<US-RACING>
インディ500ウイナーのファン・モントーヤ、今シーズン3回目のポールポジション獲得
気温20度、快晴、微風という絶好のコンディションのもと、午後1時30分に予選 スタート。オーバルコースの予選は、1台づつコースインして2〜3周のウォーム アップ後、2周タイムアタックするシングルカー・クオリファイで行われる。
注目の中野信治は4番目にコースイン。プラクティスのタイムは上回ったものの、 今一つスピードが乗らず、21秒434。トップグループはプラクティスですでに20秒台を マークしているだけに、上位進出は難しそうだ。
8番目にクリスチャン・フェッティパルディがコースイン。コース幅をいっぱいに 使ったダイナミックな走りでプラクティスの自己ベストをコンマ2秒以上縮め、 21秒005でトップに躍り出る。今シーズン、オーバルコースの予選ではすべて シングルポジションを確保しているフィッティパルディだが、この後、まだ15人の ドライバーが控えている。後半出てくるトップグループがどこまでタイムを 伸ばすか、注目だ。
現在、ポイントリーダーのポール・トレイシーは11番目に出走。タイムアタック 1周目に21秒087をマークし、2周目のタイムアップが期待されたが更新ならず。 フィッティパルディに次いで、2位につける。
1位フィッティパルディ、2位トレイシーのまま、いよいよトップ10ドライバー達 の登場だ。まずは98年のウイナー、ジミー・バッサーがコースイン。タイムアタック 1周目は21秒278。そして2周目、バックストレートからターン3に進入したところで リアがややスライド。ここは素早いカウンターでしのいだものの、ターン4の進入で 再びリアが流れ、今度はこらえきれずスピン。リアからコンクリートウォールに激突 してしまった。結局、1周目のタイムでクオリファイされ、この時点では7位となった。
この後、マイケル・アンドレッティ、エリオ・カストロネベス、アドリアン・ フェルナンデス、ケニー・ブレックらがコースに出るが、ターン3〜4にかけてマシンが 安定せず、どうもリアがスライドしてしまう傾向にあるようだ。1マイルオーバルで カウンターステアを使えば、当然タイムアップを望めるはずもなく、アンドレッティ 10位、カストロネベス12位、ブレック16位、フェルナンデス19位と中位グループに 埋もれてしまう。
そして金曜日トップタイムをマークしたジル・ド・フェランが登場。タイムアタック 1周目はターン4でスピードが乗らず、21秒184だったが、2周目、スムーズなコーナー ワークを見せ、20秒975とついに21秒の壁を破った。
あとはいよいよトップ3のタイムアタックバトルだ。まずファン・モントーヤが 20秒979、20秒899とタイムを伸ばし、トップ逆転。次はオーバル初優勝を狙う ダリオ・フランキッティが1周目に21秒328とやや遅れたが、2周目に挽回。しかし 20秒954とモントーヤにわずかに及ばず、2番手につける。
最後がこのミルウォーキー・マイルのコースレコードホルダー、パトリック・ カーパンティエ。1周目、20秒964とモントーヤの1周目を上回ったが、2周目の ターン2でリアが大きくスライド。カーパンティエは見事なマシンコントロールで クラッシュは免れたが、タイムは21秒617に終わり、フランキッティに次いで3位。
これでモントーヤはナザレス、もてぎに次いで、今シーズン3回目のポール ポジションを獲得したが、そのナザレス、もてぎともに決勝が悪天候で順延になった のは記憶に新しい。明日はぜひスケジュールどおりに行われることを期待したいが、 なんと現時点での天気予報は降水確率60%……!
今回もポールタイムから0.5秒以内に15人のドライバーがひしめきあい、23台中、 実に22台が1秒以内に入る大混戦となった。また、今まで予選でいまひとつだった ホンダ勢も今回は揃って上位に顔を出す。トップ6の中でホンダが3台入り、 フォードが2台。トヨタはモントーヤだけが飛びぬけているといった具合だ。
明日は225周の長丁場だけに、何があるかわからない。最終的に中野は20番手 スタートとなったが、最後まで粘り強い走りを期待したい。
●ポールポジションを獲得したファン・モントーヤのコメント
「車はとてもオーバーだったが、ちゃんと行きたいところに行くことができたし、 すべてうまくいったね。ターゲットとトヨタのために、ここでどうしても勝ちたい。 もう、これ以上トラブルはごめんだよ」
●予選20位に入った中野信治のコメント
「今日の朝のマシンは昨日よりも良くなっていたけど、予選は思うように走れ なかったね。僕にとっては初めてのショートオーバルだし、同じオーバルでも ホームステッドやもてぎとはまったく違うから、明日は慎重にいきたいと思っ ている」