＜US-RACING＞
Photo & Report by Hiroyuki Saito
昨日、ジュンケイラに一歩及ばなかったボウデイだが、ジュンケイラがペナルティを受けることになると、このセッションでトップ・タイムを記録することに成功。昨日の暫定ポール・タイムも上回り、見事今シーズン2度目のポール・ポジションを獲得した。現在ポイント・ランキング・トップのジュンケイラがコンスタントに上位でフィニッシュしているのに対し、ボウデイはこれで4連続フロント・ローからスタートするも、前戦のミルウォーキーでリタイアしたことで、ジュンケイラと14ポイント差が開いている。明日のレースはモンテレイ同様、ポール・トゥ・ウインを飾りランキング・トップになることができるか？
レギュラー・タイヤでタイム・アタックを始めたジュンケイラだが、タイヤを暖めようとスロー走行をしていたことが、他のドライバーのタイム・アタックを妨害したというふうにオフィシャルに見られ、ジュンケイラに対しこのセッションのトップ・タイム剥奪というペナルティを受けてしまう。この結果、チームは残りのタイム・アタックを止め、わずか5周で走行を中止することにした。ボウデイ同様、オプション・タイヤを準備していたのだが、結局、使えないまま10番手でセッションを終了した。初日に暫定ポールを獲得していたのが救いとなり、明日はフロント・ローからスタートするが、レースではなんとかボウデイの前に出たいところだ。
最終予選も残り9分となったところで、トレイシーがスピンを喫しタイヤバリアーに接触してしまった。このためトップ・タイムを剥奪され、2番目のタイムが予選総合タイムとなったが、それでも昨日度同様、3番手を確保し、セカンドローからレースをスタートするのは、さすが昨年のチャンピオンといったところか。トレイシーのスピンだが、あとで放送されたリプレイで確認したところ、シケインの出口でちょっと外に膨らんだと思ったら、ゆっくりとマシン後部が滑り出し、半回転スピンしたままコース外に飛び出していた。トレイシーもオプション・タイヤを使用していたのだが、いつものトレイシーならコース上にいる間になんとか体制を整えなおせるようなスピンだった。スピードも乗っていたこともあるが、まだ、オプション・タイヤを使い慣れていないのかとも思ったスピンだった。
この週末、チームに2セットのオプション・タイヤが支給された。ソフト・コンパウンドのこのタイヤは、レースで必ずワンセット使用しなければならない。また、予選での装着も可能で、今日の最終予選では多くのドライバーが使用していた。昨日の予選ではどのドライバーも使ってはいない。今日も路面温度は高かったが、ボウデイが最終予選でこのオプション・タイヤを使用し、見事ポール・ポジションを獲得している。明日のレースも天候にもよるが、このオプション・タイヤとプッシュ・トゥ・パス・ボタンをうまく使うことによって、上位の順位が入れ替わるような展開のレースになるかもしれない。
気温湿度共に昨日とあまり変わらず2日目も快晴となったポートランド。午前のプラクティスではバッサーがトップ・タイムを記録すると、2番手にはゴンザレスが入り、PKV・レーシングのワンツーでセッションが終了する。上位入賞の期待が高まった午後の最終予選では、バッサーが7番手、ゴンザレスが9番手となった。この最終予選でトップ10内には入ったものの、総合予選順位ではバッサーが9番手、ゴンザレスが11番手に。今回のポートランドのイベントポスターは、なぜかゴンザレスのマシンがメインで製作されていることもあり、明日のレースではポジションアップし注目を集めたいところだが……。一方、昨日の予選で11番手に留まっていたウィルソンが、午後の最終予選で3番手のタイムを記録。総合で4番手とセカンドローを獲得した。F１出身でヨーロッパのレースを中心としてきたウィルソンだけに、第2戦モンテレイ同様、常設ロード・コースでは確実に上位からスタートしている。
年間12レースのトヨタ・アトランティック・シリーズは、移動などの経費を削減するために、このポートランドで2レース開催される。2日目の朝に行われた2回目のクオリファイで同シリーズの紅一点、女性ドライバーのダニカ・パトリックが自身初のポール・ポジションを獲得した。アメリカで開催されてきたオープン・ホイールのレースで、女性ドライバーとしてサラ・フィッシャーが2002年にケンタッキーでポール・ポジションを初めて獲得したのが、今日パトリックがそれに続く快挙を遂げることになった。午後に行われた1回目のレースで3番手からスタートしたパトリックは、昨年の最終戦マイアミ以来、自身2度目となる2位でフィニッシュ。明日の2回目のレースでは、ポール・ポジションからスタートするだけに、女性ドライバーとしての初めての優勝を狙うことになった。