INDY CAR

2011年シーズン開幕を目前に合同テストを開催

<Honda>
開催日:2011年3月14日(月)、15日(火)
開催地:アラバマ州リーズ
会場:バーバー・モータースポーツ・パーク(全長2.3マイル/ロードコース)
  
IZODインディカー・シリーズは、2011年シーズン開幕に向けて2日間の合同テストを行った。アメリカ深南部アラバマ州バーミンガム近郊にあるバーバー・モータースポーツ・パークは、全長2.3マイルにバラエティに富むコーナーが配された美しいロードコースで、今シーズンのインディカー・シリーズ第2戦Hondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマ(4月10日決勝)が開催される。Hondaは2001年からアラバマ州リンカーンで工場を稼動しており、今年からこの地で開催されるインディカー・レースのメインスポンサーを務めることとなった。
 

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昨年アラバマで行われた開幕前テストは、気温の低いコンディションに見舞われた。しかし、今年は走行初日から気温が24℃にまで上がる好コンディションで、走行2日目は気温がやや低くなったものの、午後には青空がサーキット上空に広がった。
 
テストに集まったのは12チーム、合計24台のインディカー。シーズンのスタートが2週間後に迫っていることもあり、熱のこもった走りが繰り広げられた。新しい開発パーツの性能を引き出し、マシンのセッティングを向上させ、チームのコミュニケーションを深めるために精力的に走行を重ねた。
  
2日間のテストで最速タイムとなる1分11秒9434を記録したのは、昨年このコースで優勝したエリオ・カストロネベス(Team Penske)だった。2番手は走行初日にトップだったウィル・パワー(Team Penske)。彼の自己ベストは走行2日目の1回目のプラクティス・セッションでマークされた1分11秒9636で、カストロネベスとの差は僅かに0.0202秒だった。3番手には、1分12秒2815の自己ベストを出したスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)がつけた。
 

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インディカー参戦2シーズン目を迎える佐藤琢磨(KV Racing Technology-Lotus)は、走行初日は60周を走って13番手につける1分13秒1913をマーク。走行2日目にはそれを1分12秒4742まで短縮。参加した24台の中での6番手と、まずまずの滑り出しを見せた。彼は日本人ドライバー唯一、シーズン・フル参戦を行い、チームメートはベネズエラ出身、インディカーでの3シーズン目を戦うE.J.ヴィソである。彼らは2カー体制のメリットをフルに引き出すべく作業を分担し合ってマシンセッティングを進め、シーズン開幕に向けて確かな手応えをつかんだ様子だった。
 

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開幕戦はHondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグ。フロリダ州のセント・ピーターズバーグのストリートコースで決勝レースは3月27日(日)に行われる。
 

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エリオ・カストロネベス
「今日は路面の変化も激しかったが、我々はそうした状況にも的確に対応を進めることができた。このコースでレースが行われるのは4月で、今日とはまた違ったコンディションでの戦いになるだろう。昨日と今日の2日間で明らかになったのは、今シーズンの戦いが昨年以上に激しいものになるということだ。タイムの差は本当に小さい。多くのチームが実力をつけている。我々は3人のチームメート同士で刺激し合い、さらにレベルアップを果たしている。開幕戦はストリートコースなので、今回のテストとはまったく状況が違う。どんなレースになるのか、今からとても楽しみだ」
 

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ウィル・パワー
「今シーズンはインディカー史上で最も激しい戦いとなるだろう。参戦するチームもドライバーもラインナップは強力だ。いくつものチームが昨シーズンよりも力をつけたことにより、今回のテストで記録されたタイムは驚くほど接近し合っていた。我々Team Penskeのマシンはフィーリングがとてもよく、セッティングも上々だった。2日間の走行により、バーバー・モータースポーツ・パークで行われる第2戦で役立つセッティングデータを手に入れることもできた」
 

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佐藤琢磨
「今回の震災で被災なさったみなさまに心からお見舞い申し上げます。時々刻々と日本からの情報を聞き、被害の大きさを感じ、胸を痛めています。今も救助活動、復興活動の真っ最中だと思います。1人でも多くの方が無事で、一日でも早い復興がなされることを、遠いアメリカからお祈りしています。
 
テストは収穫の多いものになりました。シェイクダウンを先週行って、急ぎ足でテストまでこなしました。試したかったことはいろいろありましたが、そのうちの6〜7割はできたと思います。我々のチームは2台を走らせていますが、テスト中に両方とも方向性を失いかけた時がありました。しかし、そこからうまく作業を手分けして探っていき、うまくリカバリーすることができました。まだ課題はいくつか残っていますが、手応えはつかめたと感じています。開幕戦までの間、エンジニアたちは2回のテストで得られたデータの解析を行い、開幕戦のセント・ピーターズバーグ、そして、ここで行われる第2戦に備えることになります。
 
今年は自分にとって2シーズン目です。昨年は本当に手探りの状態で、わからないまま乗っているような状況でしたが、1年間戦ってきた後なので今年はほとんどのサーキットを知っていますし、マシンに対する理解も深まっていますから精神的にかなり楽です。いろいろなことがわかっているので、今回のテストだけを見ても、ここはこうしてみようとかエンジニアとのミーティングで自分から提案ができています。
 

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2011年シーズンは、昨年以上に競争は激しくなりそうです。テストでのラップタイムの接近ぶりに驚いています。なかなか簡単にはいかないと思いますが、自分としては激しいコンペティションの中でトップグループにチャレンジできる手応えをテストで感じられました。
 
KV Racing Technology-Lotusというチームも、冬の間にマシンの性能アップを実現し、クルーも核になるメンバーを残した上で強化することができたようです。チームとしてのクオリティが上がっているので、彼らと一緒にレースするのを楽しみにしています。
 
昨年はとても残念なシーズンになっていました。予選である程度上位に行けた時もあったので、今年はそれをきちんと結果に残し、1戦でも早くポディウムに上りたいです」
 
ジム・グッドロウ|HPDレース・チーム シニア・エンジニア
「地震と津波で被災をされた日本のみなさんにお見舞いを申し上げます。安全の確保と、一日でも早い復興を心から祈ります。今回は開幕前のテストで、出場チームにとってもHPDのサポートチームにとっても、錆びを落としてセント・ピーターズバーグでの第1戦に備えるものとなりました。24台が合計で約8500マイルを走破。トラブルらしいトラブルはなく、とても意義のあるテストとなりました。エンジンは昨年と同じ仕様で、パワーと耐久性の両立がすでに実証されています。今回のテストでは、HPDが開発した燃料補給の際に働くセーフティシステムを全チームが初めて装着しました。チームはその作動状況を確認でき、我々としても非常に有効なデータを豊富に得ることができました。テストの結果から、今シーズンの戦いが激しいものとなるのは明らかになりました。開幕戦が今からとても楽しみです」