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驚きのニュース連発の2011ストーブ・リーグ

画像みなさん、ご無沙汰しております。長い間コラムをアップできなくて、すみませんでした。ツイッターで僕をフォローしてくれている方はご存知だと思いますが、先月ロンドンに出張中だった親父が急に倒れて、3週間のあいだ看病でイギリスにいたんです。あまりにも突然だったので、ビックリしましたよ。
やっと元気を取り戻すことができた親父は「人間ってこんなに簡単に壊れてしまうから、恐ろしいよな〜」ってしみじみと語ってました。それを聞いて僕自身もあらためて健康第一だな〜と実感。みなさんも年末は忘年会が続いたり、1年のストレスが溜まる頃なので、気をつけてくださいね。
お蔭様で親父は無事に回復し、僕もLAに戻ることができて一安心。今回久しぶりのイギリス滞在となったんですが、やっぱり僕はアメリカ派だなと感じました。イギリスの紅茶は美味しいけど、コーヒーは・・・・・・、ステーキも・・・・・・で、横に添えてあったグリーンピースが滞在中の食べ物の中では一番美味しかったな〜という感じです(笑)。
イギリスを立つ前、親父の荷物を取りにマクラーレンF1チームのファクトリーへ。さすが世界トップ・クラスのチームなだけに、インディのチームとは比較にならない規模でした。ロン・デニス氏とも会うことができて、世界のトップに立つために必要な要素を見せてもらうことができました。
僕自身、これまでインディでは色々なチームを渡り歩きましたが、やはりトップ・チームとその他のチームの一番大きな違いは、ファクトリーがきれいであるということですね。マクラーレンの床は、全体的に白色で統一されています。「汚れるのになんで白?」と思われるかもしれませんが、汚れが目立つためにあえて白くしているのです。
床が白いと必然的に常に掃除をしてきれいにしていなければならないのですが、逆に下位チームは掃除をするほど余裕がないところが多く、床が汚いところが多いですね。すでにサーキットに行く前に勝負は決まっているようなもので、これはF1でもインディでも同じような気がします。

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さて1ヶ月以上もコラムをお休みしている間に、インディはストーブ・リーグ真只中ですね! やはり一番のビッグ・ニュースは、アンドレッティ・オートスポーツを離れたトニー・カナ−ン(TK)とド・フェラン・ドラゴン・レーシングの契約でしょう。チームに元チャンピオンのジル・ド・フェランが今年から共同オーナーとして加わりましたが、今シーズンは結果に悩まされていました。このチームはペンスキーの息子ジェイが共同オーナーでもあり、勝つための要素が何かを十分に知っているはず。ベテランのTKが加入したことによって、チームのレベルが確実に上がりそうですね。

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次に驚いたニュースはチップ・ガナッシが若手アメリカ人2人を起用して、サテライト・チームを結成したという発表です。ドライバーにはグラハム・レイホールと、チャーリー・キンボールが選ばれました。グラハムは大手タイヤ量販店とのスポンサー契約を結んでから、複数のチームと交渉したようで、最終的にチャンピオン・チームのガナッシで走ることが実現しました。今年は色んなチームを転々とし、目立つ結果こそなかったものの、安定感のある走りを披露。成長したグラハムが勝てるマシンをゲットすることによって、チームメートとなるディクソンやフランキッティを脅かす存在になるかもしれません。

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グラハムと同時に発表されたのは、インディ・ライツで今季ランキング4位を獲得したチャーリー・キンボール。ヨーロッパでのレース経験を持つチャーリーはイギリス生まれのアメリカ人で、TakuがF3時代に所属していたカーリン・モータースポーツから参戦した05年イギリスF3選手権では、5勝を挙げてランキング2位を獲得。経歴を見る限り、十分にトップ・チームでシートを獲得する実績を残してきているドライバーです。
チャーリーは07年に1型糖尿病であることが発覚し、治療をうけながら過去2シーズンはインディ・ライツに参戦。今年から個人スポンサーとしてついていた糖尿病の治療薬を製造する製薬会社が、来季のメイン・スポンサーとなることも発表されました。糖尿病の病気のことや治療法をもっと多くの人に知ってもらおうということでスポンサー活動をしてきた結果、チャーリーはビッグ・チャンスを手にしましたね。本当の挑戦はこれからですが、ルーキーが初年度からトップ・チームで戦えるチャンスを手にしたのは、ほんとうに久しぶりのことだと思います
この第2のガナッシ・レーシングを率いるのが、長年チップの右腕としてチームのディレクターを務めてきたマイク・ハルで、スタッフを仕切るのはデイル・コイン・レーシングの体制強化に貢献し、元ガナッシでマネージャーをやっていたミッチ・デイビスです。ショップはインディナポリス郊外に構えるということで、同じ屋根の下でマシンが組まれるわけではないことから、サテライト・チームというのが正しいのかもしれませんね。噂ですがグラハムのエンジニアには、ニューマン/ハースに所属していたマーティン・パレを引き抜くという話もあり、チームの戦闘力は本家と変わらないレベルになるはずです。

