みなさん、先週末のシカゴランドはご覧になりましたか? 「これこそインディカーのレースだ」というようなデッドヒートが繰り広げられ、メチャメチャ面白い内容でしたね!
3ワイドが当たり前で、最後までハラハラドキドキ。ケンタッキーのレースから導入されたルール変更は、インディカー・シリーズにとって大当たりだったことが再確認できたレースとなりました。
それでは早速シカゴランドのレースを振り返ってみましょう。序盤こそいつものパターンでペンスキーとガナッシのクルマが、飛び抜けたスピードでリードする形となっていました。しかしイエローが出る度に後続車がトップ集団に追いつき、おもしろいバトルを繰り広げていきましたね。
最初のイエローの原因となったのは、ヒデキのクラッシュ。リヤ・サスペンションが突然壊れてマシンが壁に激突したのですが、幸いヒデキはケガをせずにマシンを降りることができたので安心しました。ドライバーとしては、マシンのパーツが壊れてのクラッシュは、予測していないだけに一番怖いです。
チームはインディ・ジャパンのために調子の良いシャシーを温存しているので、もてぎへのダメージはまったくなさそうですね。ヒデキにとっては納得のいかない内容になってしまったと思いますが、そのうっぷんはぜひインディ・ジャパンで晴らしてもらいましょう!
レース展開をおもしろくさせたのは、残りわずか16周というタイミングで、最後のイエロー・コーションの原因となったエリオのクラッシュです。エリオは2戦連続サスペンションの破損で、リタイアとなりました。
前戦のインフィニオンではトニー・カナーンとの接触が原因かと思われますが、今回もフロント・サスペンションのトラブルでクラッシュしています。トップ・チームだけに、とてもパーツの疲労が原因だとは考えられません。そうなるとサスペンション周辺で、何か特殊な開発をしているんじゃないかと気になってしまいます。
レースのラスト10ラップは僕自身も大興奮。コース上に残る全車がパック(集団)になって走り、全ドライバーが抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げ、最後にわずか0.0077秒差でレースを制したのはライアン・ブリスコーでした。トップ10に入ったドライバー全員が、トップからわずかコンマ5秒以内でゴール!これほど僅差のフィニッシュは、そう何度も見られるものではありません。
3位でゴールしたのは、キャリア初の表彰台となったマリオ・モラエス。シーズン前半戦はやんちゃな走りをしすぎて、トラブル・メーカーとして見られ気味だったのですが、ここ2戦の走りからは落ち着きが見えるようになりました。KVレーシングもチーム力が上がり、今後も目を離せない存在となりそうです。
空力パッケージが改善されたケンタッキーから、インディカー・レースらしいサイド・バイ・サイドが復活。あらためてオーバル・レースのおもしろさを実感された方も多いのではないでしょうか。市街地やロード・コースのレースが増えている中、「やっぱりインディはオーバルだよね」と自信をもって言える内容に戻りました。
さて、気がついたらもうすでに次戦はツインリンクもてぎで行われるインディ・ジャパンです。もてぎはたくさんのドライバーやチーム・スタッフが楽しみにしているレースで、去年悲願の初優勝を遂げたダニカはヒデキと同様、気合いが入っていると思います。チャンピオン争いがかかっているブリスコー、ディクソン、そしてダリオにとっても最終戦へつなぐ大事なレースとなるので、確実な走りが求められるでしょう。
僕は今日本に戻って来ていて、スポンサー活動のラスト・スパートです。世界不況のために苦戦していますが、最後までがんばりたいと思います。先週の日曜日には越谷レイクタウンで行われたイベントに出席し、多くのファンが駆け付けてくれてほんとうにうれしかったです! いつも応援ありがとうございます!!