<US-RACING>
昨日は予選2位に甘んじたトレイシーだが、最終予選では見事トップ・タイムをマーク。それも3メーカーがしのぎを削っていた2000年のコースレコードを打ち破る新記録だった。「最高だよ。走り始めてすぐ、スタンダードタイヤでも好タイムを出せたので、後半は残りのオプションタイヤを履いてタイムアタックに挑んだ。終盤には連続して良いタイムを出していたが、ポール・ポジションを確かなものにするまでには到らなかった。セッション最後の一周でクリーンラップが取れ、その時点でのベストタイムを出せたんだ。けど、ちょうどピットに戻る時に、ブルーノとボウデイがタイムアタックしていたので、最後までどうかな? とドキドキしていたよ。ポールを獲得できたことはほんとうに嬉しい。チームに感謝している」とトレイシー。ロングビーチ5勝目を狙う大ベテランのトレイシーだが、意外にもここでは1994年以来のポールだった。
初日の予選でジュンケイラが暫定ポールとなったが、この最終予選ではあと一歩届かず2位に終わった。「今日も自分としては力強い走りができたんだけど、ポール(トレイシー)のほうが良いラップで回れていたんだと思う。とはいえ、重要なのは明日のレース。良いスタートを切って、ピットストップを含めた作戦もうまくいけば、トップでフィニッシュできると思う。頑張るよ」と2年連続フロントロー・スタートのジュンケイラは語る。一方、新チームで3位と幸先のよいスタートを切ったドミンゲスは、「実は(チームの移籍が急だったため)レースウィーク直前、木曜日まで僕はチームメンバーをまったく知らなかったんだ。一緒に作業を開始してからわずか二日という短い時間で、ここまでできるのがフォーサイスのチーム力だ。(チームメイトの)ポール・トレイシーがポール・ポジションで、自分もトップスリーでスタート出来ることを、本当に嬉しく思っている」と喜ぶ。
今年で31回目を迎えるロング・ビーチ・グランプリは、相変わらず大勢の観客でにぎわっていた。2日目はトヨタ・セリカのワンメイクによるプロ・セレブレティ・レースや、フォーミュラD(日本で大人気のD1のアメリカ版)と呼ばれるドリフトなどが行われた。ひととおりのイベントが終了して夕方頃になると、メインゲートの前で人気バンドのライブが始まり、常に観客を飽きさせない工夫が施されている。セレブレティ・レースなど人気のあるイベントを繰り返すことも大事だが、常に新しいイベントも織り込んで開催していくことが、31年という歴史を築いてきたのだろう。
OWRS(オープン・ホイール・レーシング・シリーズ)がチャンプ・カーのオーナーになって今年で2年目。昨年はOWRSがチャンプ・カーのオーナーに決まってから開幕戦を迎えるまでの日数が少なく、様々なことがばたばたと決まった。今年もドライバーは相変わらずぎりぎりまでシートが決まらなかったものの、最終的に19台のマシンがこのロング・ビーチに集合した。2日目の朝はピットレーンでチャンプ・カーのキャンペンガールの撮影会が行われていた。カナダやオーストラリアでは毎年ミス・インディ・コンテストが行われているのだが、ロング・ビーチでは、というよりもアメリカでは初めてのことかもしれない。