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第3戦ロングビーチ決勝でパジノウが通算5勝目、佐藤琢磨はトップチームを切り崩して5位!

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アメリカ西海岸最大のスポーツ・イベント、第3戦ロング・ビーチ・グランプリを制したのはサイモン・パジノウでした。予選3位からスタートした31歳のフランス人は、昨年の覇者スコット・ディクソンを2周目にパス。1回目のピット・ストップ後ディクソンに先行されるも、2回目のピット・アウトで55周目に再びディクソンの前に出ることに成功しました。
 
ターン1に迫るディクソンの目前にパジノウが滑り込んだシーンは今回の一番の見どころでしたが、この時パジノウはコース・インする際にピット・ロードのイエロー・ラインを左側だけでなく、右側のタイヤもクロスしていました(ルールは2輪以上越えてはいけない)。オフィシャルはこの件を違反行為とみなしたものの、最も軽い警告のみとなり、パジノウはそのままゴールまで走り切って優勝したのです。
 
過去42回のロング・ビーチで最も僅差となる0.3032秒差で勝利したパジノウは、2014年ヒューストン第2レース以来となる通算5勝目で、チーム・ペンスキーへの移籍後初勝利。ペンスキーにとってはロング・ビーチで6勝目、通算では180勝目となります。開幕から3戦連続で表彰台に上がってランキング・トップを維持し、2番手のディクソンに14ポイント差をつけました。
 
2位は予選2位からスタートしたディクソンで、誰よりも遅い28周目に1回目のピットを済ませ、クルーの素早い作業によりパジノウを抜き返しましたが、ショートフューエルだったせいか2回目のピットがカストロネベスよりも一周早く(51周目)、燃費的にきつい状態だったかもしれません。「本人は燃料に関してはピットから何の注意もなかった」と語っていますが、後ろのカストロネベスは「信じられないほどの燃費だ」とコメントしています。
 
パジノウがイエロー・ラインをカットした件に関しては、「この件はオフシーズンに散々話したことで、警告だけで済むのなら、毎回やるやつが出てくる。この週末になぜピットレーンの出口について話し合ったのか、これでは意味がない。次のドライバーズ・ミーティングのトピックになるのは間違いないよ」と納得できないようで、「最後の15周はかなり腹が立っていた」そうです。しかし「レース後サイモンにも少し怒っていたが、悪いのは彼ではない」と言います。
 
2013年のミド-オハイオ以来となるコーション・フリーのレースで、ロング・ビーチでイエローが出なかったのは4回目、レースは1時間33分54秒4835で終了しました。レースでの平均速度が100マイルを越えたのは42年の歴史の中で初めてのことであり、全車が完走したのは2011年6月のテキサス以来でした。
 
予選8位からスタートした佐藤琢磨は、トラフィックを考慮して25周目という早い段階で最初のピットに入り、ジェイムズ・ヒンチクリフの前に出ます。ブラックに換えて7番手を走行していた琢磨は、前回一緒にピットへ入っていたウィル・パワーよりも1周多くコースに留まり、53周目に最後のピットへ。ここでAJフォイト・レーシングはトップ・クラスのピット作業を披露し、琢磨をパワーの前でコースに送り出します。
 
6番手に躍進した琢磨は、プッシュトゥパスを活用して67周目にトニー・カナーンをターン1でパス。残り5周で4番手のファン・パブロ・モントーヤにも追い着き、またもプッシュトゥパスでしかけたものの、モントーヤもプッシュトゥパスで応戦し、絶妙なラインどりで琢磨を前に出しませんでした。
 
結局、レースはそのままの順位でゴールすることになりましたが、強豪ペンスキー&パワーをピットで下し、ガナッシ&カナーンをターン1で仕留め、トップ・チームの一角を切り崩しての5位フィニッシュです。とても価値のあるリザルトなのは言うまでもなく、琢磨はランキングでも6位にアップ。チャンピオンシップにおいても、ペンスキーとガナッシの間に割って入ったのです。
 
この週末、熊本を中心とした九州を大地震が襲い、甚大な被害が出たことに誰もが心を痛めていたことと思います。その中で4台ずつを走らせるトップ・チームを相手に、佐藤琢磨はみごとトップ5でゴール。ホンダ勢の最上位であり、ファンの期待に応える圧巻の走りを見せてくれました。
 
最後にUS-RACINGを代表し、熊本地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。一刻も早い復興を、心よりお祈りします。(斉藤和記)
 
●決勝リザルト

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●決勝ハイライト映像

 
●佐藤琢磨インタビュー

 
●プラクティス総合リザルト

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●ファイナル・プラクティス・リザルト

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●ファイナル・プラクティス・フル映像