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●チャンプ・カー・ワールド・シリーズ第2戦モンテレイ【決勝】フォト&レポート

<US-RACING>

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アクシデントに見舞われたボウデイは後退し、トレイシーもリタイアして最強のライバル二人が消滅。おまけに、ギャンブルに出て前を走行していたルーキーたちは、ことごとくタイミングが合わずに後退するなど、ジュンケイラにとってこれ以上ない最高の展開となった。「こんなに暑い中でミスなく走ることは、ドライバーにとってほんとうにハードなことだよ。普段は絶対にしないようなドライバーがミスをしたのは、この暑さのせいだというのをみんな見たと思う。僕はこういう暑い中でトレーニングをしてきたのは事実で、それが違いを生んだんじゃないかな。パシフィケアのクルマはとても速かったし、今シーズンの初優勝を獲得できてハッピーだよ」とジュンケイラ。暑さにめっぽう強いブラジリアンは、表彰台の上でジャンプして喜んでいた。

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気温36度の酷暑の中でスタートした第2戦、ポール・ポジションからボウデイが好スタートを決め、トレイシーがウイルソンをパスして2番手に浮上。後続ではヴィルトハイムが縁石に乗り上げて一瞬宙に浮いたが、大きなアクシデントにはいたらず、全車が無事にスタート切った。この週末、無敵と言っていいほどの速さをみせつけたボウデイのリードが続くかと思われたが、コーションを利用してトップ・グループがいっせいに最初のピット・インを行った際、トレイシーが前に出ることに成功。開幕戦ロング・ビーチ同様、全員がトレイシーVSボウデイの激しいバトルを期待したのはいうまでもない。

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オプションのレッド・タイヤがなかった今回、トレイシーとボウデイの完全なガチンコ勝負に注目が集まる。だが、48周目にトレイシーのインに飛び込んだボウデイはトレイシーをアウト側に押し出すような形となり、立ち上がりで右リア・タイヤがトレイシーの左タイヤと接触。ボウデイはタイヤ交換で済んだものの、トレイシーは写真のようにダメージがひどく、リタイアを余儀なくされた。一方、トレイシーのチームメイトであるドミンゲスも56周目にヴァッサーと接触して戦線離脱。マシンから降りた二人に、健闘を称える地元の観客からすさまじい大歓声が上がった。

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今年からチーム・オーストラリア・レーシング(ウォーカーとパートナーシップを組んでできた新チーム)に移籍したタグリアーニが、2戦目で3位表彰台を獲得。その同じカナディアンの先輩をパスし、2位でフィニッシュしたのはアトランティック出身のルーキー、レンジャーだった。「とてもいい気分だね。僕らは予選で14位だったからとてもタフな一日だったし、実際に大変なレースだったよ。クルマはとても素晴らしく、今日、このような素晴らしいパフォーマンスをチームが披露したことは、すごいことだと思う」と18歳のレンジャーは大喜び。後輩にシャンペンを浴びせて祝福したタグリアーニも、「我々にとって今年はローラで最初のシーズンであり、チームはとても良いポテンシャルを見せることができた」とご機嫌だった。

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ベテランたちのバトルも見応えあったが、果敢にギャンブルに挑んだルーキーたちも、今回のレースをおおいに盛り上げた。トップ・グループより7周も早い39周目にピット・インし、最後まで走りきる作戦に出たHVMのヴィルトハイムは、フィリップがピットインしたあとにトップへ浮上。10周に渡ってレースをリードするものの、タイヤが厳しくなった上に、プッシュ・トゥ・パスも使い切って後退してしまう。一方、昨年ルーキー・シーズンを送っていたフィリップ(写真下)は、途中チームを変わるなど、あまり芳しくない評価を受けていたが、厳しいコンディションの中でミスすることなく、最多リードラップを記録。ギャンブル故のトップ走行だったが、その成長ぶりを十分にアピールできたと言っていいだろう。今シーズンはポテンシャルの高いルーキーや若手が多く、彼らの活躍も見逃せない要素となっている。

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今年で5年目を迎えたモンテレイのレース。始まった当初は、メキシコの治安が悪いという情報ばかりが気になってしまい、いつもビクビクしていたのを思い出す。ブラジル取材である程度慣れてはいたのだが、たしかに街は危なそうなところもあり、絶対に足を踏み入れたくないと感じることもしばしば。でも、しっかりとしたホテルに泊まり、足さえ確保してしまえば、ある意味アメリカよりもいいかもしれない。メキシコ人の熱狂的な大歓声を聞きながらレースを取材するおもしろさや、スタッフのフレンドリーさ、それに物価の安さや、メキシコ料理のうまさなど、最近はずいぶんとエンジョイできるようになった。カメラマンのH・Sではないが、美女が多いのも事実であり、アメリカでは決して得られない華やかな雰囲気もいい。今回は20万人近い観客がこの週末に訪れ、5年間で100万人以上を記録したモンテレイ。日本のファンにも、この素晴らしいレースをぜひとも味わって欲しいと思う。