<US-RACING>
昨日を上回る暑さに見舞われたクリーブランドだが、同様に予選も初日を凌ぐエキサイティングな展開となった。クリーブランド3連勝を狙うボウデイが序盤に昨日のトップタイムを1秒近く短縮してトップに君臨。2004年チャンピオンの実力を見せつける。だが中盤になって昨日のトップであるダ・マッタがボウデイを上回り、さらに終盤を迎えてトレイシーがトップに躍進。コース・レコードとともに2年連続の予選トップとなったが、ペナルティでトップ・タイムを剥奪された上でのポール・ポジションだった。●プラクティス3:二日目も好調なダ・マッタがトップ
白熱の予選から一夜明けた土曜日。今日も快晴に恵まれたクリーブランドで、朝から気温30度と蒸し暑いコンディションとなった。昨日同様ダ・マッタが好調を維持するのか、それともこのクリーブランドで2連勝中のボウデイが巻き返すのか。注目の二日目、午前のプラクティスでトップとなったのは、またしてもダ・マッタだった。それも昨日の予選タイムを1秒近く縮める57.598秒をマーク。2位はボウデイで57.776秒、3位は前戦ポートランドのポール・シッター、ウイルソンが57.924秒でこの3人が57秒台に突入する。
●プラクティス4:やっとボウデイがトップ・タイムをマーク
湖沿いのコースだけに湿度も高く、気温も34度まで上昇した午後のクリーブランド。最終予選を前に15分だけで行われるプラクティスで、大方の予想どおり、2年連続ウイナーのボウデイがトップ・タイムをマークする。気温が上がったせいか、朝のタイムを更新することはなく、57.754秒。2位はダ・マッタで57.819秒と、この二人だけが57秒台となった。3位は昨年のポール・シッターであるトレイシーで、58.110秒を記録。いよいよ本領を発揮してきたボウデイと、昨日から好調なダ・マッタを破り、トレイシーの2年連続ポールとなるか。
●最終予選:3人のチャンピオンによる凄まじい攻防をトレイシーが制す
午後3時25分に始まった最終予選。ダ・マッタの活躍が刺激になったのか、開始早々トレイシーやボウデイといったトップ・ランカーたちが次々とコース・インし、最初からボルテージが高まっていく。ふたりは早速2周目からアタックを開始したが、トレイシーがターン10の出口でコントロールを失ってスピン。フロント・ウイングのエンドプレートを破損しただけで無事にコースへと復帰するも、そこへアタック中のボウデイがニアミスして緊張が走る。トレイシーをなんとか回避したボウデイは、その後これまでのベストとなる57.559秒をマークし、2番手に圧倒的な差をつけた。
チャンピオンの実力を見せつけるスーパー・ラップが飛び出し、歓声で沸いたグランド・スタンド。相反するように、3時31分、トレイシーはボウデイのアタックを邪魔したとして、トップ・タイム剥奪のペナルティが科せられることになった。くっきりと明暗を分けた序盤の予選、セッションは中盤を迎えて昨日のトップ、ダ・マッタがアタックを開始する。2002年のポール・シッターは3時44分に昨日のタイムを上回る57.934秒を記録し、その翌周、ボウデイを凌ぐ57.424秒をマーク。再び場内が歓声で沸いた。セッションは残り15分、このままダ・マッタがトップを守りきるか。
午後3時50分となり、チェッカーまで10分となった予選。ここでグランドスタンドからまたも大歓声が上がることになる。序盤にスピンを喫して離脱していたトレイシーが、コース・レコードをブレイクする57.404秒を叩き出す。それもアタックが許されている最後の周、14周目のことだった。終盤、残り6分でダ・マッタが最後のアタックに出たが、ターン11で無念のコース・オフ。トレイシー、ダ・マッタ、ボウデイの順で予選は残り4分となったが、オールメンディンガーがターン8のタイヤバリアに激突して赤旗&チェッカーとなり、昨日以上に白熱した予選はここで終わることになった。
ボウデイを妨害したとして、ペナルティを科せられたトレイシーはトップ・タイムを剥奪されることになっていたが、注目の2番目のタイムは57.419秒! 2位のダ・マッタとわずか0.05秒差で、トレイシーの2年連続ポール・ポジションが決まった。ダ・マッタは総合2位に終わったが、すでに昨日フロントローを決めている。2003年にルーキーながらここでポール・ポジションを獲っていた昨年の王者ボウデイは、二人の前チャンピオンの後塵を拝して3位。クリーブランド3連覇が危うくなってきた。4位にはカナディアン・ルーキーのレンジャーが入り、こちらも大きな注目を集めている。