<TOYOTA>
第89回インディアナポリス・500マイル・レース(通称“インディ500”)の決勝レースが5月29日(日)に行われる。世界三大レースの一つである“インディ500”は、IRLインディカーシリーズの第5戦として行われるが、それ以上に、アメリカで最も長い歴史を誇り、毎年40万人とも言われる大観衆を集めるビッグイベントでもある。1周2.5マイル(4.023km)のオーバルコースで行われるこの伝統のレースは、5月第1週から3週間以上に渡って、公式練習や予選などが行われ、決勝レースの1週間前である5月22日(日)の“バンプ・デー”で決勝レースへのスターティンググリッドが決定した。
昨年まで3回、3日間で行われていた予選は、今年から4回、4日間(土・日を2週)で行われ、最初の3回で、上位から11台ずつ決勝グリッドの33台分が決定、予選最終日の“バンプ・デー”を迎えるという新たな予選システムが採用された。
5月14日(土)に予定されていた予選1回目(通称“ポール・デー”)は、雨で中止となり、予選2回目が予定されていた翌5月15日(日)に、22番手グリッドまでが決定された。
トヨタ勢では、同一シャシーを使って再アタックを出来るという今年からの新しいルールを利用し、2度目のアタックで見事な走りを見せたペンスキーのS.ホーニッシュ・Jr.が、2番手タイムをマーク。決勝レースでの最前列グリッドを獲得した。チームメイトのH.カストロネベスは、4番手につけていたが、そのタイムを破棄して終盤に再アタック。しかし、タイムを縮めることは出来ず、5番手グリッドから決勝レースへ臨むこととなった。今年、“インディ500”初参戦となるR.ブリスコは、最初のアタックでクラッシュ。終盤Tカーで再度アタックを行ったが、タイムが伸びず、途中でアタックを中止。予選3回目に24番手グリッドを確保した。
また、予選最終日の“バンプ・デー”では、急遽参戦を決めたトヨタエンジン搭載のF.ジャフォーネが、既に埋まっていた33番手グリッドを“バンプアウト”。グリッド最後尾からの決勝進出を決めた。
2003年に初参戦で日本メーカー”インディ500”初制覇を果たしたトヨタは、昨年勝利を逃し、今年はその雪辱戦となる。予選通過を果たした「トヨタRV8I」エンジンを搭載する7チーム14台のドライバーとともに、5月29日(日)に500マイル(800km)で行われる決勝レースへと挑む。
S.ホーニッシュ・Jr.(チーム・ペンスキー)のコメント:
一旦、グリッドを捨てて再アタックするというのは大きな賭けだった。降雨やクラッシュというリスクもあった。決勝レースのためには、ポールポジションや1、2列目のグリッドが必ずしも必要でないことはわかっていたが、結果的に最前列グリッドが得られたことに満足している。決勝レースでは今年こそ勝利を掴むべく全力を尽くす。
R.ブリスコ(チップ・ガナッシ・レーシング)のコメント:
望んでいたポジションとは言い難いが、恐らくトップ10に入れるだけの充分なスピードがあった予選1回目でレースカーを失ってしまったことを考えれば、結果には満足している。予選を通過出来、この偉大な伝統的イベントに参加出来るのは特別な思いだ。初出場となる”インディ500”決勝レースへ向け、チームと共に立ち向かっていく。