＜US-RACING＞
インディ500ウイナーのファン・モントーヤ、1回目のプラクティスでトップタイム！
先週行われた、アメリカ伝統のレース「インディ500」で初出場、初優勝を飾った ファン・モントーヤ。彼は「インディ500」の勢いそのままに、ミルウォーキーでの 1回目のプラクティスで、21秒602のトップタイムをマークした。
今回の舞台となる1マイル・オーバル、ミルウォーキー・マイルは、ミシガン湖西岸の 大都市、ミルウォーキーに隣接するウエストアリスにある。 1903年から自動車レースが 行われるなど（CARTは79年から）、アメリカ有数の伝統のあるサーキットだ。例年は 抜けるような青空で日差しも強いのだが、レースウィークの幕開けとなる金曜日は、 朝から雲が多く、気温19度とやや肌寒いぐらいの天気となった。
午前10時30分、グリーンフラッグが振られ、1回目のプラクティスがスタート。まずは 第5戦もてぎで予選13位以下だったドライバー達の“グループ1”がコースイン。10分過ぎ にはダリオ・フランキッティが21秒723でトップに立つ。
先週末、順延となったナザレスの決勝が行われたのだが、黒澤琢弥はレース前の プラクティスでクラッシュして欠場。しかしここミルウォーキーには元気な姿を見せ、 序盤、23秒219で10位につける。
中盤過ぎ、アドリアン・フェルナンデスがフランキッティのタイムに迫る21秒746を マークし、2位にジャンプアップ。3位には21秒768で、ケガからようやく復帰した パトリック・カーパンティエがつけている。
プラクティスも残り5分を切ったとき、フェルナンデスが26秒633で逆転、 フランキッティも26秒637までタイムを縮めたが及ばず、グループ1の45分間の プラクティスはチェッカーとなった。黒澤はクラッシュのダメージを吹き払うかの ように、自分のペースで周回を続け、45周走って38周目に出した22秒671が ベストタイム。グループ1では11位であった。
15分のインターバルをおいて、グループ2がコースイン。マイケル・アンドレッティ が開始直後からペースを上げ、21秒613でトップに踊り出る。トニー・カナーンが 後に続くが、0.1秒以上遅れている。1マイルのショ−トオーバルでは、この コンマ1秒が勝負を分けるのだ。
残り20分を切ったあたりで、それまで調整を続けていたバックアップカーから プライマリーカーに乗り換えたファン・モントーヤが、3周目のタイムアタックで 21秒602をマークし、逆転。その後、やや風が強くなって他のドライバーのタイムが 伸び悩み、結局、このモントーヤの21秒602が、1回目のプラクティスのトップタイム となった。2位はアンドレッティ、3位にはグループ1トップのフェルナンデスだ。
もてぎの予選で11位と好調だった中野信治はグループ2で出走。しかし3月にクラッシュ したミルウォーキーだけに、1周、1周、慎重に走行。マシンのセッティング、ライン取り を確かめるように8分のペースで走行を続け、56周走ったものの、タイムは22秒610で 24位に終わった。
この後、午後2時45分から1時間30分の2回目のプラクティス。そして明日土曜日は 午前9時30分から2グループに分かれて45分間の最終プラクティスが行われ、 午後1時30分から予選となっている。
中野、黒澤両日本人ドライバーが、アメリカ伝統の1マイル・オーバルでどこまで セッティングがつめられるか、大いに注目。またノリにノってるモントーヤが トヨタに初優勝をプレゼントできるのかなど、今回も見どころの多い週末になりそうである。