CHAMP CAR

チャンプ・カー・ワールド・シリーズ 第5戦 ラウジッツ【プレビュー】

<US-RACING>
BRIDGESTONE PRESENTS THE CHAMP CAR WORLD SERIES POWERED BY FORD
Round 5

ブリヂストン・プレゼンツ・ザ・チャンプカー・ワールド・シリーズ・パワード・バイ・フォード
第5戦

German 500
ジャーマン500

●開催地:ドイツ・ラウジッツ
●レース・トラック:ユーロ・スピードウエイ
●コース全長:2.023マイル・スーパースピードウエイ(3.2368km/1周)
●決勝レース:154周
●コース・レコード:34.624秒(2001年にトニー・カナーンがプラクティスで記録)
■過去のポール・ウイナー:雨のために中止(2001年)
■過去のウイナー:ケニー・ブラック(2001年)

●ドイツにあるヨーロッパ屈指のオーバル、ユーロ・スピードウエイ

首都ベルリンから南に約130km、ドレスデンから北へ約60kmのラウジッツにあるユーロ・スピードウエイ。2001年にCARTが初めて開催されたが、昨年はコースの財政難によりレースが中止。今回が2回目の開催となり、今シーズン初めてのオーバル・コースでのレースとなる。

コースの全長は2.023マイルで、最終戦のカリフォルニア・スピードウエイとほぼ同じ距離だが、デザインはカリフォルニア・スピードウエイのDシェイプに対し、こちらは通称トライ・オーバルと言われる三角形のレイアウトになっている。ストレートでのコース幅は18.5m、コーナーは24.5mと広く、各コーナーのバンク角度は9〜10度とそれほどきつくはない。

●テロに始まって雨に翻弄され、ザナルディのクラッシュに見舞われた2001年

初開催となった2001年は、アメリカ同時多発テロが起こって間もなかっただけに、そこにいた全員が複雑な心境の中で始まった。また、初日は完全な雨となり、翌日も朝は雨でプラクティスが始まったのが午後3時30分と、雨に翻弄されたことも記憶に新しい。このプラクティスではカナーンがトップ・タイムをマークし、この年復帰した1997年と1998 年のチャンピオン、ザナルディが2位に入っている。

ところが翌日の決勝ではそのザナルディにまさかのアクシデントが発生。残り13周でピットインし、スプラッシュ&ゴーを決めたザナルディはコース・アウトした直後にスピンしてコースへ飛び出してしまった。そこへ約320キロものスピードでタグリアーニが激突してマシンは大破し、あろうことかザナルディは両足を切断するという大事故が発生しまう。レースはその時点でイエローとなり、ブラックの優勝で幕を閉じることになった。

●ザナルディがユーロ・スピードウエイでチャンプカーを再びドライブ

あれから2年、奇跡的に一命をとりとめたザナルディは、今回再びユーロ・スピードを訪れることになった。しかも、ハンド・コントロールに改造されたチャンプカーを駆り、2年前に走れなかった残りの13周を走行。マシンから降りたあとはグランド・マーシャルとして“ジェントルマン・スタート・ユア・エンジンズ”の号令をかける。ザナルディの勇気と不屈の精神力に、ユーロ・スピードウエイが感動に包まれることだろう。

●今季初オーバルのウイナーは誰に?

オフ・シーズンから頭角を現し、開幕2戦でポール・ポジションを獲得するなど、初優勝目前と見られていたボウデイが、前戦のブランズ・ハッチでやっと勝利を手中にした。しかし今回はボウデイにとって初のオーバルとなるだけに、連覇は厳しいものと思われる。今年は年間を通して3戦しかオーバルがないことから、各チームはこのオフシーズンにそれほどオーバルでのテストを行っていない。

2デイ・イベントとなる今回、ボウデイ以外のルーキー達にとっても厳しい週末となることが予想され、経験のあるベテラン勢との差が極端に開くことも十分に考えられる。ベテラン勢の中では、前戦で2000年のミシガン以来となるポール・ポジションを獲得しながら、ミッション・トラブルで4連覇できなかったトレイシーが最有力か。フェルナンデスやバッサー、カーパンティエ、ジュンケイラといったオーバル・ウイナー達もそろそろ今季初優勝が欲しいところだ。