<US-RACING>
■カストロネベスが最終ラップに逆転し、今季初のポールポジション
午前中からの不安定な天候は、予選が始まる午後になっても変わる様子がない。雨はいったん止んだものの、路面はまだ部分的に濡れている状態だ。しかし予定どおり1時15分、グリーンフラッグを合図にポイントランキング下位のドライバーからなる第一グループの予選がスタートした。
予選開始時はどのコーナーのレーシングラインもウェットだったため、ほとんどのチームは、まずレインタイヤを使用して様子を見る。だがストレートはほとんどがドライになっており、各チームは比較的早いタイミングでスリックタイヤに交換していく。
安定しない路面コンディションのなか、ジュンケイラのマシンがアタック3周目にターン10の外側のウォールにマシンをヒットしたため、レッドフラッグが出される。ジュンケイラは赤旗の原因を作ったことで、通常の“8分間ペナルティ”を科せられることになった。
4分後に予選が再開され、各ドライバーはタイムアタックを続行。予選開始から10分間を経過した時点では、フィッティパルディが71.965秒で暫定トップ。それを73.290秒のハータと74.921秒のタグリアーニが追う。
第一グループの予選も中盤を過ぎ、ジョルダインJr.が69.589秒のタイムで暫定トップに立つ。ここでモレノがターン10でタイヤバリアにヒットし、2度目の赤旗中断。モレノのマシンは右フロントサスペンションを破損してしまい、こちらも“8分間ペナルティ”となった。
2時11分に予選再開となるが、その直後に今度はウイルソンがターン8外側のウォールにノーズから突っ込んだ。これでまたも赤旗中断、ウイルソンも同様に“8分間ペナルティ”を受けることになり、そのまま予選の残り時間をピットで過ごすこととなった。
この辺りからまた雨が降りだし、コースコンディションが徐々にウェットへと変わる。暫定ポールのジョルダインJr.にとっては、初のポールポジションを獲得するか否かのチャンスだ。
合計4回に及ぶレッドフラッグのため、4分間の時間延長となった第一グループの予選は、2時19分にチェッカードフラッグで終了。結局ジョルダインJr.が69.589秒のタイムで暫定ポールを獲得。2番手には69.999秒のフィッティパルディが、そして3番手は70.013秒のタグリアーニがつける。
午後2時半、ポイントランキング上位のドライバーで構成される第二グループの予選がスタート。第一グループ予選の後半に降り出した雨のため、路面はウェットコンディションのままだ。セッション開始直後は全車がレインタイヤを装着し、6分が経過した時点で逸早くアンドレッティがスリックタイヤに交換。そのアンドレッティのタイムが向上するのをみたライバルチームは、みなこぞってタイヤをスリックへと交換。
セッションの残り時間が10分を切り、雲の切れ間から日差しが射すと、濡れていた路面が急速に乾き始めた。ターン8から最終コーナーまでの間にいくつかのウェットスポットがあるものの、各ドライバーは着実にタイムを短縮し、暫定ポールのジョルダインJr.のタイムにぐんぐんと迫る。
そして終了時間まで2分となった時、ついにブレックがジョルダインJr.の暫定ポールタイムを凌ぐ69.383秒をマーク、一躍トップへと踊り出た。しかし次の周回ではド・フェランが69.344秒で暫定ポールを奪い、更にその直後、今度はチームメイトのカストロネベスが69.146秒をマークしてトップに立つ。ところがブレックもこのあとすぐに69.097秒のタイムで応戦し、ポールを奪い返すという、まさに手に汗握る激しいポールポジション争いが繰り広げられた。
3時ジャスト、予選終了を示すチェッカードフラッグが降られる。これでブレックが開幕戦に続き連続ポールか、と思われた次の瞬間、一度ポールの座を明渡したカストロネベスが、チェッカーと共に69秒を切る68.556秒のタイムを叩き出して大逆転。カストロネベスにとって通算5度目のポールポジション獲得であり、昨年のド・フェランに続くペンスキーの2年連続ポールとなった。
結局2番手はブレックのまま、3番手にはやはり最終ラップでタイムを更新したカナーンが入る。昨年のポール・シッターであるド・フェランは5番手、あわやキャリア初ポールかと思われたジョルダインJr.は7番手に収まった。
一方、期待の日本人ドライバーは高木が70.202秒で16番手、中野が71.871秒で23番手からの決勝スタートとなる。エンジン・マニュファクチャラー別に見ると、ポールポジションのホンダに続きフォードが2番手、ダ・マッタのトヨタエンジンが4番手につけた。プラクティスでは好調だったウイルソンのフェニックス・イルモアは21番手に終わる
天気予報によれば、明日の決勝レース時には晴れ間が広がるとのこと。各エンジン・メーカーの対決と、強豪ドライバー達の決勝での白熱したバトルに加え、二人の日本人ドライバーの活躍にも期待したいところだ。
●ポールポジションを獲得したカストロネベスのコメント
「ポールポジションを獲得できてとてもハッピーだ。予選終盤に太陽が顔を出して路面が乾き始めた時、これは最後までアタックを続けるドライバーがポールを獲ることになると思ったよ。ラッキーなことに、自分の最後の周回のアタックでクリアラップを取ることが出来たんだ。チームの作戦が上手く功を奏したってところだ。マシンのセットアップは万全で、ウェットでもドライでも問題無かった。でもターン9付近には最後まで水溜りがあったりして、気を抜くことは許されない厳しい状態だったよ」