<SHIGEAKI HATTORI>
■2005年4月30日 St. Louis,Missouri Gateway International Raceway
『NASCARクラフトマン・トラックシリーズ』第5戦はゲートウェイ・インターナショナル・レースウェイ(ミズーリ州)で開催され、GERMAIN/ARNOLD RACING(ジャメイン/アーノルドレーシング)から、トヨタ・タンドラで日本人として初めてNASCARシリーズにフル参戦している服部 茂章(CarNo.9)は、タイヤトラブルの影響から27位で決勝レースを終えた。第5戦の舞台ゲートウェイは、服部が1998年のインディ・ライツシリーズ第6戦で優勝を飾った思い出のコース。今回も午前中に練習走行、午後から予選、そしてナイターでの決勝レースという、ワンデーのハードスケジュールになる。
前夜の雨の影響で、現地時間9:15から少し遅れて練習走行が始まる。走行開始から5周目、服部は遅いマシンをイン側からパスしようとしたが、まだ少し湿っていた路面でバランスを崩しスピン! 左リアからコンクリートウォールにクラッシュしてしまう。思いのほかマシンのダメージは大きく、チームはスペアカーの投入を検討するが、ワンデーレースのタイトなスケジュールでは準備している時間がない。チームはクラッシュしたマシンの修復を決断。電動カッターで車体の潰れた部分を切断し、新しい部品を貼り合せるというNASCAR独特の大胆な修理が始まる。マシンの修理が終わったのは最後の練習走行時間が終了する直前で、マシンチェックのため5周したところでタイムアップとなった。
現地時間15:00、32番目にタイムアタックした服部は、全く予選用のセッティングをしていないにもかかわらず、23位で予選を通過することができた。
現地時間19:15、決勝レース(160周)がスタート。全く決勝レース用のセッティングをしていない服部であったが、トップグルーブと同じような速いペースで周回をこなして行く。服部は順調にトップグループに付いて走っていたが、突然右フロントタイヤにパンクが発生。アンダーグリーンでのピットインを余儀なくされ、ラップダウンとなってしまう。ペースを上げ挽回をはかる服部であったが、27位で決勝レースを終えることとなった。
第6戦は5月15日、マンスフィールド・モータースポーツスピードウェイ(オハイオ)で開催される。
<チームオーナー(ボブ・ジャメイン)のコメント>
全くと言ってよいほど練習走行もセッティングもできていなかったにもかかわらず、シゲアキは予選から決勝レースまでよい走りをした。レース中には見違えるような走りをしていたのでこれが経験だろう。本人は、結果を残したくてあせっているようだが、トラックのレースはいきなり勝てるほど簡単ではない。彼には「あと少し歯車が噛み合えば結果は見えているからあせるな」と言っている。
<服部茂章のコメント>
練習でクラッシュしたのは、完全に僕のミスです。遅い車をパスしようとしてコースの滑りやすい所を走ってしまいました。チームのメンバーが頑張って車を修復してくれたので、彼らのためにもよいレースをしなければと思っていたのでとても残念です。ただ、タイヤのトラブルが出るまではトップグループに付いて走っていたので、レース中のペースもトップと同じようなタイムになって来ましたし、NASCAR独特のパッシングもすべてうまくいったので、かなり自信がつきました。オーナーに言われたように、結果が出るまであせらず自分のベストを尽くします。