2006年から2年間チャンプカーのイベントとして開催されていたリライアント公園特設コースのヒューストンが、第17戦&18戦のダブルヘッダーとして復活しました。しかし初日はターン1のバンプを改修する必要に迫られ、10時30分から1時間半の予定だったプラクティスが変更。急遽シケインが設置されることになり、13時と16時30分からそれぞれ45分ずつの2回にわたって行われました。
大波乱の初日となった中で、チャンプカー時代に2レースとも経験していたジャスティン・ウィルソンが、1分4秒4237を記録して総合トップ・タイムをマーク。デイル・コイン・レーシングも当時チャンプカーを走っていたチームです。
「タフなコースだ、ほんとうにバンピーだよ。グリップするようになれば、いい感じになるけど」と語ったウィルソン。「体力的にもきついし、あっちこっちで跳ねるから、ブレーキングスポットを探し出すのが大変だね」
2位は同じくチャンプカー時代にここを走り、07年のレースでポールを獲得しているウィル・パワー。他にチャンプカーでこのコースを経験しているのは、2レースを制したブルデイに、セルビア、レイホール、パジノウです。
チャンプカー経験者の二人に続いたのはルーキーのトリスティアン・ボーティエ。その後ろは今回からマット・ブラックのカラーリングになったグラハム・レイホールで、07年のチャンプカー・ルーキー時代に2位表彰台を獲得しています。今回は8位。
スーパーフォーミュラ菅生戦から6日後、最初のセッションで1分8秒7342で16位だった佐藤琢磨は、第2プラクティスで1分5秒9496までタイムを縮め、14位となりました。
「タフなショート・コースですが、楽しいです」と語った琢磨。「とてもバンピーなコースで、コーナリングは体力的にきついですね。今日は着実にステップを上がり、前進できた一日でした」
菅生にいた琢磨ファンの方数名が、このヒューストンにも来ています。みなさんとても熱心なファンの方で、ご覧のようなオリジナルのバナーも用意。最終戦ではツアーも予定されているそうですよ。
今回のジェイムズ・ヒンチクリフはご覧のようなピンクのカラーリングで登場。他のアンドレッティ勢も含めて、全員がピンクのサイドウォールとなったプライマリー・タイヤを装着しています。癌の早期発見のためのキャンペーンだそうですよ。
チャンプカー時代に使っていたフェンスやコンクリート・ウォールが、そのまま今回再利用されています。08年に中止となった理由はシリーズが突然合併したためで、イベントが多くなったことで当時のスケジュールに組みこむことができませんでした。プロモーターは当時ニューマン/ハース/ラニガン・レーシングのオーナーの一人だったマイク・ラニガンで、今はレイホールのパートナーですね。今回めでたくプロモーターとして復活し、チャンプカー時代のように、将来ナイトレースにすることも検討しているようですよ。
スケジュールが遅れていた中で、突然発表されたのがトニー・カナーンのチップ・ガナッシ・レーシング入りでした。これは前々から噂があったので、ステージにガナッシと上がった瞬間、やっぱりと思ったものですが、続いてシボレーの首脳陣まで壇上に上がり、あれれといった感じでシボレーに変更するアナウンスまで飛び出しました。ホンダと一緒に1996年から4年連続チャンピオンになった翌2000年、トヨタにスイッチすると発表した時のことを思い出しましたが、果たしてこの決断がうまくいくのかどうか。当時モントーヤがいながら、あまり勝てなくなったことをよく覚えています。一度ならず二度もホンダに火をつけることになったガナッシ。さあ、いったいホンダはどんな手を打ってくるんでしょう。
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