.8053秒リード
Lap 241:イエロー。ターン2でマニングと安川が接触し、両者ともターン2のせーファー・バリアに激突。
Lap 249:グリーン&ホワイト。カストロネベスがフランキッティを0.9409秒リード
Lap 250:チェッカー。カストロネベスが0.5588秒リードしてレースをフィニッシュ
・カストロネベスにとって今季初優勝であり、インディ・カー・シリーズのキャリアにおいて通算7勝目。2004年10月の最終戦テキサスで優勝して以来の勝利だ。今シーズンにおけるベストフィニッシュは、3月のフェニックスでの2位だった。
・マールボロ・チーム・ペンスキーにとって今年2勝目、インディ・カー・シリーズでは14勝目となる。チームはリッチモンドで初優勝。これまでのリッチモンドにおける最高位は2002年のド・フェランの2位だった。
・フランキッティは今季ベストフィニッシュとなる2位。今シーズンのこれまでのベストはセント・ピーターズバーグにおける3位だった。
・カーパンティエの3位フィニッシュは過去最高位。これまでのベストは開幕戦ホームステッドにおける7位だった
メディカル情報:ホーニッシュJr.、マニング、安川の3人は、インフィールドのケア・センターでチェックを受けた後に解放される。ドライブに支障は無し。