4連戦の緒戦となったアイオワで、武藤選手が昨年に続く表彰台入賞の3位フィニッシュをしましたね! 昨年を思い出しながら撮影していたんですけど、もしかしたら優勝するんじゃね? なんて思ったらなおさらドキドキして。最後まで興奮気味のレースとなりましたよ。
表彰台で待ち構えていたら、昨年はもうちょっとで優勝だったという悔しさいっぱいの武藤選手だったんですけど、今年はとても良い笑顔の武藤選手がビクトリーサークルにやってきました。この数戦、歯痒いレースが続いたということもあったし、その笑顔からは安堵感のようなものも伝わってきましたよ。
ちょっとシャイなところがある武藤選手の笑顔と、1年振りに表彰台で見たその姿は、昨年同様、僕のカメラに記録されました。もちろんファンの心の中にも、感動とともにしっかりと記憶されたのではないでしょうか。今週のリッチモンドも期待しましょう!
さて、近況はこのくらいにしてニューヨーク旅情の続きをお伝えしますよ。
−本物の自由の女神にご挨拶、俺らもう騙されねぇだぁ−
動かねぇ本物の自由の女神に会いに行ぐ船はどごにあんのっしゃ? って歩き出してみだらよ、やっと見つけたんだっちゃ。船にはリバティって書いであっがらこれは間違いなくリバティ・アイランドさ行ぐんだべなって。
船に乗るためにいぎなり(凄い)並ぶって話には聞いていたんだけっど、見た感じはそれほど並んでねぇのよ。なんだや、楽勝だなって思ってさ、んでは船に乗るための切符ば買うところを探したわけさ。
そしたらすぐ近くにあってさ、切符売り場に行ってみたら結構人がいるのよ。まぁ、ここでこれくらいだったらたいしたことねぇなって思って並んでいたらアナウンスが流れてさ、リバティ・アイランドに行く船に乗るまで1時間30分も待つって言うでねぇの。
なんだやおどけてねぇ(容易ではない)なって思ったけっどさ、ここまで着て挨拶しねぇで帰ったら、国に帰ったとき親父にごしゃがれっから(怒られる)腹決めて切符買って列ば探しにいったんだっちゃ。
切符売り場を出たらよ、すぐ目の前に人が並んでんだけっど、その列の先が見えねぇのさ。まぁ、そのうちわがるべなって並んでいたんだけっど、進みも悪りぃし、ながなが全貌が見えねぇのさ。
やっと開けたところに進んだなって思って列の長さを確認したら、その長さにがおったんだっちゃ(滅入る)。野球場くらいの広さはある、いや、もうちょっとでけぇがな。その広場の端をぐるーって人が並んでるのよ。船乗り場の方向にむがってさ。
ちょっこら期待はしていたのよ。1時間30分も待つごとはねぇべって。んでも、こいづは本当だなって改めて思ったんだっちゃ。もしかしだらそれ以上、待つんでねぇのが? ってさ。
しかも海沿いだから風がビュービュー吹いでさみぃしよ。今回、4月のニューヨークに行ぐってことでさ、用心して冬物のジャンバー、スーツケースに入れできたのよ。でも、昨日、飛行機がキャンセルになって荷物が届かねがったからさ、着てこれながったんだっちゃ。上着は薄いジャス(ジャージ)だけでさ。
冷たい潮風の匂いを嗅ぐとよ、初めて親父と釣りに行ったあの日も寒がったなって、生まれ故郷の塩釜港を思い出してさ。そんで、ひとりで並んで待っているとさ、話し相手もいねぇがらいろいろ考えるわけよ。なして俺は今ここで寒さ我慢してまで並んでんのがなって。まぁ、自由の女神に会うためだけっどよ。
んでも、並びだすとさ、こごまで待った今までの時間とさ、こごまで進んだのにもったいねぇっていう気持ちが、時間が経てばたつほど、進めばすすむほど強くなってぐわけさ。こりゃ、完璧にはまったなって。
そんなんだから、もうあとには引けねぇわけよ。んで、並ぶこと1時間30分、やっとセキュリテー・チェックのところまで来てさ。中に入ったらあったけぇのなんのって。んでも、安心したのも束の間でさ、リバティ・アイランドに行くだけなのに物々しい警戒なのよ。飛行機乗るときのセキュリテー・チェックより厳しいんだっちゃ。
まぁ、怪しいものは持ってねがったからさ、無事、セキュリテーば通って、やっと船に乗ったんだっちゃ! 生まれ故郷の隣町で日本三景のひとつ、松島の島巡りするときに乗るフェリーみたいな感じの船に乗ってよ。
さすがに寒がったから1階の室内にたてこもっていたんだけっと、リバティ・アイランドが近づくにつれ、今まで米粒くらいの大きさだった自由の女神がどんどんおっきぐなってくんだっちゃ。さみぃの我慢して外のデッキに出て写真撮ったのさ。
んで、やっとリバティ・アイランドに上陸してさ。さっそく挨拶しにいぐべって自由の女神のところにむがったのさ。やっとこさ到着したら、いやはや、でっけぇのなんのって。ずーっと見上げっぱなしで首いでくなったっちゃ。
ぐるっと自由の女神の周りを一周して後ろまできたらさ、なんと新発見があったのよ! 自由の女神って直立不動じゃなくって、右足の踵がちょっと浮いていたんだっちゃ! やっぱりさみぃの我慢してここまで着たかいがあったなって、また自分ば褒めてみたっちゃ。
これ朝一で予約して行ぐと、自由の女神の中に入ることもできんだって。俺はねぼすけだったから、はなから諦めったけどさ。まぁ、やっと本物の自由の女神に挨拶できることになって「ナイス・トゥー・ミー・チュウ、マイ・ネイム・イズ・ヒロ!」って聞こえるようにでっけぇ声で言ったら、周りにいる人達がたまげると思ったがらさ、心の中でつぶやいたんだっちゃ。せめて握手でもと思ったんだけっど、自由の女神、両手に何が持ってだからでぎねがったのは残念だったなぁ。
目的は果たしたんだけっど、それがなんか物足りなくってよ。お土産売り場でうろついでいたらいいもの見っけだのよ。握手の換わりにこれ持っていたら握手した気分になれるんじゃねぇのがって。そんでマンハッタンが一望できる場所に行ってさ、自由の女神の気分を味わったんだっちゃ。
こんときばかりは俺ら観光客だって感じでさ、カメラとトーチ(懐中電灯)を持って、自分の写真撮りてぇんだけっど撮れなくて、もじもじしていたんだっちゃ。したら俺の母ちゃんみたいに体格がよぐって気の良さそうなアメリカ人のおばさんが気づいてくれて「写真撮ってあげるよ」って言ってくれたのさ。なんだか寒がったけっど、人の温かさに触れたなって思って、目が無くなるくらいのスマイルになったっちゃ。だれぇ。
んでは、腹も減ったし、けぇっかって(帰る)船に乗ったらさ、今度はエリス・アイランドってところに寄ってぐって言うでねぇの。寒がったけっど、まぁ、せっかくだから行ってみっがって上陸してみたんだっちゃ。
次回はかつてヨーロッパからアメリカへと移住してきた人々が、イミグレーションのために寄航していた島、エリス・アイランドの“エリス・アイランド・イミグレーション・ミュージアム探索”をお伝えしますよ。