INDY CAR

松浦孝亮、総合4番手で4日間のプラクティスを終了。明日の予選でポールポジション、そしてフロントロウ獲得を目指す

<SUPER AGURI FERNANDEZ RACING>
2005 IRLインディカー・シリーズ第5戦「第89回インディ500」
■■■イベントデータ■■■
日程:5月10〜29日
開催地:インディアナ州インディアナポリス・モーター・スピードウェイ
距離:2.5マイル(4.022km)
■■■5月13日 予選プレビュー■■■
<松浦孝亮、走行初日から好調を維持>——————————
今年で89回目の開催を迎えるインディ500。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングにとっては2003年からの連続3回目、松浦孝亮にとっては去年に続く2回目のチャレンジである。パナソニックARTA/パノス・Hondaに乗る松浦孝亮は、5月10日の走行初日からマシンの仕上がりも良く、着実に高いスピードを記録して来ている。プラクティス3日目だった5月12日には、平均時速227.375mph(365.846km/h)の自己ベスト=39秒5822をマーク。このラップは、4日間あったプラクティスの総合で4位につけるものだ。ポールデイと呼ばれる5月14日の予選初日、松浦はポールポジション獲得も視野に入れた戦いに臨む。
<インディ500のみで行われる4ラップ連続アタック>————————-
インディ500では、通常のレースとは違って一列に3グリッドが並ぶ。ポールポジションから3位までがフロントロウからスタートできるのだ。スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシングと松浦は、伝統のレースを出場33台の最前列からスタートする権利を、明日の予選で獲得するべくチャレンジを行なう。
インディ500では、予選の方式も他のレースとは異なる。予選アタックの順番をくじ引きで決定する点、ひとりずつがタイムアタックを行なう点は変わらないが、計測2周のうちの良い方が予選タイムとして採用されるのではなく、ひとりひとりが4周連続で走り、そのタイムを競い合う。全長2.5マイルのコースを4周=10マイルという長距離に及ぶアタックは、ドライバーに高度の集中力を長い時間に渡って保つことを要求する。そして、マシンも4周に渡って安定したパフォーマンスを発揮するものでなくてはならない。テクニカル面にも、メンタル面にとっても非常に過酷な予選であると言える。
<128周を走りこんで予選に臨む>——————————
昨年までのインディ500では、走行開始から予選初日までの間に6日間に渡ってプラクティスが行われ、毎日午前11時から午後6時までの7時間もの走行時間が用意されていた。ところが、今年は第1週目の日曜、月曜がルーキー・オリエンテーション・プログラムに充てられ、インディ500出場経験のあるドライバーたちが走行を始めたのは、火曜日だった。また、走行時間もスタートが正午となり、毎日の走行時間が1時間短くなっている。
それでも、6時間×4日間という、他のレースと比べて明らかに多くのプラクティス・タイムが全チームに与えられた。
松浦はプラクティスをスペアカーで走り始めたが、そちらは8周を行なっただけでガレージへとしまい、その後はプライマリーカーでの走り込みを続けて来ている。その周回数は128周に及び、この中で予選用と決勝用のセッティングを重ねて来た。走行2日目には他車のアクシデントが目の前で発生したため、スピンしてこれを回避。ウォールにクラッシュする最悪の事態は避けたが、アクシデントを起こした車から飛び散った破片によってパナソニックARTA/パノス・Hondaはダメージを受けた。しかし、プライマリーカーは修復が可能な状態で、3日目から松浦は走行を再開し、明日の予選を迎えることとなった。
■■■コメント■■■ 
<松浦孝亮>
「225マイル後半以上のスピードで3列目より前を目指す」
「明日はいよいよ予選です。マシンの調子は、本当に満足できる状態ではありません。バディ・ライスのアクシデントでダメージを受けてから、どうもいい感じがしません。まだその原因が完全には明らかになっていないので、昨日もクルーたちは夜遅くまでマシンのボディワークをチェックしてくれ、どこか悪いところがないかを探してくれています。明日に向けても、彼らがもう一度チェックをしてくれます。予選では7位から9位ぐらいのポジションは獲得できると考えています。アタックはプライマリーカーで行い、バックアップカーは使わない予定です。明日のコンディションにもよりますが、今日までとほぼ同じだとしたら、自分としては225マイルの後半か、226マイルの前半のスピードが出せると考えています。このスピードが出せれば、ポールデイにグリッドの決定するトップ11には入れるはずです。今年は予選ルールが新しくなっていて、一度アタックを終えても、もう一度チャンスをもらえます。だから自分たちも2回はアタックをしようと考えています」
<鈴木亜久里 チーム代表>
「あくまで決勝用マシンのセットアップ重視」
「予選より大事なのは決勝だから、タービュランスの中でもキッチリ走れるクルマを作りたい。インディ500の予選は、なにか特別な雰囲気があって、イベントとしての魅力はあって、すごく盛り上がるけれども、例えば自分たちのチームの場合、予選はショートホイールベースで、決勝はロングホイールベースで走ることにしているので、予選と決勝が全然繋がりのないものになっている。そういう理由から、チームとしては予選一発を速く走ることよりも、決勝でいかに安定して走り易いクルマを作り上げるかに重点を置いている。インディは500マイルという長いレースだから、特にその点は重要だと思う。明日、ポールデイに11位以内に入れば、その後はずっと決勝用セッティングに専念できるわけだから、明日の予選では悪くとも11位には入りたい。2日目に決まる22位までの位置でも、そんなに大きな問題ではないだろう。ただし、スタート時のタービュランスとか、序盤の混乱などを考えると、やはり3列目ぐらいまでに入っている方が戦いやすい。 明日の予選では、3列目、つまり9位までに入れればいいと思う。1列目からスタートするのは、このレースでは格好がいいので魅力はある。でも、一番大事なのは決勝で速く走れるマシンを作ることだと思う」
<サイモン・ホジソン チーム・マネジャー>
「我々には予選トップ6を狙う力がある」
「プラクティスが始まってすぐから、我々は非常に好調で、充分に高いスピードを出すことができている。しかし、昨日から天気が大きく変わり、寒くなった。それはある程度予測されていたことだったが、今日また強い雨が降ったことにより、明日の予選がどのような路面で、どのような天候の下で行なわれることになるのかはわからない。そのため、自分たちがどれだけのパフォーマンスを発揮できるのか、ハッキリとしたことが言えない状況になっている。明日の予選前に行われるプラクティスも、最初の2グループが30分ずつ行うセッションの時点では、まだ路面の状態は良くならないだろう。その時点になっても、まだ予選がどのような戦いになるかを判断することは難しそうだ。その後の1時間のプラクティスになって、ようやく路面の状態は予選の時とほぼ同じものになると見ている。自分たちがベストのラップを記録したのは2日前だが、その時点ではまだウイングはトリムアウトの余地が残された状態だった。予選に向けて我々はフレッシュエンジンも載せているし、ボディワークの隙間にテーピングも行なうので、充分に上位を狙えるタイムを出せるとの自信を持っている。そのスピードがどのぐらいの数字になるのか、そして、自分たちのポジションがどのあたりになるのかは、予選の天候、路面のコンディションがどうなるかの予測が難しいため、今の時点では見当がつけにくい。天候によっては、明日の予選はアタックするタイミングによって大きな有利、不利が出るものになる可能性がある。もし全員にとってフェアな状況となった場合、我々にはトップ6を狙える力があると考えている」