Kazuki Saito's

“チャンプ・カー北の国へ” 日本初・公道グランプリ開催への道! 第27歩>>市民団体の限界

このブログも「社長ブログ」に!?
法人設立で実現に向けまた一歩前進!
 突然のご報告だが、すでにいくつかのメディアで紹介されているとおり、チャンプ・カー小樽グランプリ・コーポレーションという会社が設立され、僕がその社長となった。ロング・ビーチ・グランプリを主催するグランプリ・アソシエーション・オブ・ロング・ビーチ社と同じレース・プロモーターであり、北海道小樽グランプリ推進協議会とは別の組織となる。協議会はこれまでどおり市民運動としての活動を継続していき、レースを含むイベントそのものは他のチャンプ・カーのプロモーター同様、会社で主催・運営することになった。
 2004年3月に協議会が発足し、それ以来市民の有志で運営されてきた小樽グランプリだが、運営面や資金面など、これまでのように市民団体だけで活動していくというのでは、限界が見えていた。昨年7月にチャンプ・カー・ワールド・シリーズの誘致を決めていっきに物事が進み、チャンプ・カーから様々なサポートを受けるようになったものの、メンバー全員が普段の仕事を抱え、経費もすべて自腹というのが現状だった。また、警察やJAFへの申請など、一市民団体では困難な事もある。
 もはや限界に近いと感じ始めていた協議会が、チャンプ・カーにアドバイスを求めたのは自然な流れだった。シリーズを所有するケビン・カルコーベンは、北米の二大市街地レースであるロング・ビーチとトロントの共同オーナーでもある。チャンプ・カーは様々なノウハウやデータを快く提供することになり、僕がその間に入って話を進めることになった。1993年から取材してCARTの専門誌を出版していた僕は、日本でのレースが途絶えてからも取材を続けていたことで、双方の状況を最も良く知っていたのだ。それで会社の代表に推挙されたというのが、事の顛末である。
 社名からも解ってもらえるように、チャンプ・カーはこれからもサポートを約束。これほど心強いものはない。僕の仕事は彼らの貴重なノウハウを十二分に活かした上で、日本の特別な事情に合った方法を模索し、プロジェクトを推し進めていくことだと思っている。

筆者近況
プロモーターとなった以上、この連載を続けていいものかどうか、悩んでしまう今日この頃。しかし最近は社長のブログというのも多いので、できる限り続けたいと思います。これからは書いていただく立場となり、同業者だったみなさんには平身低頭、取材をお願いする次第です。長年僕の拙文を読んでいただいたみなさんにも、日本初の市街地レースが実現するよう、ぜひ応援していただければ幸いです。
(オートスポーツ誌 2006年5月18日号に掲載)