Hiroyuki Saito

Safety Car Ride

毎年のことですが、長いようで早かったインディ・カー・シリーズが終了しました。ライアン・ブリスコーとウィル・パワーの出身国オーストラリア、そしてオセアニアといった広い意味ではニュージーランダー、ディクソンの凱旋レースが残っていますが、僕の中では完全にシーズン終了です。はい。
地方に行く機会が減るとこのコラムのネタも減ってくるので大変です。コラムの取材ってことでハワイにでも行きたいところですが……。まぁ、まだお伝えしていないネタがちょっとありますから刻んでお伝えしようと思いますよ。
今回はインフィニオンでの出来事です。
レースが開催されている週末に招待された人やファンを助手席に乗せてコースを走行するペース・カー・ライドが行われています。いつもテレビや観客席から見ているコースを実際にドライバーでの目線で感じることができますね。
このペース・カー・ライド、これまでもてぎとトロントで乗せてもらったことがありますが、久しぶりにインフィニオンで体験する機会がありました。それはファイアストンが企画したメディア懇談会でのアトラクションで、普通ならペース・カー専用のドライバーが運転するのですが、なんとダレン・マニングとE.J.ヴィソがドライブしてくれるというのです。
このような機会は滅多にありません。「ぜひ!」と二つ返事でお願いし、早速日本人メディアはピットへと向かうことになりました。

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そこには多くのファンがコースのオフィシャル・ペース・カーに乗るために長い列を作っていました。「え、この列に並ぶの?」なんてビックリしていたら、マニングとヴィソが運転するシリーズのセーフティ・カーがピットレーンのちょっと離れたところに停まり、先に乗っていたメディアの人々が車から降りてきました。

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早速、僕たちの試乗となりました。順番てきに日本人メディアの大半はマニングの車のほうに乗ることになり、僕だけヴィソの車に乗りました。助手席にはヴィソの彼女(これがまたかわいらしいベネズエラ人?)、そしてヴィソのマネージャーと思われる男性と僕が後部座席に座り、ヴィソが運転するセーフティ・カー、ホンダ・アコードがピットをすべり出ていきました。
ちょっとドキドキです。これまで撮影するためにコースサイドにはいることは多いのですが、アップダウンの激しいインフィニオンのコースを実際に走行するのは初めてです。しかもインディ・カー・ドライバーの運転ともなると自然とテンションが上がります。一般道でロジャー安川の運転する車には何度も乗ったことがありますが、それとはちょっとが違いますからね。
ピットを出るとすぐに凄い上り坂のS字コーナーが待っています。ヴィソはもう遠慮なしにがんがんスピードを上げていきます。上がりきった先はブラインド・コーナーですよ。ヒエーっと思いながら、そこを通過すると、今度はちょっとした緩い下り坂を左に曲がりつつ、急降下という感じでターン4のカーブに差し掛かりました。

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ヴィソはわざとタイヤを滑らしながらブレーキングし、コーナーの縁石にのるように攻めていきます。「うぉー!!」って声しか出ませんね。こんなときって。その後も同じように各コーナーを攻めつつ、時々ヴィソはハンドルから両手を離して、ちょっとおどけて見せます。やめなさいって感じなんですけど、僕が騒ぐもんだからニヤニヤして何回もするんですね。
そんな激しい運転をしながらもコースの解説を彼女にしているんです。後ろから見ているとちょっとしたカップルのドライブデートみたいな感じですが、僕はそれどころじゃありません。
なんとか写真を撮ろうとがんばったのですが、車が右に左に動くのでなかなかうまく撮影できず、気がついたらもうゴールってなもんでしたよ。いやー、怖かったですね。まじで。ドライバーってやっぱり、一般の人とスピードの感覚が違うなって思いつつ、車をおりてヴィソと記念撮影。

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スピードの向こう側を見させてもらいました。やはり、ドライバーって凄いなぁと思ったインフィニオンでの出来事でしたよ。ファイアストンに感謝です。
ヴィソより顔がでかくて黒いことにちょっとショックな今日この頃です。