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他に、今シーズンの後半戦になって契約内容の問題から色々とチームと揉めていたダン・ウェルドンは、パンサー・レーシングが来季のドライバーにJRヒルデブランドの起用を発表したことによって、事実上のフリー・エージェントとなってしまいました。パンサーのシートを獲得したJRは若手アメリカ人で、昨年のインディ・ライツ・チャンピオン。ソノマのインフィニオン育ちの彼は今季ドレイヤー&レインボールド・レーシングからのスポット参戦を果たし、レース中にファステスト・ラップを記録して実力をアピールしました。
昨年のオフ・シーズンにフォース・インディアのF1テストにも参加していたJR。パンサー・レーシングにとっては、サム・ホーニッシュJrを発掘した時のように、若手アメリカ人をじっくりと育て上げることになりそうです。ナショナル・ガードがチームのメイン・スポンサーで、2012年にシリーズへと復帰するシボレーのかつてのワークス・チームだったパンサーは、同社のエンジンとともにオール・アメリカン・チームとして戦う方向で歩み始めているようにも見えます。ちなみにJRはマサチューセッツ工科大学への入学を認められたエリート・ボーイで、今は休学中だそうです。
一方、シートを失ってしまったダンは、現在複数のチームと交渉しているようですね。現時点でまだ全然発表がないのは、ニューマン/ハースとKVレーシングぐらいでしょうか。ニューマン/ハースは先週オリオール・セルビアと、インディ・ライツでランキング2位を獲得したジェームス・ヒンチクリフをテストしましたが、来季の体制に関しては未定。みなさんもご存知のとおり、ヒデキとTakuがそれぞれのチームに所属していただけに、現在は来シーズンに向けての交渉バトルの真只中だと想像します。

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日本人二人は今年思うような結果が出せなかったので、ぜひ良いシートを獲得して来年はリベンジしてもらいたいですね。普段ドライバーはコースで戦っていますが、シーズン・オフはシートを獲得するために戦っています。今年のオフは今まで以上にレベルの高いドライバーがシート争いに加わっているので、小さなスポンサーでシートを獲得することが難しくなっているようです。

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ドライバーの心理としては、年が明ける前に翌年の体制を決めたいところ。でもアメリカは24日からクリスマス休暇に入ってしまっているので、現時点で決まっていない話は、来年まで持ち越しになるということです。シートが無くなってしまうのはドライバーにとって寂しいニュースですが、来年に向けて多くのチームが新しいスポンサーを発表しているので、来年の開幕戦は新鮮なスタートとなりそう。今から3月のセント・ピーターズバーグが楽しみです!

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最後に、今年は僕にとって、新しいスタートとなった1年のような気がします。1月にデイトナ24時間に参戦したものの、マシンの不具合によりレースは欠場という波乱な幕開けでした。インディ500は残念ながら参戦できませんでしたが、インディ・ジャパンでは最後のさいごに話が舞い込んできて、6回目の参戦を果たしました。なんとか8年連続でインディカーのレースに出場することができ、「デビューしてからもう8年も経ったんだな〜」とあらためて自分の歳を実感しています(笑)。
その他、最終戦でドタキャンしてしまった以外は、全戦US RACINGのレポーターとして現場に足を運ぶことができ、オーバル戦ではTakuのスポッターを努めることもできました。なんだか内容の濃い1年だったような気がします。こうやってサーキットで活動を続けていられるのもUS RACINGや、僕のことを応援してくれるファンのみなさんのお陰です。
今年もたくさんの応援をいただき、ありがとうございます! 
来年もレース活動とレポートをがんばりますので、応援よろしくお願いします!!
それでは、みなさん良いお年をお迎え下さい!
Happy Holidays!