INDY CAR

パジノウが第4戦アラバマも制して2連覇、佐藤琢磨は20番手から13位フィニッシュ

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今季初のロード・コース、アラバマの最大のハイライトは終盤のサイモン・パジノウ(シボレー)とグラハム・レイホール(ホンダ)の激しい攻防でした。ポール・ポジションからスタートして快調にレースをリードしていたパジノウは、レース終盤に入って目の前に最後尾が迫り、ペースダウンを余儀なくされていたところに予選6位から追い上げてきたグラハム・レイホールが襲いかかります。
 
勢いに乗るレイホールは残り8周で接触しながらパジノウをパスしたのですが、当然のことながら今度はレイホールの前にも周回遅れが出現。ジャック・ホークスワースをパスする際にレイホールは接触を喫し、フロント・ウィング左の翼端板を失ってしまいます。これでスピードを維持できなくなったレイホールをパジノウがあっさりとパスし、ロング・ビーチの市街地コースに続く連覇を達成しました。
 
通算6勝目をマークしたフランス人は依然ランキング・トップを堅持。セバスチャン・ブルデイに追突されてスピンし、20番手から追い上げて10位フィニッシュしたスコット・ディクソンに、48ポイントもの大差をつけています。チーム・ペンスキーはこのバーバー・モーター・スポーツ・パークで4勝目、通算ではインディカー180勝目となりました。
 
優勝は逃したものの、みごとな追い上げを披露して昨年と同じ2位フィニッシュを記録したレイホール。今回は20回目の表彰台で、ホンダがタイトルスポンサーのレースでホンダ勢の最上位をマークしたものの、トップ10にホンダは2台だけと寂しい結果に。昨年ここで初優勝を遂げたジョセフ・ニューガーデンは残り2周でウィル・パワーをパスし、3位でゴールしました。
 
予選16位の佐藤琢磨はスタート時に目の前で起きたアクシデントを回避したものの、再スタート時のターン2でアウト側を走行中に挙動を乱してコースアウトし、20番手へと転落しました。チームは最後まで走りきれる燃料を計算して14周目という早い段階で最初のピットを行い、順位を上げることに成功します。
 
注目したいのはブルデイに追突されて琢磨の後ろまで順位を落としたディクソンも同様の作戦だったことで、2回目も同じ39周目にピットを済ませ、どちらのピットにおいてもAJフォイト・レーシングはチップ・ガナッシ・レーシングとほぼ同じ作業時間でした。これまではピットで先行されることが多かったのですが、今回は2度ともディクソンの前でコースへ復帰したのです。
 
次の第3スティントでディクソンはレッド、琢磨はブラックをチョイスしたことからディクソンに先行を許すことになりますが、それまでは走り、ピットともしっかりと抑えていたことを忘れるわけにはいきません。第4スティントもブラックをチョイスした琢磨でしたが、気温が下がったことやタイヤのラバーが載ったことでレッドが有利となり、追い上げ叶わず13位でゴールしました。
 
上位でフィニッシュしたレイホールやパワー、ニューガーデンが間に割って入ることとなり、残念ながらランキングは6位から9位にダウンした琢磨。しかし今回は初日にトップだったことに加え、0.0040秒差で2位がホークスワースとAJフォイト・レーシングがワンツーを獲得する場面もあり、次回のロード・コースであるインディ・グランプリも期待したいと思います。
 
●決勝リザルト

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●ハイライト映像

 
●インカ―カメラから見たパジノウとレイホールのバトル

 
●プラクティス総合リザルト

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●最終プラクティス・リザルト

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